33 / 116
突然スタートさせられた異世界生活
護衛できます
しおりを挟む
「でも、人間領っていってもいくつかあるけど、一番怪しいネイビス王国に向かうのかい?」
とギルミアさん。
「ふぅむ…。それは地下の者に聞いてみたらどうかの?恐らくネイビス王国の者だと思うが、ララともう一人の異世界人を利用して何か企んでおるようじゃ。このまま見過ごすわけにはいかん。」
「あまりにもペラペラと話すので肝心な所を聞くのを忘れていましたね…。呆れている場合ではありませんでした。今、聞いてきます。」
ラヴァルさんにしては珍しいミスだ。きっと本当に呆れてたんだね。普通は捕まっても自国の情報は漏らさない!って感じで拷問とかの流れのイメージだけど。シルキーと一緒に対峙した時は、そんなにお馬鹿な人には見えなかったんだけどなぁ…。
「ネイビス王国の者でした。」
はや!もうラヴァルさんが戻ってきた。聞かれて即答したレベルで早い。
「やっぱりネイビスなのねぇ。追加の報告を待つ間に、作戦立てて準備しないといけないわねぇ!わくわくしちゃう!それに悪意を持って魔族領に入れないはずの人間が、何度も私達の倉を襲撃してくるのも調べないといけないわよねぇ!!手がかり掴めてないのよぉ!!!!」
カーミラさん…。かなり恨みこもってますね。私の責任重大なのが良く分かりました…。
「あとは作戦だね。何か考えてる策はあるかい、ラヴァル?」
「勿論です。地下の人間が再利用出来ると思うので、そこからまずは客人として潜入、という感じです。予言と占いには私とララが鍵となるようですが、人間領に行くのに二人はまずいですから護衛を何人か見繕わないといけませんね。」
「魔族の各部族から選出するかい?」
「それだと時間がかかりすぎる。それに人間の身なりに近い種族でなければいかん。古代種族ではちぃと見た目とサイズが、あれであろ?」
「自衛は勿論、護衛も出来て人間に近い身なりの種族…。難しいわぁ。心当たりがある人はいるんだけどぉ、肌の色が緑はセーフかしらぁ?私でも良いわよぉ?」
「どちらもアウトです。護衛目当てに面倒な人達が集まっては護衛の意味がありません。一人は私の種族から一人出すのはどうですか?」
「使えるとラヴァルが判断したならいいんじゃないかな?エルフの女性はどうだい?ララの護衛なら女性の方が良い事もあるだろうし。」
「女性も何人か必要ではあろうが、エルフ目当てに人がわんさか集まるのが目に浮かぶようじゃ…。…あぁ!軍神アレスの系譜に女性戦士部族がおっただろう。そこから見繕ってはどうかの?」
「それが良さそうですね。アマゾネスに大陸共通語を話せる者がいれば、ですが。最低限話せなくとも理解は出来る者でなければいけません。」
「ララを奪われ盾にされてしまえばこちらからは手出し出来なくなるからの、当然じゃ。」
アマゾネス!なんか格好良い女の人って感じ!と思っていると、私のとなりにいつの間にかシルキーがいた。あれ?珍しい…。
シルキーは自分を指差し、ファイティングポーズを取った後、綺麗なカーテシーを披露した。それで言わんとすることは理解出来た。
「自分を連れてけ、ってことだね?シルキーの顔を数十年振りに見た…。珍しい事もあるもんだね。まさかシルキーが自分を連れて行け、なんていう日が来るとは。まぁ、侍女なら良いんじゃないかな?シルキーなら屋敷の隠し扉もすぐ把握出来るし。」
この間も思ったけど、シルキーって戦えるの?どうやって?何故か私の頭を撫でてふんすふんす、と気合い入れてらっしゃいますが…。と思ったらもう一人隣に来ましたね。どちら様ですか?
「おや?バンシーでは無いですか。どなたか死ぬのを教えに来てくれたのですか?こうして顔を合わせるのは百年ぶり位でしたっけね?」
え、バンシー!?バンシーって危篤アラームで、泣く子供を泣き止ませる主婦の味方の方!?
