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第四章 邪神教団
邪神教団 第六節
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カイは絶句したまま、目の前のそれを見上げていた。一瞬の出来事だったが、先ほどの激しい光と咆哮の中で、カイは辛うじて見えていた。
人ならざる咆哮を発し、胸から眩い青色の光を発しながら大きく見開いたウィルフレッドの目が赤い無機質の瞳に変わり、口から牙が生え、爪が尖る。服が胸の結晶に吸い込まれると迸る電光とともに全身が光り出して大きく膨張して異形へと変化していく。
そして胸から流れ出る青き光のラインが輝く彼の全身を走るたびに、その異形の体は鋼鉄じみた鎧、或いは鎧じみた姿へと変形し――やがて激しい爆風とともに全てが収まると、それがそこに立っていた。
成人より一際高く巨大な銀色の躯体、魔獣を髣髴とさせる赤い目。両腕と胸に神秘な青の輝きを湛えた結晶体。いまだ熱を帯びる体から煙が立ち上がる、生きる鋼鉄の異形。
「…なに?なにが起こったのお兄ちゃんっ!?」
何か異様なものが立っているとしか分からないエリネがカイに問い詰める。
「ま、魔人だ…兄貴が…あの、魔人に…」
「えっ…!?」
坑道は静寂に支配された。怯えてそれを見つめる奴隷達、呆然としているカイとエリネ。魔人は赤い目で二人を、そして下敷きにされた子供を見ると、眼前の出口を塞ぐ岩に向かって猛々しく吼えた。
「オオオォォォッ!!!」
******
「ぐおおっ!ラナぁ!ちょこまかとっ!」
外で依然として屍竜の一部と化したメルベと戦っているラナは、彼の攻撃をかわして一撃離脱を繰り返しながら周りの状況を確認する。教団と戦うレクスとその騎士団は奴隷の大半を保護したが、未だ一部奴隷の子供が取り押さえられている。救助すべき人々達により動きが制限され、更に死霊兵もあって苦戦を強いられていた。
「これ以上動くな騎士ども!」
一部騎士を率いて戦うレクスの前に、死霊兵が子供達を剣で抑えては信者とともに前に出た。
「うわあああ騎士様ぁ!」
剣に脅かされて泣きじゃくる子供達。
「やれやれ、実に悪党らしいやり方だね教団のおっさん」
怒りで歯軋りする騎士達を、レクスは手を上げて制止する。
「だが有効的な手段ではある、そうであろう騎士殿?」
信者は薄気味悪い笑みをして手で指図すると、死霊兵がレクス達を囲む。
(まぁそれはそうだけどさ。さてどうしたものか…)
それを遠目で確認したラナが顔をしかめる。
(これ以上長引いては形勢が悪くなる一方だ。仕方ない、威力は落ちるが、被弾覚悟でもう一度光槌を詠唱してメルベの頭を――)
そう思った矢先、後ろの埋もれた坑道口がまるで噴火でもしたかのように大きく爆ぜた。
「なっ!?」
メルベ、そしてラナ達含むその場全員が目を引かれる。激しい衝撃とともに舞い上がる埃の中から何かが飛び出した。人ならざる速さで。
「え」
飛び出したそれは一瞬にして採掘場を飛び回り、やがて保護された奴隷達の傍に停止する。人々の意識に理解がようやく追いつくと、そこには子供達を抱えている鋼鉄の魔人がいた。
「あ…」
レクスや対峙する信者達もようやく状況を理解できた。先ほど子供を抑えた死霊兵はいつの間にか粉々に地面に散らばって、子供は既にそこにはいなかった。他の奴隷達を抑えてた死霊兵も同じ運命を辿っており、拘束から解放された大人と子供が慌てて逃げ出す。
「なんだあれは…っ!?」
メルベが訝しむ。
「あ、あれは…っ」「まさか…っ」
レクスとラナ達は一目で分かった。あれは、この前クラトネ町で見たのと同じ魔人であると。
そして彼らだけではなく、教団の信者達でさえもどよめき始めた。
「あの姿…」「魔人…?」「魔人なのかっ!?」「ばかなっ、何故魔人がここに!?」
信者の反応にレクスはひっかかる。
(うん?この人たち魔人のこと知ってるの?)
そして岩場の上で採掘場を俯瞰していたエリクもまた、驚きを隠せなかった。
「あの外見…魔人なのか!?まさかあれが、あの人が言及していたもう一人の…っ」
魔人がおろした子供達もまた、目の前の異形の姿にガチガチと震えていた。
「あ、うああ――」
「怖かっただろう?」「え…」
異形が言葉を紡いだ。どこか優しさを感じる、人の言葉だった。
「もう大丈夫だ、あいつらを、君達を苦しませるあいつらを――」
異形が振り返り、教団の奴らにその目を向けた!
「俺が追い払ってやるっ!」
「ド、死霊兵!奴を攻撃しろ!お前らも奴を――」
「ウオオオォォーーーッ!」
咆哮とともに異形が疾走するっ!自分へと集まる死霊兵の群が、腕を一振りするだけで、ただその傍を通過しただけで、まるで暴風が過ぎたように一瞬にして砕けちった!
「カカカカァッ!」
更に骨を鳴らして仕掛けてくる死霊兵を、またもや異形の振り返りの拳一振りだけで全てが脆い玩具かのように軽々と粉砕されるっ。
「なっ、なんてスピードと膂力なのっ!複数の死霊兵を一発で…っ!」
「ラナ様ぁ!」
先ほどの坑道口から逃げ出した人々とともに、カイとエリネがラナに駆けつける。下敷きとなっていた子供は既にエリネが治療し、他の奴隷達に任せていた。
「カイくん!エリーちゃん!無事だったのね!」
奴隷達が殆ど解放されたのを確認したレクスも、残りの指揮をマティに任せてカイ達と合流した。
「二人ともっ、中になにがあったの!?あの魔人はいったい!?」
「信じられないけど…あれは、兄貴なんだ…ウィルの兄貴なんだ!」
「なんだって!?」
「くそっ!闇よ――がああっ!」
異形と化したウィルフレッドの速度はもはや人の目では捉えきれない。呪文を詠唱しようとしても、即座に彼が目の前まで迫り打ち倒される。たとえ魔法を撃ち出したとしても、そもそも今の彼の速度を捉えるなど不可能に近い。
「くっ――黒炎喰!」
まぐれに一発、死霊兵を殴り倒した際に止まった一瞬の隙で、信者の魔法が彼に命中した。ブスブスと鋼鉄じみたその表面に、小さな焦げとさえ言えない痕跡だけ残し、ナノマシンが修復するまでもなくその跡は一瞬で消え去った。
「なっ、そんなバカ――ぐほぁっ!」
ウィルフレッドの拳が信者を黙らせた。
「残りの、残りの死霊兵を全部出すんだっ!早くっ!」
信者の叫びとともに後方から更に死霊兵が押し寄せる。しかもウィルフレッドが打ち倒した信者までも死霊兵として蘇り、一斉に彼へ切りかかるっ。
「ウィルさ…っ」
エリネの言葉は、死霊兵の一斉攻撃を避け、空で滞空するウィルフレッドの姿を見たカイの驚き声で遮られた。
「と、飛んだぁっ!?」
「ハァッ!」
ウィルフレッドが腕の結晶に力を込めて前に突き出すと、青き電光を纏った光弾の雨がとめどなく死霊兵と信者達に降り注ぐっ!
「ぬおぁぁぁっ!」「カカカカァッ!」
砂塵を巻き上がる爆風が採掘場を震撼させる。この世界の人たちにとっては、さながら無数の大砲、魔法が戦場を爆撃しているようだ。
「みんな下がって!」
「うひゃっ!なにこれ魔法!?でも詠唱なんてしなかったよ!?」
ラナとレクス達は爆撃を避けるよう急いで後退し、騎士団やマティ達も人々を誘導するよう後退する。
その連続射撃は止まることなく「ちょっ、ちょっとちょっと!」その場にいる死霊兵と信者を一掃する勢いで採掘場を薙ぎ払っていくっ!「これいつまで続くのー!?」
「クァッ!」
戦場のスキャンを終え、ウィルフレッドが大きく腕を振るうと、腕の結晶から無数の光が飛翔して残りの敵目がけてホーミングしていくっ。
「「「クカカカァッ!」」」「「「ぐああぁぁっ!」」」
さらにとめどない爆発が採掘場を震わせると、ウィルフレッドは腕を収めて爆撃を止めた。
…レクス達が恐る恐る頭をあげる。その場の死霊兵は全て粉々に砕け散っており、信者達も全員打ち倒されていた。レクスは滞空するウィルフレッドを見て唖然とする。
「な、なんて凄まじい――」
「危ないっ!」
ラナが叫んだと同時に、ウィルフレッドの後方から突如メルベの屍竜がその腐った腕で空中にいる彼を一気に地面へと押しつぶした。地面が衝撃とともに亀裂が走る。
「貴様ぁ!魔人か何なのか知らないが、このまま捻りつぶして…!?」
メルベは驚愕した。屍竜の手が徐々に浮かび上がる。ウィルフレッドがそのまま両腕でその腕を掴み、持ち上げていたのだ。
「うそぉっ!屍竜の腕を素手で受け止め…!?」
彼の次の行動にレクスは更に瞠目する。
屍竜の腕を両腕で掴んだウィルフレッドは低く唸ると更に力を込め、煌めく青き電光が体から迸るっ。
「オォォ…ッ」
奔る電光を帯びたサイバーマッスルが強くバンプし、
「ルアアァァッ!」
そして強く捻った!骨が露出していた屍竜の腕がまるでボロ雑巾のようにひねられていくっ!
「ぬおがぁっ!?」
肩へと伝わる捻りの力とともに不穏な破砕音が響いていき、
「カァァッ!」
ウィルフレッドが更に勢いを込めて引張ってはそのまま腕を引きちぎった!
「ひっ、ひっ、ひっ、引きちぎったぁぁぁっ!?」
「ぐがああぁぁぁああっ!!!」
もはや屍竜の一部と化したメルベに鈍い痛覚が伝わる。
「貴様ぁ!貴様ぁ!」
痛みで半狂乱したメルベがブレスを吐くが、クロスした両腕のウィルフレッドの結晶から青い輝きが彼を包み、ブレスを悉く弾いた。
「おのれぇ!妙な魔法なぞ使いおって…っ!」
腕を一本失い、機動力が大幅に低減した屍竜はブレスを吐き続けてウィルフレッドを牽制し、引きちぎられた腕はさっきのように黒いタールが湧き出て再生し始めた。
「あっ、ちょっとラナ様!?」
それを見たラナはウィルフレッドへと近づいて大声で彼を呼んだ。
「ウィルくんっ!ウィルくんなのね!?」
異形が応えるかのようにラナの方を見る。
「ウィルくん!奴の頭にいるメルベを倒して!でないとまた再生してしまうわ!」
ウィルフレッドは再生しようとする屍竜の腕と、殆ど取り込まれたメルベのいる頭部を見ては、一旦飛び離れた。
「逃がすか!」
地形を見て最善と思ったところにウィルフレッドが着地すると、彼は腕をクロスして力を込み始めた。
「ぬうぅっ!結晶励起!」
真紅の目を大きく見開くと、彼の両肩と両膝に、胸と同じ青色の結晶が生え、マスクと思しき部位が裂けて口を成し、唸りとともに口と体の各隙間から大きく排熱する。
そして両手を屍竜に向けてかざすと、青く輝く小さなエネルギースフィアが前に生成されるっ。胸と両肩両腕、そして両膝の結晶からエネルギーの奔流が流れ込み、スフィアは膨張と縮小を繰り返しながら徐々に大きくなっていくっ。
それだけではない、スフィアから鳴り響く重厚なチャージ音とともに大気が激しく震動し、大地までもがそれに呼応するように震え始めた。
「ちょ、ちょっとこれやばくない…っ!?」
レクスと同じように、光槌以上の不安…恐怖を本能的に察したメルベがブレスを仕掛ける。
「させるかっ!」
黒赤のブレスが無防備のままのウィルフレッドを襲う。炎がまるで彼に纏わりつくよう激しく渦巻くが、エネルギースフィアによる力場が迸る電光とともに容易くそれを弾いた。
「なっ!?」
大地が振動する。大気が震えるっ。スフィアが眩しく輝いては唸りを上げる!ウィルフレッドは眼前にいる目標を、メルベをその人ならざる赤い目で睨んだっ!
「ひっ、ひいぃぃっ!!!」
メルベは恐怖した。
「みんな伏せろーっ!」
ラナが叫ぶ。
「今日はこればっかりだぁー!」
「オオオォォッ!アスティル・バスターーーーっ!」
爆音とともにスフィアが弾いて光の柱と化した。視界を覆う青い光だけが、メルベの見る最後の光景だった。絶叫を上げる暇もなく。
ラナとレクス達は地面に伏せ、マティ達も悲鳴を上げる人々をかばっては伏せる。嵐と爆音と地鳴りの暴力が、採掘場を蹂躙した。
――嵐が止み、地面に響く振動も収めていった。静寂の中で人々はおずおずと頭を上げる。
「……お、おわったのかい…?」
レクス達はウィルフレッドの方向を改めてみると、更に唖然した。
「なっ、ななななな…っ」
ウィルフレッドの前には、屍竜だったものが、下半身とポツリと地面に支えて立つ腕一本だけが残っていた。爆散した訳ではない。上半身と頭が、後ろにある岩場の一部もろとも丸ごと抉られたのだ。
真実味のないほど綺麗な断面をもつ円状の穴が、屍竜の抉れ跡に重なるように岩場に形成されていた。その穴から覗く空には、先ほどウィルフレッドが打ち出したと思われるアスティル・バスターの光が星のように輝いてるのが見えた。
「頭にいるメルベを倒して、とは言ったけれど…」
ラナがようやく言葉を絞り出す。
「き、綺麗さっぱり消し飛ばしちゃった…」
レクスも信じられないような目で、ぐらりと音を立てて倒れる屍竜の手や残骸と、岩場と、佇む異形の姿のウィルフレッドを見た。
ウィルフレッドがゆっくりと振り向くと、人々は恐れるように彼を見て後ずさる。未だ信じられないような目で自分を見るラナ達との間で、長い沈黙が続いた。
「…すまない。それとありがとう」
異形が、ウィルフレッドがそう言うと、その場を離れるよう飛び出す。
「あっ、ウィルさん待って!」「兄貴!」
エリネとカイがウィルフレッドを呼び止めた途端、突如彼の動きが止まる。
「うっ…!」
その鋼鉄の体がバチバチと電光を発し、地面に苦しそうに着地する。
「ぐあ…っ」
そして再び光が彼を包むと、ウィルフレッドは元の姿に戻っては悶えて膝をついた。
「ウィルくん!」「兄貴!」「ウィルさん!」
ラナ達の自分を呼ぶ声が徐々に遠さがり、やがてウィルフレッドは倒れ込んで意識を失った。
「…今日は実に大変実りのある日でした」
岩場で事の顛末を見届けたエリクは満足そうに微笑み、いまや沈静化した異形の短剣を地面から抜き出す。
「いずれの日かまたお会いしましょう。巫女様、そして異世界の魔人よ」
ウィルフレッドに集まるラナ達に最後に一瞥すると、エリクはその場をあとにした。
【続く】
人ならざる咆哮を発し、胸から眩い青色の光を発しながら大きく見開いたウィルフレッドの目が赤い無機質の瞳に変わり、口から牙が生え、爪が尖る。服が胸の結晶に吸い込まれると迸る電光とともに全身が光り出して大きく膨張して異形へと変化していく。
そして胸から流れ出る青き光のラインが輝く彼の全身を走るたびに、その異形の体は鋼鉄じみた鎧、或いは鎧じみた姿へと変形し――やがて激しい爆風とともに全てが収まると、それがそこに立っていた。
