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突然スタートさせられた異世界生活
お馬鹿な人
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頭が痛いのか、こめかみを押さえたラヴァルさんが尋問の結果を教えてくれた。
あの人達は聖女の加護を受けた勇者の一行で、魔族に拐われて不当な扱いを受ける私を救いだすのが任務だった、と。ついでに魔族領の湖に沈む守さんの身体の一部を持って帰ると追加報酬が出るらしい。
「聖女が異世界の女性のことでしょう。馬鹿ですが、あの勇者達はララを救いだした後は魔族を滅ぼし淀みを浄化することが目的らしいですよ。すぐにララを保護しなかったのは、翼があるので魔族か判別出来なかったみたいですね。馬鹿ですね。」
救いだすも何も人間に捕まってた方が酷い目に合ったんだけど。そこはお国の都合ってやつ?むしろ人間のせいでこちらが迷惑してるよ。
「どうして魔族を滅ぼすっていう事になったのぉ?魔族を滅ぼすなら倉を襲撃してくるのいい加減やめてくれないかしらぁ?」
カーミラさん、倉を何度も襲撃されてるから静かにカチきれてますね。顔が怖い…。
「淀みが対処しきれないほど増えた時に人間側に一度警告したはずだよね?異世界人の保護と増えすぎた人間達の魔法を制限しろって。制約は絶対だと思ったけど」
とギルミアさん。人間嫌いって丸分かりの発言ですね…。
「大方、無視したか裏をかくようになったのではないかの?魔法を規制するより異世界人をバラした方が民衆の反感を買わんで済むし、何より手っ取り早い。して、その聖女とやらはこちらで保護するのかね?」
アノーリオンさん…。バラすって気軽に言わないでほしい。心臓に悪い…。
「追加の報告を待っているので今のところ何とも言えませんが。ララの時とは違いますから監禁だけなら様子見、というところですかね。」
「予言の用意してみようか?」
「お願いできますか?ではこの件については明日また話しましょう。」
予言の用意って何するんだろう?禊とかするのかな。教えて!ラヴァル先生!
「あぁ!ララは予言を見るのは初めてですね。森の民はアルテミス神の系譜ですから誰でも予言が出来るんです。月に向かって祝詞を一晩唱えると、アルテミス神から返答がある、らしいです。神は我々とは違う理で生きてますから、表現が曖昧だったり解釈を間違えたりと色々あるんですよ…。だからカーミラの占いで補うんです。まぁ、詳しい事はギルミアに聞くと詳しく教えてくれると思いますよ。」
そう簡単に答えは教えないけど、ヒントはあげるよって事ね。アルテミスって月と狩猟の女神だっけ?ギリシャ神話みたい。でも一晩かかるんだ。日本だったらお経を一晩中唱えるのと一緒だよね?しんどそう…。
◇◇◇◇◇
翌日の話し合いでギルミアさんは羊皮紙を持ってきていた。広げて見ると、象形文字のような読めない文字の羅列だった。
「訳すとこんな感じかな。
『翼の乙女は母と共に自らの本懐を遂げるであろう。
だが同時に最も大事なものをなくす。
異なる乙女は己の夢の中に自ら囚われ破滅する』」
「ちょっとぉ。今回は破滅なんて随分物騒じゃなぁい?翼の乙女ってララちゃんの事よねぇ?」
「ふぅむ…。これだけでは何とも分からんのぅ。さぁ、カーミラ、占っておくれ。」
「そうねぇ…。タロットか水晶玉か…。今回は水晶玉ね。じゃあ、いくわよぉ。」
カーミラさんがどこからか水晶玉を出して目を瞑った。
「んーとねぇ。黒い髪とお揃いの翼がある女性が見えるわ…。これはララちゃんねぇ。ララちゃん、ラヴァルと王国に行って誰かと会っているわねぇ…。これは金髪の男性かしら?
あとは…。ピンクのドレスを着た人がいるわぁ。場所は王宮かしらねぇ…。お付きの侍女がたくさんいる。あら?…あれは神官もお付きになっているのかしらぁ…。
んー、見れるのはここまでみたいよぉ。でもこれで一つ分かったわねぇ!ララちゃんはラヴァルと一緒に人間領に行くのよぉ!」
うん、何かそんな気がしてました。それに異なる乙女ってなーんか嫌な感じがするんですけど、これフラグとかじゃないですよね…?
あの人達は聖女の加護を受けた勇者の一行で、魔族に拐われて不当な扱いを受ける私を救いだすのが任務だった、と。ついでに魔族領の湖に沈む守さんの身体の一部を持って帰ると追加報酬が出るらしい。
「聖女が異世界の女性のことでしょう。馬鹿ですが、あの勇者達はララを救いだした後は魔族を滅ぼし淀みを浄化することが目的らしいですよ。すぐにララを保護しなかったのは、翼があるので魔族か判別出来なかったみたいですね。馬鹿ですね。」
救いだすも何も人間に捕まってた方が酷い目に合ったんだけど。そこはお国の都合ってやつ?むしろ人間のせいでこちらが迷惑してるよ。
「どうして魔族を滅ぼすっていう事になったのぉ?魔族を滅ぼすなら倉を襲撃してくるのいい加減やめてくれないかしらぁ?」
カーミラさん、倉を何度も襲撃されてるから静かにカチきれてますね。顔が怖い…。
「淀みが対処しきれないほど増えた時に人間側に一度警告したはずだよね?異世界人の保護と増えすぎた人間達の魔法を制限しろって。制約は絶対だと思ったけど」
とギルミアさん。人間嫌いって丸分かりの発言ですね…。
「大方、無視したか裏をかくようになったのではないかの?魔法を規制するより異世界人をバラした方が民衆の反感を買わんで済むし、何より手っ取り早い。して、その聖女とやらはこちらで保護するのかね?」
アノーリオンさん…。バラすって気軽に言わないでほしい。心臓に悪い…。
「追加の報告を待っているので今のところ何とも言えませんが。ララの時とは違いますから監禁だけなら様子見、というところですかね。」
「予言の用意してみようか?」
「お願いできますか?ではこの件については明日また話しましょう。」
予言の用意って何するんだろう?禊とかするのかな。教えて!ラヴァル先生!
「あぁ!ララは予言を見るのは初めてですね。森の民はアルテミス神の系譜ですから誰でも予言が出来るんです。月に向かって祝詞を一晩唱えると、アルテミス神から返答がある、らしいです。神は我々とは違う理で生きてますから、表現が曖昧だったり解釈を間違えたりと色々あるんですよ…。だからカーミラの占いで補うんです。まぁ、詳しい事はギルミアに聞くと詳しく教えてくれると思いますよ。」
そう簡単に答えは教えないけど、ヒントはあげるよって事ね。アルテミスって月と狩猟の女神だっけ?ギリシャ神話みたい。でも一晩かかるんだ。日本だったらお経を一晩中唱えるのと一緒だよね?しんどそう…。
◇◇◇◇◇
翌日の話し合いでギルミアさんは羊皮紙を持ってきていた。広げて見ると、象形文字のような読めない文字の羅列だった。
「訳すとこんな感じかな。
『翼の乙女は母と共に自らの本懐を遂げるであろう。
だが同時に最も大事なものをなくす。
異なる乙女は己の夢の中に自ら囚われ破滅する』」
「ちょっとぉ。今回は破滅なんて随分物騒じゃなぁい?翼の乙女ってララちゃんの事よねぇ?」
「ふぅむ…。これだけでは何とも分からんのぅ。さぁ、カーミラ、占っておくれ。」
「そうねぇ…。タロットか水晶玉か…。今回は水晶玉ね。じゃあ、いくわよぉ。」
カーミラさんがどこからか水晶玉を出して目を瞑った。
「んーとねぇ。黒い髪とお揃いの翼がある女性が見えるわ…。これはララちゃんねぇ。ララちゃん、ラヴァルと王国に行って誰かと会っているわねぇ…。これは金髪の男性かしら?
あとは…。ピンクのドレスを着た人がいるわぁ。場所は王宮かしらねぇ…。お付きの侍女がたくさんいる。あら?…あれは神官もお付きになっているのかしらぁ…。
んー、見れるのはここまでみたいよぉ。でもこれで一つ分かったわねぇ!ララちゃんはラヴァルと一緒に人間領に行くのよぉ!」
うん、何かそんな気がしてました。それに異なる乙女ってなーんか嫌な感じがするんですけど、これフラグとかじゃないですよね…?
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