聖女は鳥になって過去に2度戻り、夫を入れ替える【完結】

Lynx🐈‍⬛

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悪魔の正体

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 ライナスが自殺して、葬儀に参列したカチュアとコーウェン。
 この日は雨が静かに降っており、泣こうとしないコーウェンや王、デューク、ロイス達の代わりに涙を流していたように見えたカチュア。
 罪人の為、公爵家の墓には入れないライナスの葬儀は質素に行われた。

「シャルゼの弔いかしらね」
「うん、だとありがたいよ………」
「涙、雨で流してくれているわ」
「…………カチュアが望む死に方じゃなかったんじゃない?」
「お見舞いの時のライナス殿下が本来のライナス殿下なのだと思ったから、いいの………ライナス殿下が決めた最後を詮索したくないわ」
「聖女は慈悲深いね………」
「終わり良ければ全て良し……私の中で浄化して終わった事だから…………」
「悪魔にも名前あったんだね」
「ルシファー?…………元々は優しい人だったのよ、彼」

 ライナスを埋め終わり、参列者は散り散りになる。
 雨が止み始め、日が徐々に差してくると、カチュアは傘を閉じた。
 意味深のカチュアの言葉に、コーウェンは反応する。

「悪魔を封印した事は知ってるけど、何故親しみを込めてるの?カチュア」
「……………初代カルディアの双子の弟だったのよ………一緒に大陸を作り、人を移住させたけど、争いの絶えない、領土の奪い合いを止めようと、ルシファーは仲介に入ったのだけど、どちらにもいい顔し過ぎて、信用されなくなったの………私が仲介に入り事なきを得たけど、コルロフ王朝を作った初代王になる人と、私の様子を見て怒ってしまい、怒りに任せたルシファーは悪魔になった………浄化する事は消滅させてしまうのでは、と甘い考えで封印したのだけど、ライナス殿下が見つけてしまったのね…………これを……」

 カチュアは、バックから巾着を出し中身をコーウェンに見せた。
 白くて丸い真珠。

「ここに封印して、海に沈めたのを見つけたみたい………初代カルディアはコルロフ王朝を、人間の男と作り、子を残して眠りに着いたわ………1000年に1度しか生まれ変わらない聖女として、その間は精霊達に任せてた………生まれ変わる為に、人の身体を使って、末裔に伝記を書かせて、弟のルシファーと子供達を見守ってきたの………今回は本当に大変だったけど…………カチュアの人生を全うしたらまたカルディアは1000年後に戻って来るけど、カチュアとしてウェンに出会わなければ、カルディアはお終いだったわ………ありがとう………」
「…………何か、別れを言い渡されてるみたいなんだけど………」
「やだ!カルディアとして言ったのよ?カチュアとしてはまだまだウェンと一緒に居たいわ」
「……………それは、僕に愛を告白してる、て解釈しちゃうけどいい?」

 カチュアは真珠をバックに仕舞い、コーウェンに抱き着いた。

「…………私を離さないで………愛してるの……」
「………カチュア………僕も愛してるよ………」

 ゴルーグ公爵家に帰宅したカチュアとコーウェンは直ぐに寝室に入った。
 喪着を脱ぎ、お互いに裸になって抱き締めあう。
 キスを交わし、お互いを脱がしあったのだが、コーウェンはそれを拒まないカチュアにムッとする。

「………ウェン?」
「…………カチュアが経験豊富なのは充分頭では分かってるし、今の身体のカチュアは、処女なんだと思うんだけど、複雑な気分」

 カルディアとして、何度か転生した記憶のあるカチュアの処女に見られる初々しさが全く無いので、加減が分からないらしいコーウェン。
 カチュアも、アレコレとデュークやバッシュ、ゴードン、ライナスに開発された記憶だけでなく、カルディアの記憶もある。
 ごく自然に切り替わってしまう記憶の引き出しに、コーウェンを惑わせていたのを気にも留めずにいたカチュア。

「…………カルディアの時の記憶は閉めておく……」
「…………あと、過去のカチュアも!」
「それも?」
「それも……………デュークやバッシュ、ライナスと比べられたくない!」
「……………分かりました………コーウェン様…………あの………恥ずかしいので、カーテンも閉めていいですか?」
「!!」

 過去カチュアの様に、敬語もなかなか取れず、初なカチュアにされてしまったコーウェンは、それはそれで萌え要素との戦いになるのだと知る。
 あまりのギャップで、慌ててカーテンを締めたコーウェンは腕で胸や秘所を隠すカチュアにクラクラする。
 キスをしながら服を脱がし合ったカチュアは鳥の記憶の中に居たカチュアだろう。
 恥ずかしさもなく貪り合いたいと、コーウェンの舌を絡ませ、背中に腕を回す様は、コーウェンを欲情を誘ったのだが、過去カチュアのこの仕草は、開発したいという独占欲と支配欲を駆り立てる。

「…………どっちも捨て難いんだけど……」
「………はい?」
「カチュア………ちょっとだけ、鳥の時の記憶を開放して」
「………ウェン……我儘……」
「だって、どっちも愛おしいんだ……仕方ないよ」
「身体は処女なんだし、知識だけの感覚なんて、大した問題は無い気もするのだけど……感じやすいとかそういう事なら、感じやすい方がいいのでは?」
「…………もう………いい!!何でも!!その愛くるしい魅惑の身体して我慢出来ない!!カチュアに任せる!!」
「きゃっ!!」

 ベッド脇に居たので、そのまま押し倒されたカチュア。

「僕は久々に女を抱くから、下手だったらごめん」
「…………ウェンの始めては?」
「去年の花嫁探しの前かな………娼館で数回」
「…………私は初めてなのに……」
「!!今、過去のカチュア出さないでよ!!後悔しちゃうだろ!?初めて同士がいい、と言う女が居るのも知ってるけど、慣れた男の方が、女性に負担掛けない、て聞いたから………」
「クスクス…………」

 慌て蓋めくコーウェンが可愛くて、カチュアは笑ってしまう。

「カチュア~~?」
「私は拘りはないですよ?」
「意地悪だなぁ……」
「ウェンが、難しい事を言うから仕返しです」

 カチュアの手はコーウェンの頬を擦る。
 それが合図になったのか、コーウェンはカチュアにキスを贈った。

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