貴方は私を虐げてきたのではないのですか?【完結】

Lynx🐈‍⬛

文字の大きさ
26 / 41

25

しおりを挟む

 高校近くのカフェでの打ち上げになり、未央理は楽しみにしていた。

「久しぶりだよ、学校帰りのこういう時間」
「良かったね、いつも送り迎えだったもんね」
「そんなに家は厳しいの?」
「え?ううん……だけど私今両親と住んでないから心配されてる、ていうか……」

 実際に両親とは生活していないので、嘘ではない。

「じゃあ親戚の家に今住んでる訳?」
「………うん、遠縁」
「三条先生の家だったりして~」
「………あははは……」
「え?マジ?」
「………う、うん……実は……あ、でも公私混同はしてないよ!テスト問題なんて全く教えてくれなかったし」
「え?じゃあ三条先生の彼女来たりしない訳?」
「三条先生、独り暮らしじゃないんだねぇ」
「理事長の孫だって言うからね~」
「「「で?彼女見た?」」」

 4人で来たので、未央理以外の3人が口を揃える。

「………見てないよ、先生が彼女と一緒に居る所は」

 これも嘘ではない。
 彼女ではないがの未央理は自分の姿を第三者目線で見れないのだから。

「なんだ~、見てないのかぁ」
「明日香は三条先生推しだもんね」
「そう!中等部から楽しみにしてたんだよ!たまに中等部に授業来てくれたけど、人気あるからさぁ」
「生徒達の中でも本気で好きな子多いしね~」
「そうなんだ……全然そんな話した事ないや」

 相変わらず、カフェオレを飲みながら、ちまちまとケーキを食べてる未央理。

「どんな話してんの?家で」
「どんな話?………ん~、私の両親の話、とかいつも馬鹿にされるから喧嘩したりとか」
「喧嘩するの!」
「イメージ無い!」
「怒るイメージ無いよね」
「あぁ………結構短気だって!よく私怒られるもん」
「何やって怒られるの?」
「髪乾かさずに寝ようとするとか、姿勢悪いと注意してくるし、間食し過ぎるなとか……あと何だったかな………あぁ、揶揄うと照れるから面白がると逆ギレする。それで直ぐ話変えるし」
「照れるイメージも無い」
「うん、無いね」
「一緒に暮らして分かったけど、サドだよアレ」
「サド………」
「サドっぽい」
「サドかぁ」
「本当………たまに困る……」
「「「………」」」

 秀平の事を考えていて、未央理は顔を赤らめた。
 普段学校では、話題にしない秀平の事。それが学校から出て女子トークが長引くと、恋愛話をする事もやはりある。そんな中で未央理は秀平との金曜土曜の夜の事を思い出してしまったのだ。専ら、サドらしさが出るのはセックスだ。告白も半ば強制的に言わされた感があり、それを思い出したのだ。

「未央理の彼氏……まさか……」
「え?」
「………でも親戚でしょ?」
「未央理のお父さんの従兄弟が理事長って聞いた。理事長の孫が三条先生だから、近親者ではないよ」
「正直に言って、未央理」
「彼氏は三条先生?」
「ち、違うよ!先生と恋愛なんて、学校で問題あるじゃん……何を言い出すの、もう……」

 気を引き締めなきゃならない、と思い否定する未央理だが、友人達は疑いは取ってはいなかった。

「あ……この店入るの止めないか?」
「「「「?」」」」

 未央理だけでなく、友人達も聞き覚えのある声が聞こえた。

「如何して?藤枝君」
「そうだよ、此処にしようって言ったの崇じゃないか」

 生徒会長である崇が、生徒会の面々と入店してきて、未央理を見つけた様だ。

 ---相変わらず、私を毛嫌いしてるなぁ

 未央理からすれば、無視をしていればいい、と思うのだが、崇がそれさえもしなかったので、今更無視を出来ない。

「………空気悪くないか?今」

 ---おい、店に迷惑掛かるじゃん、そんな事言ったら……

「え?そう?」
「も、申し訳ありません、お客様……直ぐに換気致しますから……」

 店側も、三条高校の生徒が来る事もよく分かっているので、高校内で噂が流れ、客が減るのは困るのだ。

「しなくていいですよ、店員さん……あの人、私がこの店に居るのが気に食わないだけだから」
「え?…………あ、あの……」
「未央理?」
「………何だ、よく分かってるじゃないか、泥棒の娘……馬鹿だとは思ってたが、意外と頭が回るんだな」
「………アンタ、人に関わるな、て言っといて無視出来なかったんだ……記憶力無くなっちゃった?序でに言うけど、お母さんは泥棒なんてしてないわ!人を犯罪者扱いしないでくれる?」
「っ!」
「藤枝君、何この娘……ちょっと、生徒会長になんて事言うの?藤枝君は根拠無い事なんて言わないわ」

