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突然スタートさせられた異世界生活
異世界来てもヒアリング能力は低迷したままみたいです
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ひげの人達がいなくなって、代わりに来たのは食事を持った年配の女性だった。
「ごはんだ!嬉しい!ありがとうございます!」
盆の上には、水差しとスープと固そうなパンだけだったけどそれでも嬉しい。テーブルなんてものはこの小屋にはないので床に置いて、木のスプーンを持って食べようとすると、その女性から待ったがかかった。彼女は自分を指差して同じ言葉を繰り返していた。名前ってこと?
『※※※※。※※※※。※※※※。』
「んん?よっそる、らいりゅーさん?」
『※※※※。※※※※。※※※※。』
「やっぱ違うか。よーるゅ、ゆうさん?」
やばい、心が挫けそうになってきた。
『※※。※※。』
「あれ、短くなった?らいるー?らいりゅーさん?」
呆れた顔してるね、こりゃ。らいりゅーさんもきっと違うんだね…。
『※※。』
「らぃりゅー」
あ、ため息ついた。今の駄目押しだったかー。しきりに私の方を指差して来る。私の名前は?ってことか。うーん、こういう時って素直に名乗るべき…?取り敢えず用心してみるっていうのがオーソドックスよね。
「ララランド」
いーじゃん、あれ好きなんだもん。苦情は受け付けない。本名一文字もかすりもしてません。あ、ちなみに本名は笹原 楓 16歳です。姉は笹原めい 25歳です。安全が確認できるまでは本名名乗りません。どーぞよろしく。
『ラr※※※?』
「ララランド」
『ララrn』
「ララ。ララにしよう。うん、かわいい。」
『ラrラ』
発音しにくいのか、ララじゃなくてラルラに聞こえるのは、うん、大目に見よう。ナンナとかの名前の方が良かったかな。もう遅いけど。
やっとごはんを食べ始める。スープはコンソメっぽいけど、味がうっすいな…。パンはかちかちだし。塩ってやっぱ貴重なのかな…。でも文句は言いません。作って貰った身だもの。
お腹は膨れたな~と思っていると、シャボン玉みたいなのが目の前にいくつか浮かんでいた。何これ?触ろうとしても触れず、シャボン玉みたいに割れる事もなく、ふわふわしてる。埃?手のひらを受け止めるように出してみると、手の上に乗った。これ何?らいりゅーさんの方を見ると、かなり驚いた顔をしていて、
「らいりゅーさん?これなぁに?」
話し掛けると、どうやら触れてはいけないっぽかった。しきりに両手を左右にふっている。掌に山みたいに積もってる時はどうしたら…?
ふ~っと息を吹きかけてみるとすこーしずつまた宙に飛んでいった。なんだったんだろ、あれ?ケサランパサランの進化前?さすが異世界だね。
そうこうしているうちにらいりゅーさんに手枷をつけられた。油断してた私も悪いけどさ、お名前知り合った仲よね、私達?これはちょっと酷いんでないかなー?ジト目で睨むが堪えてないっぽい。しかも手枷に向かって手をかざして、呪文唱えてるし。さっさと逃げるべきだったか。1つ勉強になった。あぁ!もう!!
手枷の先に長い鎖がついていて、それはらいりゅーさんが握っていた。暫くすると鎧を着た兵士?の人にその鎖が渡され、私は黒い鉄格子の窓がはまった囚人移送用みたいな馬車に乗せられた。予想通り馬車はごとごとと走りだす。
「やっぱり私売られてんじゃん!らいりゅーさんのあほ!人でなし!もーーーーー!」
「枷に書いてる文字読めないし…。呪文てことは魔法?松明、馬車ってことは文明は日本よりは発達してないよね、どうみても。中世?あれ、中世って何年頃のことだっけ?あ、わたし世界史苦手なの忘れてた…。」普段からかなり忘れっぽくて母や姉にも散々注意されてたのに。もう遅いけど。
「売るにしてもせめて言葉教えてからにしてよ…。らいりゅーさん…。何にも分かんないじゃん…」
「ごはんだ!嬉しい!ありがとうございます!」
盆の上には、水差しとスープと固そうなパンだけだったけどそれでも嬉しい。テーブルなんてものはこの小屋にはないので床に置いて、木のスプーンを持って食べようとすると、その女性から待ったがかかった。彼女は自分を指差して同じ言葉を繰り返していた。名前ってこと?
