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突然スタートさせられた異世界生活
脳筋が集まると迷惑ですね
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ガーラさんがすっ飛んできて叫ぶように言った。
「申し訳ありません!!ララランド様!!この者達は客人への礼儀を知らないのです!!すぐに追い出しますので!!」
「いやいや、あたしらだって客人への礼くらい知ってるよ。追い出すってのはちょいと酷すぎなんじゃないか、ガーラ。」
「夜通しの警護だったんだ。少しくらい汗を流して身体を暖めても良いだろ?」
「客人への礼を知っているというのなら、なぜ今その礼を尽くさないのですか!?せめてララランド様の許可を得てから入室すべきです!!この事は長に報告しますからね!……ズカー、次の武神戦に出られると思わない事ね。止めなかった貴方達も同罪ですよ。」
「なっ!?ちょ、ままま待てよ、ガーラ!悪かった、わたしらが悪かったよ。疲れていて気が立っていたんだ。なぁ、お嬢ちゃんもすまなかった。」
ズカーと呼ばれた女性は手の平を返して謝ってきた。まぁ急にずかずか入ってこられて、怖かったというか驚いたけれど、私の体格については悪意があった発言ではなかったしね。まぁ、謝ってくれたしと思い、うっかり頷きそうになった時。
「既に礼は失しています。」
ガーラさんの冷たい声は決して大きく無かったのに辺りに響いた。つまり手遅れってことですね…?
うわぁ、温泉気持ちいいのにめちゃめちゃ気まずいというか居たたまれない。この人達にトスアップ(チアリーディングで上に乗る人を複数人で支え上に上げる事)されたら気持ちよく上がるだろうな~と場違いな事を考える。いいなぁ、久しぶりにチアしたいなぁ…。
今更だけどこの人達何者?武神戦てなに?選挙みたいなもの?首をかしげていると、ガーラさんが冷たい表情を彼女らに向けたまま紹介してくれた。
「魔族領、人間領どちらへ向かうときもこの地を通らねばお互いの領地へは行けません。人間達からも魔族達からも襲いやすい位置にあるので、我らは夜中でも村の警護が必要になります。
我らアマゾン族は皆戦闘に優れておりますが、斥候、弓、剣、戦術など得意なタイプは様々です。なのでバランスよく数人ずつチームを組ませて警戒に当たります。そこのズカーの所は戦術がいないパワー特化型ですね。
武神戦は五年に一度開催される次の長を決める大会のことです。大会出場権を得るにも色々と厳しい条件があります。その大会の優勝者一名のみがアマゾネスに戦いを挑み、女王アマゾネスの座を掛けて争うのです。我ら一族は武神アレスに連なる系譜の一族ですから、その名にあやかって武神戦と呼んでいます。」
「あたしは…」
「お黙りなさい、ズカー。貴方に発言は許していません。客人への礼儀を知らないのですから条件を満たさないのは明らかでしょう?あぁ、そこの者達の紹介がまだでしたね。
剣士ズカー、槍使いマディーバ、斥候ハディージャ、盾のシャキーラ、そこのトンチキがレダです。覚える必要もありませんし、罰するのならば手伝いますよ?」
罰するなんてとんでもない!着いたばかりなのに問題は起こしたくありません!慌てて首を横に振る。ガーラさんてば、「ちっ。ララランド様に感謝しろよ。」って聞こえてますよ…!ガーラさん、キャラ変わってません?