 生徒会の女子生徒が、未央理と崇の間に入って来る。

「そうだ、俺は根拠無い事は言わない!お前の母親は父さんの愛人じゃないか!」
「あ、言っちゃう?それ……藤枝家の恥になる事、アンタのお母さん一番嫌いな事じゃなかったっけ?」
「っ!」
「藤枝家の恥になる事はやるな、って私は毎日毎日聞かされてきたんで、しっかり覚えてるし、1週間の間スパルタ教育されてたの知ってるよね?アンタ見てきたんだから!ねぇ、……同じ性格のと一緒に私を馬鹿にしてきたよね?」
「………くっ……黙れ!愛人の娘が!」
「だから、あの家出てやったんじゃん!お父さんの親戚の家に逃げたんじゃん!あのままあの家に居たら、私が壊れるから!いい気味だったでしょ!邪魔な私が居なくなってさ!」

 未央理の挑発が続く。
 これで、崇がどんな腹黒さを見せるのか、若しくは誤魔化して逃げるのか。逃げ出すならそれはそれで、未央理はスッキリする。

「だったら学校も辞めろ!存在そのものが迷惑なんだよ!邪魔なんだよ!お前の母親とのたれ死ね!どうせ、もう直ぐ死ぬんだろ!」
「………アンタ……よくそんな事言えるよね?医学部目指してんじゃなかった?生命に向き合う事をするつもりなんでしょ?生徒会長さん!生徒会長は生徒達の見本にならなきゃならないんじゃないの?………ほら、全員、アンタを見てるよ……その目線、何も感じない?………私はアンタの素を見てきたから、言いたい事は分かってたけど、皆は違うよね……」
「藤枝君、見損なったわ……行こう?皆」
「うん……崇……心情は分からなくもないけど、医学部目指してその言葉は人として如何かと思うよ」

 流石に、人に等と強要はするのは良くない。虐めに捉えられても致し方ない事で、生徒会役員であれば生徒達の模範になるべき事なのだ。それを会長である崇がしていい事では決してない。
 生徒会長を1人残し、生徒会の一員は店を出て行き、他に来店していた生徒達は、崇を録画していた者もいる。

「録画してる人達は拡散なんてしないでよ?この人、プライド高いから、人生棒に振っちゃうよ……それで拡散したあなた達が責任持てるならどうぞ」

 流石に落ち込む崇を見て、未央理はフォローした方がいいと思い、崇を擁護したのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】私は義兄に嫌われている

春野オカリナ
恋愛
 私が5才の時に彼はやって来た。  十歳の義兄、アーネストはクラウディア公爵家の跡継ぎになるべく引き取られた子供。  黒曜石の髪にルビーの瞳の強力な魔力持ちの麗しい男の子。  でも、両親の前では猫を被っていて私の事は「出来損ないの公爵令嬢」と馬鹿にする。  意地悪ばかりする義兄に私は嫌われている。

冷徹義兄の密やかな熱愛

橋本彩里(Ayari)
恋愛
十六歳の時に母が再婚しフローラは侯爵家の一員となったが、ある日、義兄のクリフォードと彼の親友の話を偶然聞いてしまう。 普段から冷徹な義兄に「いい加減我慢の限界だ」と視界に入れるのも疲れるほど嫌われていると知り、これ以上嫌われたくないと家を出ることを決意するのだが、それを知ったクリフォードの態度が急変し……。 ※王道ヒーローではありません

とっていただく責任などありません

まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、 団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。 この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!? ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。 責任を取らなければとセルフイスから、 追いかけられる羽目に。

妹に傷物と言いふらされ、父に勘当された伯爵令嬢は男子寮の寮母となる~そしたら上位貴族のイケメンに囲まれた!?~

サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢ヴィオレットは魔女の剣によって下腹部に傷を受けた。すると妹ルージュが“姉は子供を産めない体になった”と嘘を言いふらす。その所為でヴィオレットは婚約者から婚約破棄され、父からは娼館行きを言い渡される。あまりの仕打ちに父と妹の秘密を暴露すると、彼女は勘当されてしまう。そしてヴィオレットは母から託された古い屋敷へ行くのだが、そこで出会った美貌の双子からここを男子寮とするように頼まれる。寮母となったヴィオレットが上位貴族の令息達と暮らしていると、ルージュが現れてこう言った。「私のために家柄の良い美青年を集めて下さいましたのね、お姉様?」しかし令息達が性悪妹を歓迎するはずがなかった――

元彼にハメ婚させられちゃいました

鳴宮鶉子
恋愛
元彼にハメ婚させられちゃいました

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

私は愛されていなかった幼妻だとわかっていました

ララ愛
恋愛
ミリアは両親を亡くし侯爵の祖父に育てられたが祖父の紹介で伯爵のクリオに嫁ぐことになった。 ミリアにとって彼は初恋の男性で一目惚れだったがクリオには侯爵に弱みを握られての政略結婚だった。 それを知らないミリアと知っているだろうと冷めた目で見るクリオのすれ違いの結婚生活は誤解と疑惑の 始まりでしかなかった。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...