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親友
しおりを挟む受付を済ました雫と弥、尊。会場に入ると、雫の大学の友人、藤宮多香子や彼女の家族が出迎えてくれた。
「雫!来てくれてありがとう……素敵なドレスね」
「多香子、こちらこそご招待ありがとう、楽しませてもらうわね」
「…………雫……皇……の方達とお知り合いな………の?」
「………え、えぇ……弥さんと尊さんは……」
「ご無沙汰しております、多香子さん」
「招待ありがとうございます、藤宮社長」
多香子が、弥と尊の姿を見て、頬が赤くなるのを見た雫。雫が多香子と弥と尊を知っているのは知らなかったが、多香子が2人に好意を持っているのに気が付いた。
「藤宮のおじ様、本日はおめでとうございます」
「いやぁ、雫ちゃんが来てくれると、娘も喜ぶからね、いい友人を持って私も鼻が高いよ………まさか、雫ちゃんが皇家の御曹司と知り合いとは………どういう関係なんだい?」
「そ、それは………」
「婚約者ですよ……私達の……ね」
「!!」
「そうそう……雫に私達のどちらかを選んでもらっている所です」
「………あ……弥……さん……尊……さん………っ…」
「どうした?雫……少し休むか?」
「藤宮社長、失礼しますね……雫が気分悪くなったようなので……そろそろ、父も来る頃だと思います、またその時にでも……」
「あ、あぁ………また挨拶させて頂きますよ」
「さぁ、雫………行こうか」
傍から見れば、雫の気分が悪くなったと思われるかもしれない。だが、そうではなかった。弥と尊が、雫の中にあるローターを作動したのだ。
「お………ね……い……止めて……」
「どっちを?………というか、どっちが作動してるか分かるか?雫」
「………り……ょう……ほ………っっ!!」
「……あぁ、正解」
「いい子だ、雫………可愛くイッたし、止めてやるよ」
「こんな………事……止めて下さい……」
雫は、弥と尊の腕にしがみつきながら訴えるが、2人は面白そうに言い放つ。
「何言ってる……楽しむと、今多香子嬢にも雫は言ったじゃないか」
「俺達にもその楽しみを分けてくれ、雫」
「そういう事じゃ…………!!」
「雫、どっちだ?」
「…………あ、弥……さん……」
「……名称で言おうか、雫……ふふ……」
「!!…………やっ!……2人共……止め……っ……」
「だから、名称で言えって」
「…………アソコ………と…お尻……」
「……まぁ、いっか……アソコ、て言ったのは気に食わないがな」
「…………はぁ……はぁ……はぁ……」
羨ましそうに弥や尊を見る令嬢達。彼等が雫にしている事を知ったら如何なるのか、仕事の付き合い等ある筈で、もし雫にしている事を知られたら、皇家の恥晒しになるのを分からない筈ではない筈だ。
「も……もし、こんな事知られたら………どうするつもりですか!?」
「バレさせる訳ないじゃないか」
「何の為に部屋取ってると思ってる?」
「親父達が来たら挨拶して、直ぐに部屋へ行くさ」
立食パーティーの為、弥や尊が雫に食事を運び動く。雫が行く、と2人に言っても、どちらかが必ず雫にべったりと付いていて、女は勿論、雫目当てに声を掛けたい男への牽制になっていた。食事を取りに行く側は、直ぐ様令嬢達に取り囲まれるのを、雫は見ているものの、嫉妬心等は全く無い雫は、ただモテる男は面倒だな、と思うぐらいだった。
「雫は、妬かないのか?俺達が女に囲まれても」
「………別に……貴方達がイケメンで御曹司なのは分かっている事で、当然なのかな、と思っているだけです。企業間の恋愛なんて成立しないもの………政略結婚ばかりだし」
「………じゃぁ、俺達との結婚は政略結婚としか見てない、と?」
雫の隣に居る弥が、少々不満げに聞いてくる。雫は、弥が持って来た料理をつまみ、口に含むと、弥を見上げた。
「弥さんだって、尊さんだって、そう思って、私に近付いたんじゃないんですか?……私は、政略結婚が嫌だから、逃げてただけですし、だからと言って、お祖父様の命令に背けないから、学生の間は自由で居たかった……覚悟がまだ無いから………皇家の嫁なんて………」
「何だ、一応俺達の事は気にしてはいたのか」
「当然です……財閥の中で、皇家の弥さんと尊さんを知らない人なんて居ないわ」
「じゃあ、俺達は頑張らないとな……」
「…………?何を?」
「そりゃ、雫を手に入れる為さ………皇家には天使家が必要だからな」
「何故です?………天使以外でも、繁栄している財閥だってあるのに」
「…………あぁ、知らないのか……どうりでな」
「弥、親父達が来たみたいだぜ」
尊が雫達の所に戻って来ると、入口の方で、ざわざわと声がする。
「親父、天使の爺さんと来る、て言ってたからな……久々の皇家と天使家の両家同時参加だな………行くぞ、雫」
「…………えぇ……お祖父様に聞きたい事あるし」
「昨日の事なら、此処では聞くなよ、雫」
「聞いたら、スイッチ付けるからな」
「………脅迫しないで下さい!」
図星を言われ、仕方なく従う雫は、再び弥を左、尊を右に挟まれながら、入口の方へ向かった。令嬢達の目は、皇家の御曹司をはべらせているように見えるのだが、雫はそれを開放されたがっていたのを誰も知らない。
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