束縛と緊縛の世界へ【完結】

Lynx🐈‍⬛

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「それじゃあ、嫌な事があれば【おすわり】って言ってくれ」

 取材と言いつつ、度が過ぎる様な気もしないでもなかった由真だが、好奇心と恐怖心の狭間で揺らいだ気持ちが、桐生により好奇心へ引き込まれて行った。

「は、はい……」

 返事と共に頷く由真に、桐生は縄を見せる。

「噛んでみて」
「え………」
「いいから………」

 縄への抵抗感を和らげてくれるのかは分からないが、桐生の言葉に従う由真。

「………は、はい……」
「今から、アンタが何処迄俺を許すか……」

 縄を顔の前にぶら下がるのを、咥える由真。この縄が、今からどんな縛られ方をしてくれるのかを考えてしまうと、下腹部がキュンと締まった気がする。

「ん………」
「………普段、ローターやバイブを入れてんの?」
「………ん?」
「イエスなら頷いて」
「っ!」

 由真は恥ずかしながら頷いた。

「…………じゃ、俺が由真にバイブ突っ込んでいい?」
「!………んんっ!」

 流石に初対面で見せられないだろう秘部。
 由真は首を振った。

「…………慣れたらいい?」
「…………っ!」
「返事が遅いって事は、悩んでるって事だな………じゃあ、いざなっていけばもしかしたら、由真のエロい姿をもっと見られるって事か……」
「っ!」

 桐生が暴いてくれると言うのか。

「綺麗に縄で縛られた由真を見たい、と俺が言えばいいか?」
「…………っ!」
「…………それも悩んでるか……しっかり咥えて………」
「っん!」

 まだ人間関係は、だ。それでも暴こうとする桐生に縄を引っ張られ、胸を鷲掴みされた由真。

「これは許せる?」
「んっ!」
「…………う~ん……まだ早かったか?」
「…………」

 初対面で憧れてはいる人であろうとも、身体を許していいか等、まだ結論は行かない。

「放していいよ」
「す、すいません………初対面でいきなりはやっぱり……」

 由真を探ろうとしてくれた桐生ではあるが、それ以上は探るのは早かった様だ。

「まぁ、当然だよね………いつこの企画は載るの?」
「ゆ、猶予は1ヶ月ですが……」
「ふ~ん…………ならさ、明日金曜日だろ?明日夜、緊縛ショーを開催するからおいでよ」
「な、生で見ていいんですか?チケット完売じゃ………」
「知ってるんだ………由真は取材枠に入れるから、顔パスにしてあげるよ」

 企画書を出してから、余りの欲求不満が募り、桐生の緊縛ショーのチケットを取ろうとしたが、取れなかった由真。まさか見られるとは思わなかった。

「あ、ありがとうございます!」
「いつものモデルだから、安定感あるショーが見られるよ」
「生で見られるなんて………」
「…………見られるより、方が興奮しない?」
「っ!」

 由真は雑誌や漫画で見るより衝動に駆られていたのを桐生に知られていた。たった、数十分話しただけなのに。

「緊縛ショーを撮影したい人も居るんだが、モデルは皆顔出しNGなんだ。サプライズで参加してみる?由真」
「む、む、無理です!そんな急に!」
「スケジュールあるから、参加はさせないよ……冗談」
「…………ほっ……」

 急にショーに出ろ、と言われては、流石に驚くし撮られる側は慣れていない由真。安心した顔をすると、桐生は意地悪い顔をする。

「その代わり、ショーの後は時間作るから、今日の続きね」
「このまま、企画に協力してもらえるんですか?」
「面白いからね。新規開拓したいし」
「ありがとうございます!桐生さん!」
「…………あ、そうだ……SMプレイ中は俺をたすくって呼ぶ様に」
「たすくさん、ですか?つばささんじゃないんだ」
「つばさと書いてと呼ぶのさ。珍しいだろ」
「知りませんでした………雑誌でも振り仮名無いし」

 桐生の名はではなかった。それを知る者は少ない気がする由真。

「店の名はよくと蜘蛛だからね」

 店の名はローマ字で小さく看板に書いてはあるが、それでとは呼ばない人が多いだろう。

「普段、俺はSMプレイのレクチャーや、ショーや動画配信をするだけだ。セックスもしない。だが、プレイ中は名前を勘違いで呼ばれたくなくてね、取材関係なら無視出来るが、緊縛師として仕事している事にプライドがあるんだ」
「分かりました、さんとお呼びします………ですが、取材中は失礼が無い様に、苗字で呼びますから」
「…………堅苦しいけど仕方ないな。今迄取材が無かったわけじゃないけど、実践しながらの記者は初めてだからさ、俺」
「そうなんですか?私、桐生さんの動画配信を見た事ありますけど、縛られたいって思いましたよ?」

 初対面で桐生本人の人となりを知らないままで、SMプレイをいきなりするのは抵抗感があった由真だが、やはり望みとしてはあったのだ。

「………へぇ~………そんなに俺に縛られたかったのか……」
「っ!…………そ、それでも………性急し過ぎて、怖かったんです!」
「それに関しては、俺は何も気にはしてないさ。縛るだけでイかせる事は俺には簡単な事だしな………望みとあれば緊縛以外でも協力してやるよ」
「そ、それは取材に含まれた事なので………でもは無しですから!」

 とは、の事だ。一線を越えたいとは由真も思ってはいない。後生大事に処女を守っている訳ではないが、セックスするなら愛のあるセックスがしたかった。
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