彼女を奪還せよ!

yyyNo.1

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本編

恐れていた事態

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プロポーズした後、何故か両家への報告はすんなり終わった。結婚の報告ってこんなにすんなり終わるものなんだ。知らなかった。

来年の春にナタリーの成人と共に結婚式を挙げることになった。何故か僕の三人もいる姉達がやる気に満ちていたから大丈夫ではないかと思う。コワイ…。

ルーカスには会わないように徹底的に避けてきた。僕の通勤は魔女の家経由している。このままあいつには関わりたくない。初めは驚いていた魔女もいつの間にか僕が通っても顔すら上げなくなった。

結婚式の準備もナタリーと一緒だと全ての作業が楽しく思えるから不思議だ。

準備に追われていると、いつの間にか結婚式まで残り1ヶ月になっていた。このまま何事もなく結婚式を迎えられると思っていた僕を殴りたい。きちんとルーカスとの関係を清算するべきだった。

ある朝、仕事に行くと頭から血を流す親方が椅子に座っていた。
「親方!?親方!!」

声をかけると、血だらけの親方は虚ろな目で

「嫁を迎えに行け」

そう言って意識を失った。僕の両手は親方の血塗れで。世界が止まったいるみたいだ。すぐに出勤してきた大工仲間が親方を運び出しているのを見ていた。

よ、め…?嫁?ナタリーのこと?迎えってどういうこと?

血塗れの親方が「迎えにいけ」……。そんな…!まさか!まさか!!

ルーカスの仕業だと確信に近い何かがあった。足が勝手に走り出すまま、身を任せる。ルーカスが溜まり場にしている酒場まで走る。

近くまで来ると、ニタニタと笑うルーカスが既に待っていた。

「よぉ。お前、良い金蔓捕まえたな。」

僕は歯を強く食いしばって続きの言葉を待つ。

「お陰で儲かっちゃった♪」

「……彼女をどこに」

「今頃は隣国行きの汽車の中かな♪良い女だったからな、つまみ食い位はされてるかもな?」

全身の血が沸騰した。気付いたらルーカスを渾身の力で殴っていた。

鼻から血を流して倒れ込むルーカスに馬乗りになって力の限り拳を叩き込む。

「やっ、やべろぉっ!!」

恐怖の存在でしかなかったルーカスが、今はただひたすらに憎かった。もう怖いなんて思わなかった。

いつも不意打ちだったから。やり返す勇気が持てなかったから。逃げてばかりだったから。

コンナニ  カンタンナ  コト  ダッタ  ノニ。

ルーカスの胸ぐらを掴み、頭突きをかます。
「絶対にお前だけは許さない!!」

もう一度頭突きする。
「二度と僕に関わるなぁ!!!!」
クラクラして、額から血が出ても痛みなんか感じなかった。こんな時になってやっと言いたかった言葉が言えた。


ごめん、ナタリー。必ず助けにいくよ。

僕はまた走り出した。
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