養子王女の苦悩と蜜月への道標【完結】

Lynx🐈‍⬛

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 娼館の男達と医者が殺されてから数日経ち、リーヒルも犯人探しに難航しながら、毎夜レティシャはリーヒルから愛を貰い、育んでいた。
 この日も、入浴後にリーヒルが訪れると思うレティシャだったが、アンが用意した夜着に驚きを隠せない。

「っ!」
「ち、ちょっと!アン……流石にソレは過激過ぎないかしら」
「何で?毎夜、お二人じゃないの……シてるのが分かってて、色気無い夜着なんて意味ないでしょう?」

 アンが用意した夜着は、透けた布のキャミソールに、パールを秘部にあしらった下着。これはこれで、さもシて下さいと言う様な物だ。

「避妊薬や避妊具を毎夜お使いになられてるんだもの」
「レティシャ殿下はそれでも貞淑な方よ!そ、そんな卑猥な………」
「私は構わないぞ?」
「「「「!」」」」

 突然、声がして驚いたレティシャや侍女達。
 リーヒルが、風呂場の扉を背に、入って来た様だ。
 リーヒルが仕事を思いの外、早く切り上げてきたのか、風呂に入ろうとしたら、まだ冷めていない湯であった為に、レティシャが湯上がりだと思ったのだろう。

「風呂に入って来る……レティシャにそれを着させたら侍女達は下がっていい」
「っ!」
「は、はい!」

 リーヒルはその夜着を見ていた訳ではない。過激だの閨用に用意された物だと、話から察したからだ。

「レティシャ、待っててくれ」
「失礼します、おやすみなさいませ」

 侍女達は、レティシャに夜着を着せると、場に困り去って行った。

 ---完全に、悩殺させる為の物じゃないの……恥ずかしいわ!ガウンか何か羽織る物を……

「レティシャ」
「っ!」

 羽織る物を探していたレティシャに、早々と身体を洗い風呂から出て来たリーヒルは、レティシャを背後から抱き締めた。

「羽織る物探そうとしてなかったか?」
「っ!」

 ポタポタと、リーヒルの髪から滴る滴が、レティシャの肩に掛かる。

「あ、髪がまだ拭いてなかったな」

 レティシャの肩に掛かる滴をリーヒルが身体を拭いた布で拭き取ると、そのまま肩にキスを落とした。

「まだ、よく見てないんだ……見せてくれ」
「………」
「首を横に振るな、悲しくなるじゃないか」
「………っ!」

 リーヒルに解放された腕から逃れたレティシャは、胸や秘部を隠し、リーヒルの目の前で立った。

「………よく似合ってるよ、レティシャ」
「っ!」
「ベッドに行こうか」

 レティシャは腕を取られ、ベッドに乗せられると、リーヒルにパールを見られた。

「!………レティシャ……まさか、そんな下着だったとは………」
「!」

 見つめないで、と隠そうとするレティシャだったがもう遅く、リーヒルにパールを取られ、レティシャの秘蕾を刺激される。

「あっ……あぁっ!」
「………何?もう、喘ぐのか?……擦られて気持ち良くなった?」

 リーヒルは数日の内に、主導権を握る様になっていた。それだけ閨事に慣れてしまったとも言える。

「愛撫もまだしていないのに、溢れてるぞ?」

 見られない様に、箱の様に固まっていたレティシャは尻を丸出しだったのだ。尻からパール部分を引っ張るリーヒルに、されるがままだ。次第に水音と溢れる蜜が、レティシャの足首に掛かり、レティシャも止められる気がしない。

「リ……ヒ……」
「蕩けた顔して………避妊薬は飲んだのか?」
「………」

 レティシャはまだだ、と首を横に振る。

「まだ、私はこの状況を楽しみたい。挿入る直前に飲もうか、レティシャ」

 ぐちゅぐちゅと音を鳴らせ飛び散る蜜を、目で堪能するリーヒル。レティシャが達する迄はこのままかもしれない。

「んあっ、あっ……」
「声も出てくる様になったな……ん?」

 何やら、気を削がれたリーヒルは何を思ったのか、まだ飲ませる気のなかった、ベッド脇にある避妊薬をリーヒルは手に取り、口移しでレティシャに飲ませた。

「レティシャ……挿入りたい」
「………」

 秘蕾だけの刺激で秘壺の確認をしなかったが、リーヒルは我慢出来なかったらしい。
 箱型のレティシャに上から覆い被さったリーヒルは、パールをずらし、杭を出すとゆっくりレティシャと交わった。

「あっ、あぁっ、あぁぁ……」
「解してなかったが、毎日レティシャが味わう物だから、受け入れてくれたのか?」
「っ!」
「こら、まだ締めるな……ゆっくり、味わうよ……この為に仕事を詰めた様なものだからね」

 ヌプヌプと、隘路を行き来し、馴染ませていく杭は、もう避妊具を使ってはいない。それは、レティシャに避妊薬を飲ませているからでもある。

「レティシャ、その夜着をよく見せてくれ」
「っあっ!」

 リーヒルはレティシャの秘壺に馴染ませると、腰を持ち上げ、姿勢と向きを変える。
 レティシャが顔を上げざる得なかった向きに、姿見があったのだ。
 普段、そこには無い場所に、使って戻されるべき場所から移動されてはいなかったのだ。

「っ!」
「レティシャ………鏡越しに見せてくれ……分かるか?ココに……私が居るのを……」
「………」

 レティシャは恥ずかしがり、目線を背ける。しかし、リーヒルの嗜虐性が発揮されてしまう。

「んんっんっ!」
「ほら、出たり入ったりしている………」

 レティシャの背から聞こえるリーヒルの甘い声と、腰を持ち上げられる律動。腹にある圧迫感が、レティシャを悶えさせるのだった。
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