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突然スタートさせられた異世界生活

誰か翻訳してーーー!

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豚の丸焼きのように縛られた手足の間に木の棒が通され、二人の男たちに担がれ運ばれる。足は靴下越しだからかまだ耐えられるけど、手首は直に体重がかかり、縄が擦れて激痛だ。

「やめて!離して!!痛いって!!痛い!!どこに行くの!!いやーーー!誰か!!」

声の限り叫んでも誰も何も返してなんてくれない。涙も鼻水も垂れ流しだけど気にしてる余裕もない。何で縛られてるの。どこに向かってるの。この人たちは誰。怖くて仕方がない。

「…もう言うとおりにするから…。何でも言うこと聞くから…。家に返して…。帰りたいよぉ…」

泣いて懇願したって男たちは足を止めることなく何処かへ向かう。私を運ぶ人が何度か交代しながら夜が明けるまで移動し続けた。

男たちが足を止めたのは朝日が昇って暫くした頃だった。集落のようだった。柵の近くに詰所のような建物があり、見張りの男が両脇に立っている。見張りの男たちと何か問答をしたあと、そのまま通された。そして私は小さい物置のような小屋に放り出された。

「いたっっっ!!」
扉に閂がかけられる音がした。干し草の匂いが漂う。むき出しの土が痛くて堪らない。なんとか手足の縄を解こうともがくが、解ける気配はない。リュックを背負ったまま担がれたのは幸運だった。なんとかリュックを後ろ向きに探ってペンケースからハサミを取り出そうと試みる。ハサミは取り出して右手で持つことが出来たが、問題はそこからだった。上手く力が入らない。それでも手の縄を切ろうとハサミを動かす。気が遠くなりそうな位時間をかけた頃、やっと縄の一本が切れた。そこからなんとか手首の縄を緩めようと手首を動かす。

「よっしゃ、取れた!」
手の縄さえ取れてしまえば足は簡単だ。視界の端にシャボン玉が見えた気がしたけど、気のせいか。

取り敢えず逃げ出すべき、だよね?でもどこに向かうか、というの問題がある。助けてくれる知り合いなんていないのに。窓っぽい格子はあるけど出られそうにないし、出口は閂かけられたし、詰んでる…。小屋の半分は使いかけっぽい干し草しかない。すぐ見つかる隠れ場所だよねぇ。はぁ…。取り敢えず、お尻の下に干し草ひいて体育座りする。

「大会でるって分かってリフトされる側だし体重8キロ落として、皆で練習いっぱいしてたのに。お姉ちゃんまだ25歳なったばっかりなのに四捨五入したら30歳アラサーって笑ってごめん。少しずつ元気になってまた憎まれ口叩けるのが嬉しかったんだもん。応援に来てくれるって言ってくれてほんとに嬉しかったのに…会いたい…。帰りたいよ…。ごめんなさい…」
何でここにいるのか分からないけど、自分に原因があるように思えてきてしまう。

泣いていたらいつの間にか寝ていたようで、格子の隙間から覗いてみると、女性や子供の姿もちらほらと見えた。

リュックだけは肌身離さず背負っておく。

すると突然、閂がかけられていたドアが開いて白っぽいひげを生やした男の人が後ろに男達を沢山率いて入ってきた。

「ビックリしたぁ!!せめてノックしてよ…」

ビクビクしながら抗議してみる。

『※※※※※?※※※※※※※※※。』
ひげの人は険しい表情をしながら何かを話しているけど、言葉通じないって何で分かんないかな。

「だから、言葉通じないんだってば!何て言ってるの?」

『※※※※※※。※※※※※※。』
自分を指差したりあちこち指差したりしてるが、さっぱり分からない。自分を指差したってことは名前かな?でもさ、ネイティブの人の名前って母国語で言われると聞き取れなくない?普段から日本語の片仮名でさえ聞き間違い起こしてる私には無理ってものよね。

「ねぇ、ここどこ?何で私がここにいるか知ってる?あなただれ?」

ひげの人、黙っちゃった。後ろの人達にも目を向けるけど皆怖い顔で黙りこくっている。


誰か翻訳アプリ持ってない??


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