『※※※※。※※※※。※※※※。』
「んん?よっそる、らいりゅーさん?」
『※※※※。※※※※。※※※※。』
「やっぱ違うか。よーるゅ、ゆうさん?」
やばい、心が挫けそうになってきた。
『※※。※※。』
「あれ、短くなった?らいるー?らいりゅーさん?」
呆れた顔してるね、こりゃ。らいりゅーさんもきっと違うんだね…。
『※※。』
「らぃりゅー」
あ、ため息ついた。今の駄目押しだったかー。しきりに私の方を指差して来る。私の名前は?ってことか。うーん、こういう時って素直に名乗るべき…?取り敢えず用心してみるっていうのがオーソドックスよね。
「ララランド」
いーじゃん、あれ好きなんだもん。苦情は受け付けない。本名一文字もかすりもしてません。あ、ちなみに本名は笹原 楓 16歳です。姉は笹原めい 25歳です。安全が確認できるまでは本名名乗りません。どーぞよろしく。
『ラr※※※?』
「ララランド」
『ララrn』
「ララ。ララにしよう。うん、かわいい。」
『ラrラ』
発音しにくいのか、ララじゃなくてラルラに聞こえるのは、うん、大目に見よう。ナンナとかの名前の方が良かったかな。もう遅いけど。
やっとごはんを食べ始める。スープはコンソメっぽいけど、味がうっすいな…。パンはかちかちだし。塩ってやっぱ貴重なのかな…。でも文句は言いません。作って貰った身だもの。
お腹は膨れたな~と思っていると、シャボン玉みたいなのが目の前にいくつか浮かんでいた。何これ?触ろうとしても触れず、シャボン玉みたいに割れる事もなく、ふわふわしてる。埃?手のひらを受け止めるように出してみると、手の上に乗った。これ何?らいりゅーさんの方を見ると、かなり驚いた顔をしていて、
「らいりゅーさん?これなぁに?」
話し掛けると、どうやら触れてはいけないっぽかった。しきりに両手を左右にふっている。掌に山みたいに積もってる時はどうしたら…?
ふ~っと息を吹きかけてみるとすこーしずつまた宙に飛んでいった。なんだったんだろ、あれ?ケサランパサランの進化前?さすが異世界だね。
そうこうしているうちにらいりゅーさんに手枷をつけられた。油断してた私も悪いけどさ、お名前知り合った仲よね、私達?これはちょっと酷いんでないかなー?ジト目で睨むが堪えてないっぽい。しかも手枷に向かって手をかざして、呪文唱えてるし。さっさと逃げるべきだったか。1つ勉強になった。あぁ!もう!!
手枷の先に長い鎖がついていて、それはらいりゅーさんが握っていた。暫くすると鎧を着た兵士?の人にその鎖が渡され、私は黒い鉄格子の窓がはまった囚人移送用みたいな馬車に乗せられた。予想通り馬車はごとごとと走りだす。
「やっぱり私売られてんじゃん!らいりゅーさんのあほ!人でなし!もーーーーー!」
「枷に書いてる文字読めないし…。呪文てことは魔法?松明、馬車ってことは文明は日本よりは発達してないよね、どうみても。中世?あれ、中世って何年頃のことだっけ?あ、わたし世界史苦手なの忘れてた…。」普段からかなり忘れっぽくて母や姉にも散々注意されてたのに。もう遅いけど。
「売るにしてもせめて言葉教えてからにしてよ…。らいりゅーさん…。何にも分かんないじゃん…」
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