成人より一際高く巨大な銀色の躯体、魔獣を髣髴とさせる赤い目。両腕と胸に神秘な青の輝きを湛えた結晶体。いまだ熱を帯びる体から煙が立ち上がる、生きる鋼鉄の異形。
「…なに?なにが起こったのお兄ちゃんっ!?」
何か異様なものが立っているとしか分からないエリネがカイに問い詰める。
「ま、魔人だ…兄貴が…あの、魔人に…」
「えっ…!?」
坑道は静寂に支配された。怯えてそれを見つめる奴隷達、呆然としているカイとエリネ。魔人は赤い目で二人を、そして下敷きにされた子供を見ると、眼前の出口を塞ぐ岩に向かって猛々しく吼えた。
「オオオォォォッ!!!」
******
「ぐおおっ!ラナぁ!ちょこまかとっ!」
外で依然として屍竜の一部と化したメルベと戦っているラナは、彼の攻撃をかわして一撃離脱を繰り返しながら周りの状況を確認する。教団と戦うレクスとその騎士団は奴隷の大半を保護したが、未だ一部奴隷の子供が取り押さえられている。救助すべき人々達により動きが制限され、更に死霊兵もあって苦戦を強いられていた。
「これ以上動くな騎士ども!」
一部騎士を率いて戦うレクスの前に、死霊兵が子供達を剣で抑えては信者とともに前に出た。
「うわあああ騎士様ぁ!」
剣に脅かされて泣きじゃくる子供達。
「やれやれ、実に悪党らしいやり方だね教団のおっさん」
怒りで歯軋りする騎士達を、レクスは手を上げて制止する。
「だが有効的な手段ではある、そうであろう騎士殿?」
信者は薄気味悪い笑みをして手で指図すると、死霊兵がレクス達を囲む。
(まぁそれはそうだけどさ。さてどうしたものか…)
それを遠目で確認したラナが顔をしかめる。
(これ以上長引いては形勢が悪くなる一方だ。仕方ない、威力は落ちるが、被弾覚悟でもう一度光槌を詠唱してメルベの頭を――)
そう思った矢先、後ろの埋もれた坑道口がまるで噴火でもしたかのように大きく爆ぜた。
「なっ!?」
メルベ、そしてラナ達含むその場全員が目を引かれる。激しい衝撃とともに舞い上がる埃の中から何かが飛び出した。人ならざる速さで。
「え」
飛び出したそれは一瞬にして採掘場を飛び回り、やがて保護された奴隷達の傍に停止する。人々の意識に理解がようやく追いつくと、そこには子供達を抱えている鋼鉄の魔人がいた。
「あ…」
レクスや対峙する信者達もようやく状況を理解できた。先ほど子供を抑えた死霊兵はいつの間にか粉々に地面に散らばって、子供は既にそこにはいなかった。他の奴隷達を抑えてた死霊兵も同じ運命を辿っており、拘束から解放された大人と子供が慌てて逃げ出す。
「なんだあれは…っ!?」
メルベが訝しむ。
「あ、あれは…っ」「まさか…っ」
レクスとラナ達は一目で分かった。あれは、この前クラトネ町で見たのと同じ魔人であると。
そして彼らだけではなく、教団の信者達でさえもどよめき始めた。
「あの姿…」「魔人…?」「魔人なのかっ!?」「ばかなっ、何故魔人がここに!?」
信者の反応にレクスはひっかかる。
(うん?この人たち魔人のこと知ってるの?)
そして岩場の上で採掘場を俯瞰していたエリクもまた、驚きを隠せなかった。
「あの外見…魔人なのか!?まさかあれが、あの人が言及していたもう一人の…っ」
魔人がおろした子供達もまた、目の前の異形の姿にガチガチと震えていた。
「あ、うああ――」
「怖かっただろう?」「え…」
異形が言葉を紡いだ。どこか優しさを感じる、人の言葉だった。
「もう大丈夫だ、あいつらを、君達を苦しませるあいつらを――」
異形が振り返り、教団の奴らにその目を向けた!
「俺が追い払ってやるっ!」
「ド、死霊兵!奴を攻撃しろ!お前らも奴を――」
「ウオオオォォーーーッ!」
咆哮とともに異形が疾走するっ!自分へと集まる死霊兵の群が、腕を一振りするだけで、ただその傍を通過しただけで、まるで暴風が過ぎたように一瞬にして砕けちった!
「カカカカァッ!」
更に骨を鳴らして仕掛けてくる死霊兵を、またもや異形の振り返りの拳一振りだけで全てが脆い玩具かのように軽々と粉砕されるっ。
「なっ、なんてスピードと膂力なのっ!複数の死霊兵を一発で…っ!」
「ラナ様ぁ!」
先ほどの坑道口から逃げ出した人々とともに、カイとエリネがラナに駆けつける。下敷きとなっていた子供は既にエリネが治療し、他の奴隷達に任せていた。
「カイくん!エリーちゃん!無事だったのね!」
奴隷達が殆ど解放されたのを確認したレクスも、残りの指揮をマティに任せてカイ達と合流した。
「二人ともっ、中になにがあったの!?あの魔人はいったい!?」
「信じられないけど…あれは、兄貴なんだ…ウィルの兄貴なんだ!」
「なんだって!?」
「くそっ!闇よ――がああっ!」
異形と化したウィルフレッドの速度はもはや人の目では捉えきれない。呪文を詠唱しようとしても、即座に彼が目の前まで迫り打ち倒される。たとえ魔法を撃ち出したとしても、そもそも今の彼の速度を捉えるなど不可能に近い。
「くっ――黒炎喰!」
まぐれに一発、死霊兵を殴り倒した際に止まった一瞬の隙で、信者の魔法が彼に命中した。ブスブスと鋼鉄じみたその表面に、小さな焦げとさえ言えない痕跡だけ残し、ナノマシンが修復するまでもなくその跡は一瞬で消え去った。
「なっ、そんなバカ――ぐほぁっ!」
ウィルフレッドの拳が信者を黙らせた。
「残りの、残りの死霊兵を全部出すんだっ!早くっ!」
信者の叫びとともに後方から更に死霊兵が押し寄せる。しかもウィルフレッドが打ち倒した信者までも死霊兵として蘇り、一斉に彼へ切りかかるっ。
「ウィルさ…っ」
エリネの言葉は、死霊兵の一斉攻撃を避け、空で滞空するウィルフレッドの姿を見たカイの驚き声で遮られた。
「と、飛んだぁっ!?」
「ハァッ!」
ウィルフレッドが腕の結晶に力を込めて前に突き出すと、青き電光を纏った光弾の雨がとめどなく死霊兵と信者達に降り注ぐっ!
「ぬおぁぁぁっ!」「カカカカァッ!」
砂塵を巻き上がる爆風が採掘場を震撼させる。この世界の人たちにとっては、さながら無数の大砲、魔法が戦場を爆撃しているようだ。
「みんな下がって!」
「うひゃっ!なにこれ魔法!?でも詠唱なんてしなかったよ!?」
ラナとレクス達は爆撃を避けるよう急いで後退し、騎士団やマティ達も人々を誘導するよう後退する。
その連続射撃は止まることなく「ちょっ、ちょっとちょっと!」その場にいる死霊兵と信者を一掃する勢いで採掘場を薙ぎ払っていくっ!「これいつまで続くのー!?」
「クァッ!」
戦場のスキャンを終え、ウィルフレッドが大きく腕を振るうと、腕の結晶から無数の光が飛翔して残りの敵目がけてホーミングしていくっ。
「「「クカカカァッ!」」」「「「ぐああぁぁっ!」」」
さらにとめどない爆発が採掘場を震わせると、ウィルフレッドは腕を収めて爆撃を止めた。
…レクス達が恐る恐る頭をあげる。その場の死霊兵は全て粉々に砕け散っており、信者達も全員打ち倒されていた。レクスは滞空するウィルフレッドを見て唖然とする。
「な、なんて凄まじい――」
「危ないっ!」
ラナが叫んだと同時に、ウィルフレッドの後方から突如メルベの屍竜がその腐った腕で空中にいる彼を一気に地面へと押しつぶした。地面が衝撃とともに亀裂が走る。
「貴様ぁ!魔人か何なのか知らないが、このまま捻りつぶして…!?」
メルベは驚愕した。屍竜の手が徐々に浮かび上がる。ウィルフレッドがそのまま両腕でその腕を掴み、持ち上げていたのだ。
「うそぉっ!屍竜の腕を素手で受け止め…!?」
彼の次の行動にレクスは更に瞠目する。
屍竜の腕を両腕で掴んだウィルフレッドは低く唸ると更に力を込め、煌めく青き電光が体から迸るっ。
「オォォ…ッ」
奔る電光を帯びたサイバーマッスルが強くバンプし、
「ルアアァァッ!」
そして強く捻った!骨が露出していた屍竜の腕がまるでボロ雑巾のようにひねられていくっ!
「ぬおがぁっ!?」
肩へと伝わる捻りの力とともに不穏な破砕音が響いていき、
「カァァッ!」
ウィルフレッドが更に勢いを込めて引張ってはそのまま腕を引きちぎった!
「ひっ、ひっ、ひっ、引きちぎったぁぁぁっ!?」
「ぐがああぁぁぁああっ!!!」
もはや屍竜の一部と化したメルベに鈍い痛覚が伝わる。
「貴様ぁ!貴様ぁ!」
痛みで半狂乱したメルベがブレスを吐くが、クロスした両腕のウィルフレッドの結晶から青い輝きが彼を包み、ブレスを悉く弾いた。
「おのれぇ!妙な魔法なぞ使いおって…っ!」
腕を一本失い、機動力が大幅に低減した屍竜はブレスを吐き続けてウィルフレッドを牽制し、引きちぎられた腕はさっきのように黒いタールが湧き出て再生し始めた。
「あっ、ちょっとラナ様!?」
それを見たラナはウィルフレッドへと近づいて大声で彼を呼んだ。
「ウィルくんっ!ウィルくんなのね!?」
異形が応えるかのようにラナの方を見る。
「ウィルくん!奴の頭にいるメルベを倒して!でないとまた再生してしまうわ!」
ウィルフレッドは再生しようとする屍竜の腕と、殆ど取り込まれたメルベのいる頭部を見ては、一旦飛び離れた。
「逃がすか!」
地形を見て最善と思ったところにウィルフレッドが着地すると、彼は腕をクロスして力を込み始めた。
「ぬうぅっ!結晶励起!」
真紅の目を大きく見開くと、彼の両肩と両膝に、胸と同じ青色の結晶が生え、マスクと思しき部位が裂けて口を成し、唸りとともに口と体の各隙間から大きく排熱する。
そして両手を屍竜に向けてかざすと、青く輝く小さなエネルギースフィアが前に生成されるっ。胸と両肩両腕、そして両膝の結晶からエネルギーの奔流が流れ込み、スフィアは膨張と縮小を繰り返しながら徐々に大きくなっていくっ。
それだけではない、スフィアから鳴り響く重厚なチャージ音とともに大気が激しく震動し、大地までもがそれに呼応するように震え始めた。
「ちょ、ちょっとこれやばくない…っ!?」
レクスと同じように、光槌以上の不安…恐怖を本能的に察したメルベがブレスを仕掛ける。
「させるかっ!」
黒赤のブレスが無防備のままのウィルフレッドを襲う。炎がまるで彼に纏わりつくよう激しく渦巻くが、エネルギースフィアによる力場が迸る電光とともに容易くそれを弾いた。
「なっ!?」
大地が振動する。大気が震えるっ。スフィアが眩しく輝いては唸りを上げる!ウィルフレッドは眼前にいる目標を、メルベをその人ならざる赤い目で睨んだっ!
「ひっ、ひいぃぃっ!!!」
メルベは恐怖した。
「みんな伏せろーっ!」
ラナが叫ぶ。
「今日はこればっかりだぁー!」
「オオオォォッ!アスティル・バスターーーーっ!」
爆音とともにスフィアが弾いて光の柱と化した。視界を覆う青い光だけが、メルベの見る最後の光景だった。絶叫を上げる暇もなく。
ラナとレクス達は地面に伏せ、マティ達も悲鳴を上げる人々をかばっては伏せる。嵐と爆音と地鳴りの暴力が、採掘場を蹂躙した。
――嵐が止み、地面に響く振動も収めていった。静寂の中で人々はおずおずと頭を上げる。
「……お、おわったのかい…?」
レクス達はウィルフレッドの方向を改めてみると、更に唖然した。
「なっ、ななななな…っ」
ウィルフレッドの前には、屍竜だったものが、下半身とポツリと地面に支えて立つ腕一本だけが残っていた。爆散した訳ではない。上半身と頭が、後ろにある岩場の一部もろとも丸ごと抉られたのだ。
真実味のないほど綺麗な断面をもつ円状の穴が、屍竜の抉れ跡に重なるように岩場に形成されていた。その穴から覗く空には、先ほどウィルフレッドが打ち出したと思われるアスティル・バスターの光が星のように輝いてるのが見えた。
「頭にいるメルベを倒して、とは言ったけれど…」
ラナがようやく言葉を絞り出す。
「き、綺麗さっぱり消し飛ばしちゃった…」
レクスも信じられないような目で、ぐらりと音を立てて倒れる屍竜の手や残骸と、岩場と、佇む異形の姿のウィルフレッドを見た。
ウィルフレッドがゆっくりと振り向くと、人々は恐れるように彼を見て後ずさる。未だ信じられないような目で自分を見るラナ達との間で、長い沈黙が続いた。
「…すまない。それとありがとう」
異形が、ウィルフレッドがそう言うと、その場を離れるよう飛び出す。
「あっ、ウィルさん待って!」「兄貴!」
エリネとカイがウィルフレッドを呼び止めた途端、突如彼の動きが止まる。
「うっ…!」
その鋼鉄の体がバチバチと電光を発し、地面に苦しそうに着地する。
「ぐあ…っ」
そして再び光が彼を包むと、ウィルフレッドは元の姿に戻っては悶えて膝をついた。
「ウィルくん!」「兄貴!」「ウィルさん!」
ラナ達の自分を呼ぶ声が徐々に遠さがり、やがてウィルフレッドは倒れ込んで意識を失った。
「…今日は実に大変実りのある日でした」
岩場で事の顛末を見届けたエリクは満足そうに微笑み、いまや沈静化した異形の短剣を地面から抜き出す。
「いずれの日かまたお会いしましょう。巫女様、そして異世界の魔人よ」
ウィルフレッドに集まるラナ達に最後に一瞥すると、エリクはその場をあとにした。
【続く】
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R4.6.20 完結しました。
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『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
児童書・童話
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
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もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
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追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
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◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
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