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ルーベンスとサーシャ②
しおりを挟むカーネリアンがロブを連れ、飛空艇に戻り、ルーベンスはサーシャとまだ話がしたかった為、残っていた。
「なぁ、サーシャ。」
「何?」
「俺さ………サイファ様に浄化してもらったよ。何で浄化が必要かは覚えてないんだがな……。もし、サーシャも闇があるなら、浄化してもらえよ。」
「……………え?」
サーシャが数日振りに会った、ルーベンスへの違和感がコレだったのか、と思った。
「………私はいいや。」
「何で?久しぶりに会ったサーシャは重くのしかかった悩みを抱えてるような気がしてならない。」
「大丈夫、私は忘れたくないの………忘れたら、ルーベンスの優しさも忘れてしまうもの……。」
「サーシャ?」
サーシャはルーベンスに微笑み返すだけだった。
「全部終わったら、話してあげる。戦いに行くルーベンスには今は不要だから………。」
そして、サーシャは松葉杖を離し、ルーベンスに抱き着いた。
「サーシャ!!大丈夫か?」
「大丈夫…………久しぶりにルーベンスの温もりが欲しかっただけよ…………離れてた間も今も、これから先も、ルーベンスだけを愛してるわ。」
サーシャの為に、ルーベンスの為に、サイファが浄化したルーベンスの闇は、サーシャには救いだった。
悔しそうに、悲しい顔をしたルーベンスを見たくなかったから、サーシャは突き放しただけだった。
自分の闇を、ルーベンスに移したのが悔むサーシャ。
早く会いに来て欲しい、助けて欲しい、と思っていたが、ルーベンスもまた16年悲しませていた事の方がサーシャには辛かった。
浄化されたルーベンスは、サーシャが愛した16年前と変わらないルーベンスだったのだ。
それだけでサーシャの心は救われた。
「ルーベンス、私はこの街で貴方が迎えに来てくれるのを待ってるわ。あの島のカムラでなく、浄化されたカムラになったら迎えに来て。」
「あぁ………今は、戦いに行かせてくれ。全て終わらせてくるから。」
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