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ウエディングドレス
しおりを挟む翌朝、朝食を食べるアリシアに、珈琲を飲むカイルが開口一番で言う。
「朝食食べたら、離れに行ってくれ、ルルーシュがアリシアを待ってる。」
「今日、お姉様達が来られるのに?お出迎えの準備は?」
「ナターシャ達は、別の場所で待ち合わせしてる。パーティーはその後、敷地奥の庭でガーデンパーティー。」
スープにパンを浸し口に含むと、アリシアは心踊った。
「ガーデンパーティー?素敵!じゃあ、その準備に離れに行くのね?」
「…………そういう事。」
サプライズの為、カイルは隠すのに頭をフル回転だ。
「じゃ、早速行かなきゃ。」
「あぁ、行ってこい。後でな、アリシア。」
「カイルは如何するの?」
「俺は、別の仕事。」
「え?仕事するの?今日ぐらい休んだら?」
「いいんだよ、お前が楽しけりゃ。」
「分かった、行ってくるね。」
アリシアはカイルの頬にキスをすると、急いで離れへ行く。
「………さて、と俺も準備準備………セルゲイ、庭の準備は頼んだぞ?」
「お任せ下さい。」
カイルは軍服に着替え、そのままウィンストン領の教会へ馬車を走らせた。
一方のアリシアは離れに行くと、ルルーシュが待ち構えるように、ウエディングドレスのある部屋へ案内をする。
「……………な、何、これ…………ウエディングドレス?」
「はい、旦那様がこのドレスを本日着て欲しい、と。」
「カ、カイルに確認してくる!」
「旦那様はもう既に邸を出られたかと。」
「……………え?」
戸惑うアリシアを部屋の入り口の影から確認するアドラードとアマンダ。
(…………驚いているな。)
(えぇ、カイル殿はアリシアの驚く顔を見たかったんでしょうね。)
「さぁ、お着替えを。」
「き、着て…………いいの?」
「はい、旦那様がアリシア様に、とご用意させたドレスでございます。」
込み上げる涙を手で覆い、蹲るアリシア。
嬉しくて嬉しくて、着替える事も出来なくなる。
「まぁ、アリシア、何をしているの?早くアリシアの綺麗な姿、見せて頂戴。」
「!!」
「久しぶりね、アリシア………部屋の外でお父様も待っているわ。」
「…………お、お…………お母様!!」
「アリシア………今日はおめでとう。幸せになってね。」
久しぶりに見る母の姿と声に立ち上がり、アマンダに抱き着いたアリシア。
「お母様っ!どうして………いつここに!?」
「昨日の午前中に着いたのよ?あなたと結婚式を挙げるので、ウィンストン領にお越し下さい、とカイル殿からお手紙を貰っていたの。」
「…………結婚式……私の………。」
「奥様、お着替えして頂かないとお父様にお見せする時間無くなってしまいますわ。」
「…………あ……。」
「さぁ、アリシア。」
「………ルルーシュ………き、緊張……してきた………。」
「お手伝い致しますから。」
アリシアは身体が震える。
緊張と嬉しさと、昨夜のカイルの言葉の意味がやっと理解したアリシアは泣きながらドレスの袖を通す。
アリシア好みのドレスのラインに、スパンコールが細かく散りばめられ、袖と裾に刺繍も施された美しいドレス。
「泣いてばかりでは、化粧出来ないわよ?アリシア。」
「旦那様は化粧しなくても、昨日美しい仕上げになるように、と侍女達にアリシア様を仕上げておりますから大丈夫かと。泣かれるのは想定内なので。」
「………まぁ………アリシアの事を良くご存知ね。」
「…………うっ………ぐすっ……。」
「でも奥様、あまり泣き過ぎると、目が充血しますわよ?」
「だ…………だって…………ううっ……。」
ウエディングドレスに着替えたアリシアは、アドラードの前に立つ。
「アリシア………綺麗だ。」
「お父様~~~!!」
既に充血した目のアリシアがアドラードに抱き着くと、アドラードは抱き締め返す。
「カイル殿に感謝するように……彼は、仕事が忙しく構ってやれなかった寂しさを埋める様に、アリシアもカイル殿の仕事を手伝っていたのだろう?だから、カイル殿はアリシアに内緒で、結婚式を挙げさせてやりたかった、と言っていた。一生懸命頑張ったな、アリシア。ご褒美として受け取ってあげなさい。アリシアをカイル殿に委ねて良かった…………こんなに幸せそうで、カイル殿の為に美しく成長し、どんなに私を幸せにしてくれたか………これからはカイル殿を幸せにしてあげなさい。」
「…………はい!お父様っ!」
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