さっきの筋肉発言はレダさんだったんですね。その発言が尾を引いているのかレダさんは一人だけ得意なタイプと副音声が逆になって堂々とトンチキ呼ばわり…。
そろそろ逆上せそうになってきましたから、お開きにしましょう。気まずいし。湯から上がって段差に足をかけますが、何と上がれない…。足の付け根まで高さがあった。入る時は降りるだけだからそんなに段差が高いとは思わなかった…!やば、さすがに情けないよね!?と思っていると、ガーラさんが服が濡れるのも構わず私の脇の下に手を入れて抱き上げてくれた。やだ、イケメン…。なにこの安定感…。気遣いが素敵すぎる。そのまま抱っこで脱衣室に向かう。
脱衣場に着くとシルキーとバンシーがあれやこれやと世話を焼いて着替えを手伝ってくれた。温泉場を出ると、ラヴァルさんが入り口で待っていて、
「ララさん。少しお時間ありますか?護衛の件なのですが。」
私たちに宛がわれたユルトへ向かう。
いよいよ人間領ですね?復讐の時が近づいているかと思うと愉しみです。
「申し訳ありません!!ララランド様!!この者達は客人への礼儀を知らないのです!!すぐに追い出しますので!!」
「いやいや、あたしらだって客人への礼くらい知ってるよ。追い出すってのはちょいと酷すぎなんじゃないか、ガーラ。」
「夜通しの警護だったんだ。少しくらい汗を流して身体を暖めても良いだろ?」
「客人への礼を知っているというのなら、なぜ今その礼を尽くさないのですか!?せめてララランド様の許可を得てから入室すべきです!!この事は長に報告しますからね!……ズカー、次の武神戦に出られると思わない事ね。止めなかった貴方達も同罪ですよ。」
「なっ!?ちょ、ままま待てよ、ガーラ!悪かった、わたしらが悪かったよ。疲れていて気が立っていたんだ。なぁ、お嬢ちゃんもすまなかった。」
ズカーと呼ばれた女性は手の平を返して謝ってきた。まぁ急にずかずか入ってこられて、怖かったというか驚いたけれど、私の体格については悪意があった発言ではなかったしね。まぁ、謝ってくれたしと思い、うっかり頷きそうになった時。
「既に礼は失しています。」
ガーラさんの冷たい声は決して大きく無かったのに辺りに響いた。つまり手遅れってことですね…?
うわぁ、温泉気持ちいいのにめちゃめちゃ気まずいというか居たたまれない。この人達にトスアップ(チアリーディングで上に乗る人を複数人で支え上に上げる事)されたら気持ちよく上がるだろうな~と場違いな事を考える。いいなぁ、久しぶりにチアしたいなぁ…。
今更だけどこの人達何者?武神戦てなに?選挙みたいなもの?首をかしげていると、ガーラさんが冷たい表情を彼女らに向けたまま紹介してくれた。
「魔族領、人間領どちらへ向かうときもこの地を通らねばお互いの領地へは行けません。人間達からも魔族達からも襲いやすい位置にあるので、我らは夜中でも村の警護が必要になります。
我らアマゾン族は皆戦闘に優れておりますが、斥候、弓、剣、戦術など得意なタイプは様々です。なのでバランスよく数人ずつチームを組ませて警戒に当たります。そこのズカーの所は戦術がいないパワー特化型ですね。
武神戦は五年に一度開催される次の長を決める大会のことです。大会出場権を得るにも色々と厳しい条件があります。その大会の優勝者一名のみがアマゾネスに戦いを挑み、女王アマゾネスの座を掛けて争うのです。我ら一族は武神アレスに連なる系譜の一族ですから、その名にあやかって武神戦と呼んでいます。」
「あたしは…」
「お黙りなさい、ズカー。貴方に発言は許していません。客人への礼儀を知らないのですから条件を満たさないのは明らかでしょう?あぁ、そこの者達の紹介がまだでしたね。
剣士ズカー、槍使いマディーバ、斥候ハディージャ、盾のシャキーラ、そこのトンチキがレダです。覚える必要もありませんし、罰するのならば手伝いますよ?」
罰するなんてとんでもない!着いたばかりなのに問題は起こしたくありません!慌てて首を横に振る。ガーラさんてば、「ちっ。ララランド様に感謝しろよ。」って聞こえてますよ…!ガーラさん、キャラ変わってません?
さっきの筋肉発言はレダさんだったんですね。その発言が尾を引いているのかレダさんは一人だけ得意なタイプと副音声が逆になって堂々とトンチキ呼ばわり…。
そろそろ逆上せそうになってきましたから、お開きにしましょう。気まずいし。湯から上がって段差に足をかけますが、何と上がれない…。足の付け根まで高さがあった。入る時は降りるだけだからそんなに段差が高いとは思わなかった…!やば、さすがに情けないよね!?と思っていると、ガーラさんが服が濡れるのも構わず私の脇の下に手を入れて抱き上げてくれた。やだ、イケメン…。なにこの安定感…。気遣いが素敵すぎる。そのまま抱っこで脱衣室に向かう。
脱衣場に着くとシルキーとバンシーがあれやこれやと世話を焼いて着替えを手伝ってくれた。温泉場を出ると、ラヴァルさんが入り口で待っていて、
「ララさん。少しお時間ありますか?護衛の件なのですが。」
私たちに宛がわれたユルトへ向かう。
いよいよ人間領ですね?復讐の時が近づいているかと思うと愉しみです。
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