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突然スタートさせられた異世界生活
身体と脳のバランスって一番大事だよね!?
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ユルトに着くと、ラヴァルさんから早速質問された。
「アレスの湯はどうでした?ここの温泉に浸かると力が湧いてくるようでしょう?力が溢れてくる事と武神アレスにちなんでアレスの湯と呼ばれているんですよ。」
そうなんだ。アレスの湯って言うんだ。力?いつもと同じで湧いてる気はしないけど。プラセボ効果っていうんだっけ?信じるものは救われるってやつ。
「先程アマゾネスと話しましたが、ここ最近一年ほど魔族が人間と手を組んで裏切るケースが急増しているそうです。魔族の密偵が人間側についていたこともあったとか。報告は期待出来ませんから、アマゾン族の護衛が決まり次第乗り込もうと思います。私の一族からも護衛しようと思っていましたが、裏切りの規模が現時点で分からない以上、やめた方が良さそうです。ララと同郷の聖女や勇者とやらがいることもありますし、やはり人間側が何か企んでいることは間違いありませんね。」
同郷と聞いて何となく胸がざわざわする。胸騒ぎとは違うんだけど落ち着かないというか。自分の感情なのに沸き上がった感情が何か分からない。
「それで護衛の件ですが。この一族は数年前に一族全員が大陸共通語を話せるように訓練したらしく、実力のある者を何人かアマゾネスに紹介して貰おうと思うのですが、ララは外せない条件とか既に頼みたい人はいますか?」
条件…。それで思い浮かぶのは先程のガーラさんとズカー達のやり取りだ。出来るなら弁が立つ人で常識がある人がいい。ガーラさんみたいな。そう伝えると、
「ガーラですか。ふむ、相談してみましょう。彼女はアマゾン族には珍しい戦術(ブレイン)タイプですから頭の回転も速いですし。時間があったら彼女とボードゲームをしてみてはどうですか?」
戦術に優れているってことは司令塔とか現場指揮官ってこと?的確な指示出してくれるなら心強いよね。戦闘中に引き際誤ったら死んじゃうじゃん。え、待って。恐ろしい事に気が付いた。アマゾン族に珍しいってことはさ、アマゾン族ってほとんどがさっきのズカー達みたいな脳筋ってこと…?一族の大部分が暴走列車…?…いや、そんな事はない。…はず。だって女王アマゾネスがちゃんと人選してくれるって言ってたし、これから人間領に行こうとしてるのにそんな爆弾搭載した暴走列車を紹介するわけないよね、うん。
そんな事考えたこともあったわー。
「我らも日夜、襲撃に備えないといけないのでな、あまり人員は割けられんのだが、彼女達の実力は私が保証しよう。」
ズカー達を紹介された。
えー…。ズカー達は期待のこもった目で見てくるけどさ…。一緒に人間領に行くのを想像した。
こちらで策を練って余計な一言でぶち壊される未来しか見えなかったんだけど。そんな事になったら、私、貴方達も敵と見なしてどんな手を使っても息の根を止めにかかっちゃいますけど。
私の微妙な反応を見て、女王も何かを察したのか更に言葉を重ねる。
「あー、(馬鹿だが)こう見えて彼女らは他のチームをカバーできる程の実力を持っておるのだ。護衛にも慣れておるしな。…あー、戦闘センスがずば抜けておってな、(馬鹿だが)戦術タイプがいないにしては驚く程の実績がある(のが私も未だに信じられん)のだ。前衛・後衛のバランスも良いしな。(身体と脳のバランスは最悪だが)」
副音声が聞こえましたね。これはアウト判定です。
ラヴァルさんも気付いたのか、
「これから敵地に向かって喧嘩を吹っ掛けに行こうとしているのです。馬鹿に台無しにされては困りますよ?この者達が本当に大陸共通語を話せるのか甚だ疑問なほどです。」
ラヴァルさんが武闘派の女王アマゾネスを威圧している。女王アマゾネスはラヴァルさんと目を合わせようとしない。
「他の者では実力が足りん。それに魔族が裏切るお陰で実力ある戦士達も随分と散っていった。選択肢はあまり多くない。私がこの地を離れるわけにはいかんしな。」
「それでしたら私をお連れください。この者達の手綱も握って見せましょう。」
名乗りを挙げたのはガーラさんだった。
ラヴァルさんが折れた。ガーラさんとズカー達と大陸共通語で会話のやり取りをして、ラヴァルさんのお眼鏡にかなう人を連れていく事になった。そして合格を得たのは、勿論ガーラさん。残りはギリギリ何とか槍使いマディーバ、斥候のハディージャ、トンチキさんが合格した。残りはラヴァルさんが許せないらしい。あれ、トンチキじゃなくて何だっけ。トンチキが頭にこびりついてちゃんと紹介されたはずなのに思い出せない。
「ガーラはさすが完璧ですね。はぁ…、残りは…。まぁ三人も残れただけまだマシですかね…。レダ、貴方は人間領に入ったら口が聞けない設定でいきますからね。どんなことを言われても一言も話してはいけませんよ。命がかかっていますから妥協はしたくないんですが仕方ありません。はぁ…。」
