27 / 38
友人の結婚式で
しおりを挟む「変じゃないですか?」
「何で?」
「だって、桜也うるさいじゃないですか」
桜色のシフォンドレスに身を纏う櫻子。このドレスも桜也が外注で沙也加を呼び出し買った物だ。これだけではなく、また服を追加購入する程の豪快に買われたが。
『桜也さんの買いっぷり、本当に好きだわぁ………良かったわね、櫻子ちゃん、羽振りがいい男捕まえて』
等と揶揄われた櫻子。桜也も櫻子のシフォンドレスに合う様に、淡いピンクのネクタイとスカーフを胸にあしらっている。
「今すぐ押し倒したいぐらいに似合ってると思うが?………会場には部下も配置はしているが、今日は俺は表の顔だから、そういう体で会話してくれ……」
「弁護士でも極道でも、桜也は変わらないじゃないですか」
「極道の話は禁止」
「分かってますよ」
「敬語も禁止………ボディーガードではなく彼氏として横に立つんだから………な?」
櫻子の手の甲にキスを落とす桜也に、ほんのりと頬を赤らめた。
「ドタキャンするか?」
「………しません!!」
「……………敬語毎に、スキンシップしてやる」
「…………」
教会に着く迄に、散々桜也にスキンシップされた櫻子。敬語が癖になっていたのもあり、燻ったまま櫻子は美咲に挨拶をしに行こうと教会の中へ桜也と入る。
「…………綺麗な教会」
「何?教会式で挙式したい、て?」
「………な!」
「俺は櫻子の白無垢見たいな」
「…………白無垢……」
ホボボッと再び顔を赤らめた櫻子。車でここに来る迄も、散々脱がされ掛けたドレスの中は燻っているのに、桜也は容赦せず色気混じりで口説きまくりだ。
「み、美咲に会いに行ってくる!」
「紹介してくれるんだろ?」
「…………」
櫻子は桜也の手を掴み絡める。交互に指を絡める恋人繋ぎを自分から仕掛けるのは初めてだ。
「お、進歩」
「…………そんな揶揄うなら、もういい!」
「駄目……俺は嬉しいから」
何度身体を重ねても、セックスの時以外に手を絡めた事は無かった2人。寄り添う様に新婦の控室に入る。
「美咲、久しぶり!」
「櫻子~!!」
「今日はおめでとう!」
ウエディングドレスを身に纏う友人の美咲と横に寄り添う新郎。
「今日はありがとうございます、美咲から櫻子さんの話はよく聞いてたんです」
「美咲から、馬鹿な話ばかり聞かされてたんじゃないですか?」
「とんでもない、苦労人だとよく話を聞いてます」
「そうそう、褒め言葉ばっかり」
美咲の夫となる人は、櫻子の知らない男だった。何人も大学の友人との話、櫻子に聞かれる事はもっぱら、べったり櫻子にくっつく桜也の事ばかり。
「何1人だけ、ハイスペ男捕まえてんのよ」
「弁護士のお友達と合コンしません?」
「いえ、私は弁護士の友人は少なくて……」
「櫻子との馴れ初め教えて下さい!」
櫻子を輪から追い出す勢いで、櫻子の友人は桜也を取り囲むのは直ぐだった。
「モテるねぇ、櫻子の彼氏………大学当時付き合ってた人とは別れたんだ?」
「あれ?美咲、会った事はあったっけ?大和と」
「あれ?言ってなかったかなぁ………櫻子が居なかった時かな?偶然サークルの飲み会の居酒に居てさ………ほら、よく大学終わりに迎えに来てたじゃん?あれで顔は知ってたから覚えてて………あの後も、偶然に何度か会ったりしたかなぁ………あの人もカッコ良かったけど、今彼のがカッコ良いいじゃん、しかもハイスペ」
「………うん……」
「結婚式には呼んでね、櫻子」
「!!………ま、まだそんな話ないから!!」
教会での式を終え、パーティー会場へ移動しようと、友人達の輪に居た櫻子。その後ろを控える様に歩いていた桜也に、スタッフから声が掛かった。その一瞬の出来事だった。スタッフと話ている1、2分の間に、櫻子が消えたのだ。
「櫻?………櫻!!」
「え?…………櫻?………あれ、居ない」
「トイレ?」
「一緒に居たよね?」
「何処だ!櫻!!」
突然消えた櫻子。友人達は、トイレに探しに行くが見当たらず、会場の何処にも居なかった。友人達はすれ違う台車に荷物を運ぶ業者は居たというが、その業者も居なければ、スタッフ達もそんな業者は客から見える所には入らない様にはしている、という。桜也はその業者が怪しいと思い、スマホを出した。
「坂本!!櫻が連れ去られた!!探せ!!」
スマホのGPSで探すが、櫻子の持っていたバックがスマホと共に教会から離れた所に落ちており、既に離れてしまった様だった。
♤♤♤♤♤
「よぉ、櫻………久しぶりだな」
「……………んんんんんっ!!」
ダンボールに詰め込まれて、知らない場所に連れて来られた櫻子。倉庫か工場の様な所で、30人は居るだろう男達を引き連れた大和。
「猿ぐつわ外せ」
命令された部下は櫻子の猿ぐつわを外される。
「大和!!自首して!!」
「はぁ?するか、馬鹿………こっちは龍虎会にコケにされっ放しなんだよ!………その女、こっちに連れて来い!」
ダンボールから出させられた櫻子は大和の前に連れて行かれると、大和の顔が歪む。
「…………随分といい女になったじゃねぇか……櫻」
「………私は変わらないわ………変わったのは大和じゃない!!私が好きだった東堂大和に戻ってよ!!出来ないなら自首して!!」
「…………減らず口叩きやがって………」
ビリッ!