シルキーは金髪ボブで肌も抜けるように白く、おまけに着ているメイド服も真っ白で、人形のような印象を受けるがバンシーもシルキーと同様に人形のような印象だった。黒髪はシルキーと同じくボブだが、肌の色は褐色で、着ているメイド服は喪服のように真っ黒だった。シルキーとバンシー、二人並ぶと白と黒、色違いの双子のようだった。
そしてバンシーもシルキーと同様にファイティングポーズを取った。え、バンシーも護衛に立候補すんの…?護衛できるの?そう思ってバンシーを見ると、にっこり笑って。
バンシーは泣いた。
それはもう素晴らしい音量で。
同じ部屋にいるだけで耳がキーーンとする。目覚ましのアラームだったら鳴った瞬間に素晴らしい瞬発力で止めてるレベル。
「わ、わ、分かった!分かったから!バンシー、しーーー!静かにして!バンシーも侍女にするよ!!これでいいんでしょ!?」
ギルミアさんが必死になってバンシーを止めた。
こうして侍女枠を勝ち取ったバンシーはシルキーと二人揃って笑顔で美しいカーテシーをした。
二人揃って双子みたいで眼福。
とギルミアさん。
「ふぅむ…。それは地下の者に聞いてみたらどうかの?恐らくネイビス王国の者だと思うが、ララともう一人の異世界人を利用して何か企んでおるようじゃ。このまま見過ごすわけにはいかん。」
「あまりにもペラペラと話すので肝心な所を聞くのを忘れていましたね…。呆れている場合ではありませんでした。今、聞いてきます。」
ラヴァルさんにしては珍しいミスだ。きっと本当に呆れてたんだね。普通は捕まっても自国の情報は漏らさない!って感じで拷問とかの流れのイメージだけど。シルキーと一緒に対峙した時は、そんなにお馬鹿な人には見えなかったんだけどなぁ…。
「ネイビス王国の者でした。」
はや!もうラヴァルさんが戻ってきた。聞かれて即答したレベルで早い。
「やっぱりネイビスなのねぇ。追加の報告を待つ間に、作戦立てて準備しないといけないわねぇ!わくわくしちゃう!それに悪意を持って魔族領に入れないはずの人間が、何度も私達の倉を襲撃してくるのも調べないといけないわよねぇ!!手がかり掴めてないのよぉ!!!!」
カーミラさん…。かなり恨みこもってますね。私の責任重大なのが良く分かりました…。
「あとは作戦だね。何か考えてる策はあるかい、ラヴァル?」
「勿論です。地下の人間が再利用出来ると思うので、そこからまずは客人として潜入、という感じです。予言と占いには私とララが鍵となるようですが、人間領に行くのに二人はまずいですから護衛を何人か見繕わないといけませんね。」
「魔族の各部族から選出するかい?」
「それだと時間がかかりすぎる。それに人間の身なりに近い種族でなければいかん。古代種族ではちぃと見た目とサイズが、あれであろ?」
「自衛は勿論、護衛も出来て人間に近い身なりの種族…。難しいわぁ。心当たりがある人はいるんだけどぉ、肌の色が緑はセーフかしらぁ?私でも良いわよぉ?」
「どちらもアウトです。護衛目当てに面倒な人達が集まっては護衛の意味がありません。一人は私の種族から一人出すのはどうですか?」
「使えるとラヴァルが判断したならいいんじゃないかな?エルフの女性はどうだい?ララの護衛なら女性の方が良い事もあるだろうし。」
「女性も何人か必要ではあろうが、エルフ目当てに人がわんさか集まるのが目に浮かぶようじゃ…。…あぁ!軍神アレスの系譜に女性戦士部族がおっただろう。そこから見繕ってはどうかの?」
「それが良さそうですね。アマゾネスに大陸共通語を話せる者がいれば、ですが。最低限話せなくとも理解は出来る者でなければいけません。」
「ララを奪われ盾にされてしまえばこちらからは手出し出来なくなるからの、当然じゃ。」
アマゾネス!なんか格好良い女の人って感じ!と思っていると、私のとなりにいつの間にかシルキーがいた。あれ?珍しい…。
シルキーは自分を指差し、ファイティングポーズを取った後、綺麗なカーテシーを披露した。それで言わんとすることは理解出来た。
「自分を連れてけ、ってことだね?シルキーの顔を数十年振りに見た…。珍しい事もあるもんだね。まさかシルキーが自分を連れて行け、なんていう日が来るとは。まぁ、侍女なら良いんじゃないかな?シルキーなら屋敷の隠し扉もすぐ把握出来るし。」
この間も思ったけど、シルキーって戦えるの?どうやって?何故か私の頭を撫でてふんすふんす、と気合い入れてらっしゃいますが…。と思ったらもう一人隣に来ましたね。どちら様ですか?
「おや?バンシーでは無いですか。どなたか死ぬのを教えに来てくれたのですか?こうして顔を合わせるのは百年ぶり位でしたっけね?」
え、バンシー!?バンシーって危篤アラームで、泣く子供を泣き止ませる主婦の味方の方!?
シルキーは金髪ボブで肌も抜けるように白く、おまけに着ているメイド服も真っ白で、人形のような印象を受けるがバンシーもシルキーと同様に人形のような印象だった。黒髪はシルキーと同じくボブだが、肌の色は褐色で、着ているメイド服は喪服のように真っ黒だった。シルキーとバンシー、二人並ぶと白と黒、色違いの双子のようだった。
そしてバンシーもシルキーと同様にファイティングポーズを取った。え、バンシーも護衛に立候補すんの…?護衛できるの?そう思ってバンシーを見ると、にっこり笑って。
バンシーは泣いた。
それはもう素晴らしい音量で。
同じ部屋にいるだけで耳がキーーンとする。目覚ましのアラームだったら鳴った瞬間に素晴らしい瞬発力で止めてるレベル。
「わ、わ、分かった!分かったから!バンシー、しーーー!静かにして!バンシーも侍女にするよ!!これでいいんでしょ!?」
ギルミアさんが必死になってバンシーを止めた。
こうして侍女枠を勝ち取ったバンシーはシルキーと二人揃って笑顔で美しいカーテシーをした。
二人揃って双子みたいで眼福。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
23
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる