その失踪事件には 〇〇人が関与している

独立国家の作り方

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合同捜査本部

第61話 二人が普通の男女なら

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 帰国して一週間が過ぎた頃、新城 正宗さんから集合の連絡が入った。
 意外に遅かったな。
 
「邦弘、そっちも連絡来た?」

「・・・・ああ、同じ内容だと思うが」

 ウランバートルの一夜の後、私たちは話し合って、一緒に住むことにした。
 こうして収まってしまえば、なんだかずっと前からそうだったかのように、私たちは馴染んだ。
 昼間はお互い自分の事をして、バイトして、夜は同じ空間で生活する。
 一緒に食べて、一緒にお風呂入って、一緒に寝る。
 お互いが求めれば、身体を交える。
 空気のような当たり前の日常、それでも私たちのそれは、本物の男女交際ではない。
 多分、何かが疑似的なものだ。
 それでも、栗栖君を失って、大きく開いた穴を、邦弘が満たしてくれている事は確かだ。
 男女が求め合い、くっついて、結婚して子供を設ける。当たり前のことなのに、今の私たちには、それがとても遠い。
 誰かに相談したいけど、ルアー同士の結婚なんて、前代未聞の事態。誰に相談すれば良いのやら。
 私たちは、キスどころか、最後まで関係を結んでも昇天する事は無い。
 そうなんだ、細谷さんと島崎さんのカップルみたいに、片方がルアーでも、昇天にブレーキをかける事が出来る前例がある。それなら、私たちのこの関係も、このまま継続できるのでは?、と思ってしまう。それが自分勝手な妄想に過ぎないと解っていても。 

「あら、こんにちは、中嶋さん。モンゴルどうだった?」

「ええ・・とても意義深い旅でしたよ」

「あれー? なんだか含みがあるなー、なにかあったの?」

 どうしたものか。やっぱり自分一人で秘密を抱えているのは辛い。
 もう、相談してしまおうか。

「あの、島崎さん、今日この後って、お時間ありますか?」

「そっか・・・・もちろん大丈夫。でも、それって私たちだけの問題ではないよね」

 やはり、島崎さんは見抜いているな。
 このタイミングで、私が島崎さんに相談する事って、ルアーの男女関係についてだって、解るよね。
 それでも、この問題が二人だけのものではない事を、私はこの後、思い知らされる羽目になる。

「今日は再びお集まり頂き、ありがとうございます。早速ですが、このグループの中の一つが、目的を成就されました」

 細谷さんが手を挙げて、その真意を聞こうとする「それは具体的には、なに?」と。
 もう、この話のオチは見えていた。まさかと思うけど、全部は話さないよね、ウランバートルの一夜から、私たちに何が起こっていたのか、の全部を!

「伊賀 邦弘さん、中嶋 洋子さん、おめでとうございます!」

 正宗さんが拍手すると、同調圧力で拍手する一同。
 もうやめろ! お誕生日会か? これは!
 なぜそんな恥ずかしい部分をさらけ出す!
 さすがに私も頭に来てしまった。

「ちょっと、やめてください! 何なんですか? ルアー同士のがそんなに珍しいですか? 私たちだって男女の関係を構築する権利くらいはあるはずですよね」

「いや、とても珍しいことですし、人類にとって記念すべき事柄なんですよ。なんなら記念碑を建てたいくらいです」

 もう本当にやめて! 記念碑? バカなの? どんな記念碑よ! ってか、なんて碑文にする? バカなの?

「あのさ、それって伊賀君と中嶋さんがカップル成立ってことでしょ? そこまで大変な事? 普通に祝福すればいいじゃん」

「二人が普通の男女なら、です。そうですね、伊賀 邦弘さん」

「・・・・邦弘でいい。そうだな、私自身も、とても幸福な事だと思うし、興奮している。わかるか? この私が興奮している。とんでもない事態だ」

 邦弘が、私との付き合いを真剣に考えてくれているのは嬉しいけど、なんだその愛情表現は? スレにスレまくっていないか?
 興奮って、もう恥ずかしいわ!
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