私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛

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我慢の夜

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 ナターシャはお風呂で身体を温め終え、タオルを巻いた状態でバスルームを出る。
 髪も濡れ、乾き切っておらず、リュカが置いたガウンを羽織った。
 素肌でガウン1枚なので、タオルを巻いた状態と同様恥ずかしいと感じるナターシャ。

「は、恥ずかしい………。流石にドレスはまだ来ないわよね……。」

 髪を拭きながらソファに座り、部屋を見渡す。

「殿下のお部屋もこういう感じかしら……。」

 華やかな印象のリュカには似つかわしくない、茶系の家具が多く、質素で使い勝手が良さそうな調度品ばかり。
 寧ろ、トーマスらしいような気がする。

 コンコン。

『ナターシャ、入っていいかい?』

 ドア越しでリュカの声を聞き、恥ずかしさの余り、ドアから見えないソファの背に隠れたナターシャは、そこから返事をする。

「は、はい!」

 カチャ。

「身体温まった?」
「はい、直ぐにお風呂入れましたから。」
「あ、あれ?ナターシャ何処?」
「こ、ここです………。」

 リュカに知らせる為に、ソファの陰から手を出すナターシャ。

「何で隠れてんの?」
「…………は、恥ずかしいので………。」
「…………。」
(ヤ、ヤバイッ!!髪も濡れて火照った顔がっ!!)

 ガウン1枚を羽織りうずくまるナターシャから出る膝下からの足の細さ、胸元のガウンが重なる僅かの隙間から、胸の谷間が見えるのだ。

「ナターシャ……………俺を悩殺しないで………。」
「悩殺?」
「あ、いや…………食事を運んで貰うから、バスルームに隠れてて。」
「は、はい。」

 いそいそと、バスルームに戻るナターシャの後ろ姿。

(……はぁ………触りたい…………あの足、あの胸………舐めたい………。)

 そんな衝動に駆られ、食事もせずナターシャを昧りたかったリュカは、深い溜息をしてから、ユランを呼ぶ。
 暫くすると料理が運ばれる。

「悪いが後はこちらでやるから。」
「終わりましたらまたお呼び下さい。」
「あぁ。」

 ユランと侍従達が出て行くと、リュカはバスルームのドアをノックすると、ナターシャが出て来た。
 髪は先程からより少し乾いていた。

「殿下?如何されました?」

 ナターシャに見惚れて、意識が飛んでいたリュカ。

「いや、さぁ食べようか、お腹空いたろ?」
「そうですね。」

 温かいスープが身体に染み渡る。
 急な訪問にも関わらず、慌ただしかっただろうに、温かい料理が並び、胃も満たされたナターシャとリュカ。

「セシルに、ナターシャのドレスを頼んであるから、侍女を連れて来るまで、ガウンで悪いが待ってて。」
「はい……申し訳ありません、わたくしが湖に落ちたばかりに……。」
「ナターシャと居ると楽しいし飽きないから大丈夫だよ。」
(…………俺の方が心配……。)
「何か仰っいました?」
「…………いや。」

 ワインを口に含み、肉を食べるリュカ。

(部屋……今から別にした方が………あぁ、理性が…………治まれ……俺!)

 リュカはナターシャの胸元や足を見てから昂っている。
 セシルが来なかったら、恐らく自分を止めないだろう、と予感するのだ。

 コンコン。

 ドアをノックする音。
 食べ終わる迄近付くな、と伝えてあった筈なのに、とリュカは反応を待つ。

「セシル様がナターシャ妃の侍女を連れ、到着したのですが、如何なさいますか?」

 ドア越しで話すユラン。
 ナターシャもほぼ食べ終わっている。

「分かった。今降りる。食器はまだもう少し待っててくれ。」
「畏まりました。」

 ユランの気配が遠退くのを確認し、ナターシャに声を掛けた。

「侍女を連れて来るから暫く待っててくれ。」
「はい。」

 リュカはドアを開け、部屋の中が見えないように配慮して出て行った。

「………はぁ………天国と地獄だ……。」
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