2人の婚約者が居る天使【完結】

Lynx🐈‍⬛

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食事

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 2発目が終わった頃、乱暴に寝室のドアが開く。

「飯!!」
「…………雫……疲れたろうが、飯食おうか」
「…………う……ん……」

 明らかに弥の機嫌が悪く、雫と尊の情事の痕を確認し、雫の着る下着を見た弥。

「下着は赤か紫だろ」
「それもあるぜ?………あぁ、エロかった」
「ま、まだ伸び代あるしな」

 弥は、雫を抱き上げ、ダイニングへ運ぶ。

「おい、雫の身体拭いてねぇぞ?」
「いいんだよ、セックス後のニオイが臭いからな」
「何だよ、お前だってこの部屋でヤルのに」
「俺が居る時はいいのさ、居ない時の後のニオイ、嫌なもんだな……」
「………あぁ、そういや、車内がそうだったな」

 うとうととしている雫の額に弥がキスを落とす。

「雫、起きろ………腹減ったろ?激しく抱かれたろ?」
「…………あ………弥だぁ……」
「ふっ……寝ぼけてやがる」
「………あ、歩けるってば!」
「お姫さんは、甘えとけ」

 ダイニングテーブルにそのまま座らされた雫。しかし、もじもじと恥ずかしそうにしていた。尊はTシャツとデニムパンツを履いてダイニングに来たのに、雫は先程の黒いシースルーの下着で、割れ目がある物で、秘所はまだべっとりとしているからだ。

「甘えとけ、て言うなら着る物欲しい……私の荷物に服あるから着ていい?」
「「却下」」
「何で2人同時に却下なの!?」
「エロい姿の雫を見ていたいから」
「服着たい!せめてシャツだけでも………あ!彼シャツしたい!」
「…………彼……シャツ………直ぐ持ってくる!」
「弥!ズルいぞ!俺のシャツ持って来るからてめぇは、タンシチュー出しやがれ!」
「何言ってやがる!お前が用意した下着着させておいて、シャツ迄お前のを着せるか!!」
「分かった!お前のシャツ持って来てやるから、飯用意しろ!」
「……………プッ…………はははははははははっ!」

 年上なのに、子供っぽい喧嘩が面白くて、爆笑した雫。

「お腹空いたから、早く食べたいなぁ……分担でお願いしま~す」
「…………すまん、今出す」
「持って来る」

 弥が作ったシチューが雫の身体に染み渡る。シチューに合わせ、バケットをガーリックトーストにしている辺り、本当にこの兄弟の料理は上手なんだろうと思う。このマンションに2人の父親が住んでいないのは、自立した大人なんだとは思うが、財閥御曹司で料理が出来る男は嫌味にしか見えない。

「モテるよねぇ、ここ迄完璧な人だと」
「ん?」
「多香子にも好かれてたじゃない?何処で知り合ったの?」
「確か、皇グループの謝恩パーティーだったかな……俺だけ行ったんだが、後日尊が別の場所で彼女にあったらしくて、話し分らなかったらしい……情報を照らし合わせて勘違いされた、と説明したんだが、どうも俺達2人を気にいったらしい……」
「誘ってくるのは2人にだしな……無視してはいたんだが、雫が藤宮家と付き合いがあると知って、雫が巻き込まれないように、どうしてもあのパーティー前に会っておきたくてな…………婚約者としてエスコートされてりゃ、雫を守れて俺達も雫の側から離れて見る必要もない」
「…………多香子、男漁りする様な子じゃないから、本気なんだろうなぁ」
「何か言ってたか?」
「どっち選ぶのか、て仕切りに……選ばない方を譲って、て言われたけど、弥と尊はそういう風に考えてない、て私は聞かされてるし、誤魔化すしかなかったんだけど……」
「早く結婚しちまおうか」
「やだ」
「…………遅かれ早かれ結婚させられるより、自分の意思で時期決めた方がいいぞ?雫」
「大学卒業迄はしたくない」
「それが雫の望みならそうしよう、どっちの籍に入れるかも、雫次第だ。俺達は変わらん」

 また重婚という常識外れな事を弥に言われたが、何故か弥も尊も特別に選びたいとは思えなくなった雫。2人が特別、としか思えない。

「ごちそうさまでした………美味しかった……ありがとう、弥」
「喜んでもらえてなにより」
「私片付け手伝う!作って貰って何もしないなんて嫌だから!」
「いいのいいの、お姫さんは座ってな」
「そうそう、雫にはしてもらいたい事があるからな………片付けは直ぐに終わる」
「え!?………また拘束するの!?」
「弥?何するんだ?」
「片付け中、動かれたら心配だからな」

 手に手錠を掛けられ、背中に回される。その間、テキパキと片付けを終わらせた弥と尊はコソコソと小声で打合せらしき事を話している。また何かされるのでは、と思わずにいられない雫だったが、テーブルの片付け中、弥に目隠しをされてしまい、全く状況が分からない。音と、近くで動く気配はするが、基本愛用するフレグランスも一緒の弥と尊なので、匂いだけでは判断が出来なかった。暫くすると、雫はどちらかに抱き抱えられ、柔らかい感触の場所に下ろされた。そこがベッドだという事は直ぐに気が付く。

「弥?尊?どっちなの?」
「怖くないか?雫」
「目隠しして怖くないなんて人居る?」
「大丈夫だ、側に2人居る」
「私の左が弥?右が尊?」
「普段はそうだな………だけどそれは今から通用しないから」
「な、何を始めるの?」
「まだ内緒」

 背中の手錠は外されたが、片手だけ外されただけで、また直ぐに何処かに手錠を引っ掛けまた雫の手に戻ってくる。その間シャツのボタンは外されたが脱がされてはいない。

「雫………今からクイズを出題する」
「クイズ?」
「1人ずつ雫に触っていくから、どっちか当ててごらん」
「当てられたらご褒美でイカせてあげる」
「外れたらお仕置きな」
「…………え!?そんな顔見ないと分からない!!」
「練習が必要になりそうなら、毎日してもいいぞ?違いが分かるようになったら今以上に雫に愛を注いでやる」
「いっぱい甘やかすし、雫がしたい事を全て叶えてやるよ」
「今でも、いっぱい甘やかされてるような気がする………」
「映画行ったりショッピングしたり、グランピングとかしたいんだろ?」
「え!そうなのか!?」
「うん、弥と車の中で話した事………」
「何としてでも、時間作って、雫との時間を大事にしてやる……だから頑張れよ」

 ギシッ、ギシッ……と、ベッドに2人が乗って来る。これから始まる悦楽に何処まで耐えれるか、不安を覚えつつ、期待が沸き起こり、下半身は疼くのだった。
 
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