彼女を奪還せよ!

yyyNo.1

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本編

まさかの…、いいや、これは呆れだよ。

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ナタリーが運び屋達と話す間、僕は一言も話さなかった。どこまで本当か分からないからだ。

さっき突然語り始めたリーダー格の男が、僕に向けて言った。

「なぁ、旦那よ。ちと警戒しすぎじゃないか?」

僕は相手の嘘を見抜くように、じっと見つめた。
「僕を袋叩きにしたのは忘れないよ」

「そ、それは仕方がなかったんだってさっき言っただろ!?」

「それなら何故、手と足首中心に痛みが酷かったんだろうね?」

「…旦那、いい身体つきしてるから…つい力入っちまってよ…」

この人たち、まだ僕の怪我が治っていることに疑問を持つ人誰もいないけど、本当に大丈夫かな…。

「本当に助けてくれるの?というか、いい加減僕を見て何か気付くことない?」

「「「「「??????」」」」」

「運び屋のプライドにかけて、二人を送り届けるぜ!安心しな!あいつらの言いなりにはもうならねぇ!」

「旦那を見て?お前なんか分かるか?」「どこだ」「なんにも分からん」「なんだ、何か変わったのか?」「あ、分かった!旦那の眉毛だ!眉毛ないっす!」「おぉ~!お前、頭いいな!」

いや、良くないと思うよ…。袋叩きにされた人が一晩でぴんぴんしてるって普通はあり得ないと思うんだけど。

「いや、傷だよ」

「傷?」「誰の傷だ?」「どこだ?」「ないぞ?」「怪我したのか?」

ため息が出そうになる。特に最後に発言した人、記憶失くしてる?僕、すごい傷だらけだったよね?
良い人達なんだろうけどお馬鹿すぎて不安だな…。よく商売成り立っていたなと思うと逆に感心する。疑って無駄な労力使っちゃった。

「僕を袋叩きにしたのはだぁれ?」

「「「俺達だな」」」

「その傷って一晩で治ると思う?」

「お前、治るか?」「一晩は無理だな」「若い奴らならイケるんじゃないか?」「お前、この間怪我した時、若いからすぐ治ったって言ってたじゃねぇか」「そうだっけ?」「若い時は治ったかもしれねぇが…今はなぁ…」

呆れた。

「その怪我を一晩で治したって言ってるんだけど…」

「「「ああっ!!!!そーいえば!!!!」」」

「若さか?」「筋肉かもしれないぞ」「旦那、惚れ惚れする筋肉だもんな」「鍛えればすぐ治るのか!?凄いな!!」「旦那はどーやって鍛えたんだ?」

あの大根演技が通じた訳だ。僕たちが凄いんじゃなかった。どうやって傷を治したかじゃなくて、鍛え方を聞かれるなんて。視野が狭いんじゃなくて、思い付かなかっただけだね、きっと…。むしろさっき良く思い付いたね。

「…きっと、君達なら極限まで鍛えたら出来るはずだよ…。はぁ。」

駅が肉眼で見えるまで近付いてきた。…不安だなぁ。凄く。二人で逃げ出す方がましだと思えるほどだ。

「運び屋にゃ運び屋独自のルートがあってだな…。おっと、これ以上は企業秘密だ」

これからそれを目の当たりにするんだけど、秘密になるのかな。はぁ、先は長いなぁ。
ナタリーってば「良いこと!?商売っていうのはね!!」って元気に話してる場合じゃないよ…。さすがナタリー、慣れるのがとっても早いね。
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