それには私も同意です。そういえば勇者とかいう人間も同じタイプでしたね…。目眩がしてくる気がする。
「では、明日出発しますから各々準備してください。」
「アレスの湯はどうでした?ここの温泉に浸かると力が湧いてくるようでしょう?力が溢れてくる事と武神アレスにちなんでアレスの湯と呼ばれているんですよ。」
そうなんだ。アレスの湯って言うんだ。力?いつもと同じで湧いてる気はしないけど。プラセボ効果っていうんだっけ?信じるものは救われるってやつ。
「先程アマゾネスと話しましたが、ここ最近一年ほど魔族が人間と手を組んで裏切るケースが急増しているそうです。魔族の密偵が人間側についていたこともあったとか。報告は期待出来ませんから、アマゾン族の護衛が決まり次第乗り込もうと思います。私の一族からも護衛しようと思っていましたが、裏切りの規模が現時点で分からない以上、やめた方が良さそうです。ララと同郷の聖女や勇者とやらがいることもありますし、やはり人間側が何か企んでいることは間違いありませんね。」
同郷と聞いて何となく胸がざわざわする。胸騒ぎとは違うんだけど落ち着かないというか。自分の感情なのに沸き上がった感情が何か分からない。
「それで護衛の件ですが。この一族は数年前に一族全員が大陸共通語を話せるように訓練したらしく、実力のある者を何人かアマゾネスに紹介して貰おうと思うのですが、ララは外せない条件とか既に頼みたい人はいますか?」
条件…。それで思い浮かぶのは先程のガーラさんとズカー達のやり取りだ。出来るなら弁が立つ人で常識がある人がいい。ガーラさんみたいな。そう伝えると、
「ガーラですか。ふむ、相談してみましょう。彼女はアマゾン族には珍しい戦術(ブレイン)タイプですから頭の回転も速いですし。時間があったら彼女とボードゲームをしてみてはどうですか?」
戦術に優れているってことは司令塔とか現場指揮官ってこと?的確な指示出してくれるなら心強いよね。戦闘中に引き際誤ったら死んじゃうじゃん。え、待って。恐ろしい事に気が付いた。アマゾン族に珍しいってことはさ、アマゾン族ってほとんどがさっきのズカー達みたいな脳筋ってこと…?一族の大部分が暴走列車…?…いや、そんな事はない。…はず。だって女王アマゾネスがちゃんと人選してくれるって言ってたし、これから人間領に行こうとしてるのにそんな爆弾搭載した暴走列車を紹介するわけないよね、うん。
そんな事考えたこともあったわー。
「我らも日夜、襲撃に備えないといけないのでな、あまり人員は割けられんのだが、彼女達の実力は私が保証しよう。」
ズカー達を紹介された。
えー…。ズカー達は期待のこもった目で見てくるけどさ…。一緒に人間領に行くのを想像した。
こちらで策を練って余計な一言でぶち壊される未来しか見えなかったんだけど。そんな事になったら、私、貴方達も敵と見なしてどんな手を使っても息の根を止めにかかっちゃいますけど。
私の微妙な反応を見て、女王も何かを察したのか更に言葉を重ねる。
「あー、(馬鹿だが)こう見えて彼女らは他のチームをカバーできる程の実力を持っておるのだ。護衛にも慣れておるしな。…あー、戦闘センスがずば抜けておってな、(馬鹿だが)戦術タイプがいないにしては驚く程の実績がある(のが私も未だに信じられん)のだ。前衛・後衛のバランスも良いしな。(身体と脳のバランスは最悪だが)」
副音声が聞こえましたね。これはアウト判定です。
ラヴァルさんも気付いたのか、
「これから敵地に向かって喧嘩を吹っ掛けに行こうとしているのです。馬鹿に台無しにされては困りますよ?この者達が本当に大陸共通語を話せるのか甚だ疑問なほどです。」
ラヴァルさんが武闘派の女王アマゾネスを威圧している。女王アマゾネスはラヴァルさんと目を合わせようとしない。
「他の者では実力が足りん。それに魔族が裏切るお陰で実力ある戦士達も随分と散っていった。選択肢はあまり多くない。私がこの地を離れるわけにはいかんしな。」
「それでしたら私をお連れください。この者達の手綱も握って見せましょう。」
名乗りを挙げたのはガーラさんだった。
ラヴァルさんが折れた。ガーラさんとズカー達と大陸共通語で会話のやり取りをして、ラヴァルさんのお眼鏡にかなう人を連れていく事になった。そして合格を得たのは、勿論ガーラさん。残りはギリギリ何とか槍使いマディーバ、斥候のハディージャ、トンチキさんが合格した。残りはラヴァルさんが許せないらしい。あれ、トンチキじゃなくて何だっけ。トンチキが頭にこびりついてちゃんと紹介されたはずなのに思い出せない。
「ガーラはさすが完璧ですね。はぁ…、残りは…。まぁ三人も残れただけまだマシですかね…。レダ、貴方は人間領に入ったら口が聞けない設定でいきますからね。どんなことを言われても一言も話してはいけませんよ。命がかかっていますから妥協はしたくないんですが仕方ありません。はぁ…。」
それには私も同意です。そういえば勇者とかいう人間も同じタイプでしたね…。目眩がしてくる気がする。
「では、明日出発しますから各々準備してください。」
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