「キャー!!」
大和がナイフを持ち、櫻子に向けひと振りすると、紙一重でドレスが切り裂かれた。うっすらと、櫻子の胸に切り傷が着く。
「またエロい下着なんか着やがって………俺には見せなかったよな、そんな下着………」
赤い鮮血が、胸を伝う。櫻子は痛みがあったが、それよりも大和への怒りの方が込み上げる。
「こんな事止めてよ!!私が知る大和はそんな事言わなかった!」
「そりゃそうさ、芝居してたんだからよ……チャラい男を演じるのも楽しかったがな、獅子王組の後継者として、そんなんじゃ龍虎会潰せないからよ………ほら、以前の様にセックスしようぜ、櫻………ギャラリーいっぱい居るから燃えるぞ?」
「誰が貴方なんかと!!反撃出来ない人達に銃突き付けて、死んだ人も居るのよ!!レストランだって、銃撃したのだって………菫にも近付いて………騙して………お願い………もう自首………」
「…………泣くなら俺の咥えて啼けよ……おら、来い!!」
大和は座っていたソファから立ち上がり、櫻子の肩を掴むと、ソファに押し倒した。
「高嶺を呼び出せ!………一人で来いとな!!…………さぁ、楽しもうぜ、櫻……」
大和はそう言うと、ドレスの胸部分を引き裂き、櫻子の胸を露わにさせた。その瞬間、歓声が沸き起こる。
「動画撮るなよ~、この女は獅子王組の姐さんになる女だからよ~!!」
「離して!!…………いやぁ!!」
2
あなたにおすすめの小説
【完結】平凡OL(β)ですが、同期の末っ子御曹司(α)に溺愛されています
神無月りく
恋愛
日本外食産業の一翼を担う『川嶋フーズ』で秘書としてOL黒田鞠花(くろだまりか)は、同期で社長令息の川嶋隼人(川嶋はやと)に入社以来恋に似た憧れを抱いていた。
しかし、そもそもの身分が違う上に自分はβで、彼はα。
ただの同期以上の関係になれないまま、五年の月日が流れた。
ある日、Ωのヒートに巻き込まれて発情した彼を介抱するため一夜を共にし、それがきっかけで両思いだったことが発覚して交際がスタート。
意外に庶民的でたまに意地悪なスパダリ彼氏に溺愛され、順調にデートを重ねて幸せな日々を送っていた鞠花だったが、自分の母親からαの交際を反対されたり、彼の運命の番を自称するΩ令嬢が登場したりと、恋路を妨げる波乱に見舞われるように……
※ムーンライトノベルズ(小説家になろう)様で同一作品を連載中ですが、こちらが若干先行公開となっております。
※一応R18シーンには☆マークがついています。
*毎週土日および祝日の不定時に更新予定(ただし、1月1日~5日までは連日更新)。
俺様外科医の溺愛、俺の独占欲に火がついた、お前は俺が守る
ラヴ KAZU
恋愛
ある日、まゆは父親からお見合いを進められる。
義兄を慕ってきたまゆはお見合いを阻止すべく、車に引かれそうになったところを助けてくれた、祐志に恋人の振りを頼む。
そこではじめてを経験する。
まゆは三十六年間、男性経験がなかった。
実は祐志は父親から許嫁の存在を伝えられていた。
深海まゆ、一夜を共にした女性だった。
それからまゆの身が危険にさらされる。
「まゆ、お前は俺が守る」
偽りの恋人のはずが、まゆは祐志に惹かれていく。
祐志はまゆを守り切れるのか。
そして、まゆの目の前に現れた工藤飛鳥。
借金の取り立てをする工藤組若頭。
「俺の女になれ」
工藤の言葉に首を縦に振るも、過去のトラウマから身体を重ねることが出来ない。
そんなまゆに一目惚れをした工藤飛鳥。
そして、まゆも徐々に工藤の優しさに惹かれ始める。
果たして、この恋のトライアングルはどうなるのか。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
イケメン警視、アルバイトで雇った恋人役を溺愛する。
楠ノ木雫
恋愛
蒸発した母の借金を擦り付けられた主人公瑠奈は、お見合い代行のアルバイトを受けた。だが、そのお見合い相手、矢野湊に借金の事を見破られ3ヶ月間恋人役を務めるアルバイトを提案された。瑠奈はその報酬に飛びついたが……
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
専業プウタ
恋愛
25歳の桜田未来は中学生から10年以上引きこもりだったが、2人暮らしの母親の死により外に出なくてはならなくなる。城ヶ崎冬馬は女遊びの激しい大手アパレルブランドの副社長。彼をストーカーから身を張って助けた事で未来は一時的に記憶喪失に陥る。冬馬はちょっとした興味から、未来は自分の恋人だったと偽る。冬馬は未来の純粋さと直向きさに惹かれていき、嘘が明らかになる日を恐れながらも未来の為に自分を変えていく。そして、未来は恐れもなくし、愛する人の胸に飛び込み夢を叶える扉を自ら開くのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる