【完結】私を奪いに来るんじゃない!【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!番外編】

Lynx🐈‍⬛

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嵐が去っても………

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「何で、剣がすっぽ抜けたんだ………?」
「レックス公子、振り子の動きは知ってますよね?」
「振り子?」

 剣を飛ばされたのを拾い上げたレックスは、剣を見ているが、手が痺れているのか震えていた。

「剣先は軽く、柄は重い。あなたは柄の握りをしっかり持っていた。それを利用したのです。同じ力でぶつけ合っては、互角かもしれないが、体力では恐らく私が負ける。なら隙を作れば簡単に勝てるのです。力任せで振り回す剣は、力が受け流せない。その一番負荷の掛かる場所を緩ませれば、剣を持つ力が無くなり、手が痺れてる筈。無くなった所で剣先をそれ以上の力を掛ければ、剣は飛ぶんですよ。まぁ、そうするまではちょっと工夫が要りますがね。」
「…………な………また弱点が見つかったのか……。」
「トーマスは知ってましたよ、指摘しなかった様ですし。だから聞いていた私の方が有利だっただけ。トーマスの方が剣術は上手いですからね。同じ師から教えてもらってますが、私は弱い方です。」
「だ………誰が一番強いんだ……?」
「陛下とトーマスは互角ですが、剣術だけで言うなら私の兄ですよ。同世代の中ではね。同じ師でしたし。」
「カイル殿の師はご健在か?」
「ぴんぴんしてますよ。私の父は。」
「…………え?お義父様なの?」

 貴族の嫡男に剣術を教えるのは大抵父親の仕事ではあるのは、レングストンでは当たり前らしく、それでも剣術が苦手な父であれば、師を付ける事が多かった。
 セシルやカイルだけでなく、皇子達の師であったのはアリシアは初耳だった。

「くそっ!兄上といい、俺もレングストンの者に負け続けるとは、悔しくて堪らん!!」
「全て力任せにするからですよ。剛力だけでは戦えないのです。全体の筋肉を鍛える必要はない。必要な筋肉だけでいい。」
「それが分かれば苦労しない。」
「それは、考えて下さい。レングストンからの知識をそこまで親切には教えませんよ?クククッ……。」
「………ちぇっ!………まぁいい……さっきも執事には伝えたが、俺はもう帰るよ、トリスタンに。ここに居たら、アリシアを忘れられなくなるからな。」
「レックス公子………そんなに好きだったのなら、あんなやり方で口説かなければ良かったのに………。」

 カイルは素直にそう言った。

「…………トリスタンの口説き方しか知らなかったからな………昨夜のあんた達の裸見たら、諦めついた。」
「………………は?」
「…………え!?」
「風呂場だったか?一緒に入ってたよな?」
「やめてぇ!!」
「おい!!」

 アリシアとカイルは青ざめていく。
 訓練場に居た部下達は顔を赤らめていた。
 そして、その後バスルームにカーテンを付けたのは言うまでもない。
 庭しか見えない為、安心しきっていたのもあったのだ。
 窓側に浴槽があった為、丸見えだという事が分かったのである。
 最後の最後で、レックスにまた振り回されたアリシアとカイル。
 もう、二度と来るな、と言い放ち、見送ったのだった。

         ✧✧✧✧✧

「これがこの地図にあるお店で、こっちがこの地図ね。地図の見方分かる?レイン。」
「……………わ、分かんない……。」
「じゃあ、誰か付けるかな。」
「店主達に顔を覚えて貰った方が良いですし、1人大人が付き添った方が良いと思います。信用しないかもしれませんし。」
「そうね、暫くは7人全員で行ってもらってお店の人にご挨拶してね。『ウィンストン公爵の使いで来ました。』てお話するのよ。」

 庭先で子供達に配達を午後から頼んだアリシアとルルーシュ。
 配達をする前に、自分達が使った部屋の掃除の後、昼食を食べ、庭仕事を手伝ってもらっていた。
 花が好きな女の子も多く、質問攻めではあったが、女の子同士の華やかな話を聞けて楽しめたアリシア。
 男の子達は、午前中に見たカイルとレックスの剣術にまだ興奮している様だった。

「はい、奥様。」
「レインは良い子ね。皆の中心で皆の世話もして。帰ってきたらお仕事は終わりよ。おやつも用意しておくわ。」
「おやつ~!?」
「やったぁ!!」
「だから、頑張ってね。」
「行ってきます!!」
「警護お願いね。」
「お任せ下さい。」

 部下を1人付け、子供達を見守りながら、地図の見方や、方向を教える部下の1人。
 子供達は自分達に危害がない大人だと分かれば、とても素直な子供達だったのが、侍従達も安心出来た。

「こんにちは、ウィンストン公爵の使いで来ました!」
「………はいはい……ちょっとお待ち………を………おや、今日は小さな子がお使いかい?」
「店主、今後暫くこの子達が少量の薬だったら、配達に来る事になったので、顔を覚えておいてほしい。」
「領主様のお子様じゃあないんだろ?」
「領主様ご夫婦にはまだお子様は居ない。」

 店の奥から店主の夫人が顔を出し、子供達を見る。

「偉いねぇ、お手伝いするんだ。お父さんとお母さんの助けかい?」
「俺達、親が居ないんだ。」
「…………まぁ、ウィンストン領では珍しい孤児かい。」
「奥様がこの子達を保護してね、暫く衣食住を与える代わりに、手伝ってもらおうと言う事になったんだ。この子達、王都の孤児院から逃げ出したらしくてね。」
「じゃあ、行き先決まる迄、お使いしてくれるんだ。」
「まぁ、多分そうなるな。」
「あんた達、頑張りな。あ、そうだコレ、皆で仲良く分けなさい。」

 店主の夫人は、小袋をレインに渡す。

「…………?」

 不思議そうに受け取るレインに夫人は言った。

「砂糖菓子だよ。頑張ってね、て応援してる、て労いだよ。皆で食べな。」
「砂糖!!ありがとう!おばさん!!」
「元気があっていいねぇ、また来てくれよ。まぁ、毎回あげれるのはないだろうけどね。」

 子供達は大喜びだ。
 次の配達先に行きながら、砂糖菓子をつまみながら歩く。

「あ、こら!ゴミは捨てるな!持ち帰るかゴミ捨て場に捨てるんだ!」
「今迄は捨ててたよ?」
「駄目だぞ、街は綺麗にしておくんだ。部屋も掃除してるだろ?住んでいる所だから綺麗にしておくんだ。」
「…………はい。」

 モラル的な事はまだ分からない歳では仕方ないかもしれないが、それを教えていくのは大人の勤めだ。
 次の配達先に着く頃にはもう砂糖菓子を食べ終わってしまい、年少者のマリアはまだ欲しい、とぐずってしまった。

「レイン兄ちゃん、お菓子欲しい!」
「もう食べたじゃないか。」
「次の場所で貰える?」
「知らないよ。」
「欲しい~!」

 一度ご褒美を貰えば癖になる幼い歳のマリア。
 聞き分けが出来る迄には時間が掛かりそうな子のようだ。

「疲れたぁ………歩けない……。」
「………仕方ないなぁ、トムこれ持ってて。マリアおんぶするから。」
「うん。」
「偉いな、レインは。」
「…………だって、俺が連れて来ちゃったから………。」
「年長者はそうでなくっちゃな。マリアも甘えてばかりじゃ駄目だぞ?」
「…………。」

 マリアはレインの背中におぶられ、部下に言われた言葉に耳を傾ける事をせず、そっぽを向いた。

「マリアは男の人が怖いの。」
「…………そっか、ごめんな話掛けて。」

 次の配達も終わり邸に戻ってくると、マリアは疲れて眠ってしまった。

「ただいま、奥様。」
「おかえりなさい。疲れた?」
「俺達は大丈夫だけど、マリアが寝ちゃった。」
「あらあら………マリアには少しこの仕事早かったかしら。」
「奥様、今起こしておかないと、夕飯も食べれず、夜中起きてしまいます。」
「この歳の子はそうなの?」
「はい。」
「じゃあ、起こさなきゃね…………マリア、起きて……マリア。」
 
 レインからマリアを抱き上げるアリシア。

「奥様慣れてらっしゃいますね。」
「5歳の子を抱き上げるのは初めてだけど……意外に重いわ………マリア、起きて。」
「………ママ………。」

 寝ぼけているのか、アリシアに抱き着き返すマリア。

「………レイン、マリアのお母様はもう亡くなってるの?」
「…………分かんない。」
「…………う………ん……。」
「マリア、起きなさい、マリア。」

 背中を軽く叩き、気付かせる。

「…………。」
「おはよ、マリア。」
「……………おねぇちゃんだ。」
「マリア、奥様って呼ぶんだよ。」
「下ろしていい?マリア。」
「………抱っこ……。」
「マリア、俺が抱っこするからおいで。」
「やだ!おねぇちゃんがいい!」
「おねぇちゃん、て呼んじゃ駄目だって言われたろ!」
「ごめんね、マリア。こっちのお姉さんにおいで。」

 侍女が流石にアリシアにべったりになりそうなので、マリアを引き離す。

「やだぁ!」
「マリア、皆とおやつ食べましょう。お仕事頑張ったご褒美よ。」

 寝起きで寝ぼけての我儘だと思いたい。
 一線を引きたいが、まだ小さい子には無理なのだろうか。
 アリシアは別の気をひこうと、おやつで釣ると、機嫌を直したようだ。

「食べる!」
「食堂に用意してるわ。行ってらっしゃい。」

 パタパタと子供達は食堂に勇み足で行ってしまった。

「奥様、ご報告を。」
「えぇ、如何だった?」
「まだマリアは難しいでしょうね。遠い距離は疲れてしまって、歩けなくなりそうですし、地図も文字も分かりませんから、配達は年長者のレインと8歳のトム、ボビー、ギルダぐらいですね、その下の子は今日より遠い場所は先ず疲れてしまって行けるかどうか。」
「………そう……なら、下の子達は邸内の事を任そうかしら。字も覚えさせたいし………ありがとう、あなたも休憩して頂戴。」
「失礼します。」

 3日の収穫祭も終わり、翌週にはアリシアとカイルの誕生日がやってくる。
 その頃には、子供達は邸の仕事も慣れて来るだろう。
 孤児院の調べも分かる頃だろう。
 そして、1週間程経ち、子供達も大分邸の生活も慣れて来た頃。
 孤児院の事がカイルへ報告が入る。

「虐待?」
「はい、一つの孤児院から7人の子供が消息不明という線から探ってましたが、その孤児院から里親に出された家が問題なようで、孤児院の院長に賄賂を送り、子供を買っていたそうです。」
「それに、まさかレインは気付いて逃げ出した、て事か?」
「恐らく。その孤児院と子供を買った家の者は大旦那様とセシル様の手により、既に罰する手筈になっています。」
「…………レインは今何処に居る?」
「今奥様と庭に居るかと。」
「呼んできてくれ。アリシアもだ。」
「はい。」

 報告書に目を通したカイルは苛立った。
 子供達の末路を見たからだ。
 里親に行く予定だった家の地下には、子供達の死体があったという。
 性的な虐待や暴力的な虐待の爪痕に虫唾が走る。
 新たな孤児院に救済を求めるか、その孤児院の院長を変え、今迄育った孤児院に戻るかの選択肢もあるが、子供達は如何するかを迫らなければならない。

「カイル?分かったの?孤児院の事。」
「アリシア…………こっちへ……。」

 書斎の椅子から立ち、アリシアの温もりを欲したくて、手を広げる。

「私、今泥だらけ………。」
「いいんだ……来てくれ。」

 アリシアはカイルに抱き締められると、カイルの体温が落ちているのに気が付く。

「如何したの?」
「……………今から話す。その前にレインに確認したいんだ。」
「………レインに?」
「レイン………レイン達が居た孤児院の院長が知ってるな?」
「!!」

 レインは書斎の扉の直ぐ前で身体を硬直させる。
 その一瞬で分かってしまう。
 だと。

?」
「…………うん……。」
「だから、下の子達を連れて出て来たのか………。」
「………見たというか……聞いたんだ……。俺に里親が出来た、て聞いて喜んでたら、話てるのを……。それで一緒に行く振りして、そいつの家に着く前に逃げて、潜り込んだら…………。」
「言わなくていいレイン。思い出すな。」
「どういう事?」
「…………アリシア、読め。胸糞悪いが目を背けちゃいけない事だ。」

 カイルは机の上にある報告書を指し、アリシアに読ませる。

「レイン………他の子達には話したのか?」
「…………。」

 レインは首を横に振る。

「俺、道知ってたから、慌てて皆に嘘ついて、孤児院の金盗んで逃げてきた。」
「それでウィンストン領に何日も掛けて来たのか………。」
「…………孤児院はこの街に無い、て聞いたから………直ぐに連れ戻されないと思って……。」
「…………よく今迄堪えたな、レイン。」
「…………ゔっ………ぐすっ……。」
「何これ!許せない!!」

 アリシアが発狂する。

「ちょっと!!カイル!!ウィンストン公爵の部下使って捕まえてよね!!こんな孤児院無くなっちゃえ!!」
「アリシア………それは親父と兄貴がやってる筈だから安心しろ。」
「…………あ、そうよね。お義父様とセシル兄様ならするわよね。」
「レイン…………今から俺が言う事をよく考えて欲しい。」
「…………うん。」

 アリシアが発狂した事で、レインの涙は止まり、落ち着いてきていた。

「お前達は親が居ない。義理にはなるが、子供が居ない家に引き取られ、親になってもらうか………新たな孤児院で成人になる迄生活し、仕事を探すか………お前達には将来を決める大事な選択だ。よく考えて返事をくれ。どちらを選んでも助けてやるから。」
「…………ここには居られないの?」
「…………それは俺達もこれから考える。お前達の幸せを考えて、その選択がいいのか悪いのか………お前達の考えが先ず一番だ。」

 レイン達には難しい選択で、特に年少者のマリアは他の子達との意見に流されるだろう。
 カイルやアリシアの意思はそれからだった。


 
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