悪役令嬢は死にたくないので、学園を中退してスローライフを始めます~敵対していた商家の息子やメインヒロインがなぜか押しかけてきた~

すー

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第4話:湖上の月

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 日が落ちる前の学園の中庭。
 アルトは少し緊張気味にファティームを待っていた。

 今日は二人にとって初めてのデートの日。
 アルトは長い間、この日を楽しみにしていた。

「アルト、待たせた?」

 ファティームは軽やかな足取りでアルトのもとへと近づいてきた。

 彼女は普段の学園の制服とは違い、淡いブルーのドレスを身に纏っていた。

「大丈夫だよ。 それに、そのドレス、とても似合っている」

 アルトは少し照れくさい笑顔を見せた。

 ファティームはうれしそうに微笑んだ。

「ありがとう。 行こうか?」

 二人は手をつなぎ、学園の門を出て、街へと足を運んだ。

 初めてのデートということで、アルトは特別な場所を選んでいた。

 それは街のはずれにある小さな湖。月の光が湖面に映し出される、美しい場所だ。

 湖畔に着くとアルトは小さなバスケットを取り出し、湖畔にブランケットを広げた。

「実は……自分で夕食を用意してきたんだ。」

 ファティームは驚きの表情を浮かべた。

「こんなサプライズを用意してくれていたのね。 ありがとう、アルト」

アルトが用意したのは、彼の得意料理であるサンドイッチやフルーツ、そしてファティームの好きなハーブティーだった。
 二人は夕日に照らされる湖畔でピクニックを楽しみながら、これまでの学園での思い出や、これからの夢について語り合った。

「アルト、私たちはこれからどんな冒険をするのかな?」

 ファティームが夢見るように問いかけると、アルトは優しく彼女の手を握った。

「どんな未来が待っていても、君と一緒ならどこへでも行けるよ」

 アルトの言葉に、ファティームの瞳はきらきらと輝いた。

 夜が更けると、二人は湖の中央に浮かぶ小さなボートに乗り込み、湖の中央で月を眺めることにした。

 湖の静寂と月の美しさに包まれながら、アルトはファティームに小さな箱を手渡した。

「良かったら受け取って欲しい」

 ファティームが箱を開けると、中には二つのペンダントが入っている。

 その二つは重ね合わせると美しい月の形になった。

「これは……」

「君との時間をいつも側に感じていたい。 だからこのペンダントを選んだんだ」

 ファティームは涙を流しながら、アルトに感謝の気持ちを伝えた。

「本当にありがとう、アルト。 これからもずっと一緒にいてね」

 二人は湖の上で、月明りに照らされれながら永遠の約束を交わすのであった。









終。
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