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本番
しおりを挟むドラドをルーベンスに任せ、シヴァ達の場所に戻って来たサイファ達。
「同じようにやれば良いんだよな?」
「………この4人は他の魔とは違う感じなんだが………。」
アレクセイも浄化の能力があるのは、サイファも聞かされていた。
おそらく、アレクセイも試したのだろう。
ドラドとは違う、緊張感が走る。
目の前に居るのは、両親であり、祖母なのだ……。
「………この人からやっていい?」
サイファはソロに手を添える。
「頼む、誰からでもいい……………戻るなら……。」
アレクセイの目には涙が浮かぶ。
「………我唱える、この者を浄化せよ!」
サイファは阿修羅をソロの腕に刺す。
「!!!」
刺した場所から光るソロ。
「…………き、キツイ………。身体の力が抜ける…………。」
「サイファ!無理するな!意識飛びそうなら直ぐに止めろ!」
「…………だ……大……丈夫………。」
ソロの全身が光に包まれた瞬間、サイファも力尽きて倒れそうになるが、アーヴァインが咄嗟に支える。
「大丈夫ですか?サイファ様。」
「…………と、父さん………。」
「……………。」
アーヴァインは複雑な心境だった。
まだ父と呼んでくれるこの王子に、決心が鈍ってしまう。
この柵から、連れて逃げたくなる、と。
「ソロ!!」
「!!!」
石で身体が包まれていたソロの身体が人肌の色に変わる。
「…………ん……………ん。」
ソロも倒れそうで、手を添えようとサイファが近づくが、ソロはアレクセイに支えられた。
「ソロ!ソロ!私が分かるか!ソロ!」
目をぱちぱちさせ、声の方に目を向けたソロ。
「…………………ア…………レ…………さ…………?」
「…………ソロ!良かった!生きていてくれて!!………早く医者に見せろ!ベッドに運べ!」
ソロが運ばれて行く。
「凄いな、その能力………。僕も欲しい……。」
「………アーサー様は、浄化の能力ではなく、先見の眼の方が確率的にあるではありませんか。」
アーヴァインがアーサーに諭す。
「そうなんだけど…………父上が僕には無い、て……。だから、勉強も武術も極めておけ、て言われてる。」
「………では、努力しなければなりませんね。サイファ様もまだまだ努力が必要ですよ。」
「あんな事が出来るのに?」
「…………俺だって、一か八かだったろ?アーサー王子、俺と競争しようぜ、どっちが強くなるか、さ。」
「負けないぞ、サイファ。」
「あぁ………………駄目だ眠い……。」
サイファはアーヴァインに支えられながら、眠ってしまった。
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