誰が叔父様の側室になんてなるもんか!【完結】

Lynx🐈‍⬛

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労るのか強請るのか

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「腰………痛い……。」

 2泊ゆっくり過ごせると思っていたアリシア。
 しかし、その2泊は体力の限界迄抱き潰された。

「あ、そ。」

 上機嫌で鼻歌を歌いながら、朝の身支度を終わらせたカイルは、薬草を取り出して何やらやっている。

「何してるの?」
「ん~、これは煎じて飲む為に作ってる。」
「何の効果があるの?」
「筋肉痛と滋養強壮、体力回復だな。」
「それ、頂戴……。」
「アリシアの為に作ってんだよ、飲んだら挨拶して帰るしな。」

 煎じて飲んだ薬茶はニオイが強烈だった。

「臭いよ!」
「薬はそういう物。無味無臭に出来たらいいんだがな……。中にはそういう物が出来ない薬草もあるし。」
「私も覚えるから教えてね。」
「何を?覚えるって?」
「薬学。分かるかどうか、身につくかどうかも分からないけど。」

 それを聞いたカイルは、アリシアの額にキスを落とした。

「その意気込みに期待してる。」
「頑張るよ。」

 コンコン。

 誰かがアリシアの元にやって来る。
 客間の扉がノックされた。
 カイルが声を掛ける。

「はい。」
『アルフレッドです。』
「お兄様?」

 カイルが扉を開けに行くと、アルフレッドとロバートが入って来た。
 アリシアは、先程飲み干した薬茶をテーブルに置き、アルフレッドに駆け寄ると抱き着いた。

「お兄様、おはようございます。」
「おはよう、アリシア。今日発つんだろ?」
「はい。短い間でしたが、お世話になりました。」
「カイル殿、結婚式の予定が付いたら連絡を下さい。必ず父上か僕が行きますので。」
「はい、勿論です。考えてはいますので是非その時は。」
「アリシア様、カイル様、お幸せに。」
「ありがとう、ロバート。」

 アドラードやアマンダにも帰郷の挨拶を済ませ、また2ヶ月掛けてレングストンに入る帰路につく。
 馬車に乗り、アリシアは4ヶ月前に味わった感情と今の感情が違う事に気が付いた

 これからは滅多に会う事が出来ない家族との別れの寂しさが込み上げる。
 自然に涙が溢れ、カイルには見えないように涙を拭うと、後ろからカイルから抱締められた。
 何をされる訳でもなく、寄り添うように抱締めるカイルの温もりに、次第に落ち着いていった。

「王族に嫁ぐ訳じゃない。また気軽に会いに行けるさ。」
「………うん。」

 夕方になり、宿屋を部下に探させたカイル。
 行きと同様、2~3部屋を借りたが、ひと宿のみにするという。

「カイル様、我々は別の宿屋探しますが。」
「いや、一緒の方が面倒じゃないだろ。馬車の見張りにいつものように数人配置して休んでくれ。」
「分かりました。」
「アリシア、宿屋で休もう。後は頼んだ。」
「お疲れ様でした。」
「皆さん、おやすみなさい。」

 アリシアも部下達に挨拶し、宿屋にカイルと宿泊する部下達と入る。
 カイルとアリシアの部屋を挟みそれぞれ部下達。
 
「ねぇ、カイル。」
「ん?」
「声、聞かれたくないから、3部屋借りて真ん中に宿泊してたけど、今日はシない、て事?昨日迄は、私の月の穢れ意外シてたのに。」
「何だ?そんなに抱かれたかったのか?」
「……………あ、いや………その……。」

 図星とも言えず、ヤラなければヤラずとも、カイルの意思次第だとは思ってはいただけなのだ。

「2日間がっつき過ぎたからな、腰まだ痛いんだろ?その日の様子見だな、と。別に毎日シなきゃいけない訳でもないし、これから出来ない日もあるだろうから、特に問題でもない。それともアリシアは毎日抱かれたい?」
「……………うっ……カイルが求めてくれるならいつだって………。」
「…………またそんな煽る顔しやがるし……アリシアから誘っても俺は構わないぜ?ただし、流石に今日は両隣部下が居るとな……声出さないように我慢するならいいぜ?」
「こ、声………出さない自信ないよ~。」
「だろうな…………俺が声出すように抱くから…………クククッ。」

 服を軽装にし、部屋の椅子に座ったカイルは葉巻を出した。
 久しぶりにカイルが葉巻を吸うのを見るアリシア。
 4ヶ月の間でも吸い殻は宿屋の部屋で何度か見てはいたのだが、目の前で吸うのは5年振りだ。

「久しぶりに見る、葉巻吸うカイル。いつ吸ってたの?たまには吸い殻は見てたけど。」
「ん?アリシアが寝た後にな。触り足りねぇな、と思うと吸いたくなっちまった。今は気を紛らわせの為に。」
「…………。」
「何だよ、またそんな顔したら抱きたくなるだろうが………。」
「ん?…………じゃあ以前街で葉巻吸ってたのって………。」
「……………あ………風呂入ろっと。」

 カイルが照れてるように見えたアリシア。

(…………あの時、チーズパン買ってもらって食べてた時……………も、もう………どれだけ私、好かれてんの………あんな時でさえ手を出したくなってたなんて………。)
「可愛い………ふふふ……。」

 その日は、カイルはアリシアを抱く事なく、寄添って一夜を明かしたが、葉巻の吸い殻が今迄見た本数より多かったのに、アリシアは朝からカイルを揶揄うのだった。


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