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突然スタートさせられた異世界生活
スタートする復讐~手始めに~
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なぜ自分がこのタイミングで力を得たのかは分からないけど。今のこの状況を打破するのには好都合だ。どうせならもっと早く教えてくれてたら良かったのに。
神力の練習をしていた時は一対一だったから一回で複数人に効くのか?という不安は残る。
いつまでもここにいるわけには行かない。取り敢えず立ち上がると、ポケットに何か入っている事に気が付いた。
取り出してみると、小さな小瓶だった。中身は飲んだことのある、あの謎の発光する青い液体だった。一口飲んでみると、あら不思議。さっきまであった疲労感も吹き飛んだ。
すごいな。さすが母様。液体の正体は分からないままだけど。小瓶をまたポケットに戻す。
体力が回復したので建物の屋根に飛んで着地した。この辺りは空き家が多く、廃墟と化しているものもある。スラムというにはあまりにも人がいないような?
城は、あっちだな。護衛達と行き違いにならないよう合流するにはどこを進むべきか。迂闊に人通りの多い道を通ればまた騒ぎになりかねない。というか私の噂が流れてたんじゃないの?金目当てに追いかけ回されているんですけど。
護衛達をここに呼ぶしかない。
「『護衛よ、こちらへ。』」
これを何回かやればそのうち誰かは辿り着けるだろう。
待ってる間に一つ。まずはやってやろうじゃないの。
「『私を売り飛ばした村の人間とこの国の皇族よ、安眠するなかれ。毎夜、私と同じ目に合うといい。』」
彼らには私が経験した事を夢の中で追体験してもらう。仮にこれが失敗していたとしても構わなかった。誰か一人でも影響してたらそれでいい。悪夢がいつ終わるかの制限は付けなかった。例え反省して心を入れ換えようが悪夢は終わらせない。
それに夢であるだけましだろう。目覚めてしまえば傷なんてないんだから。傷が引き攣って痛むこともなければ、膿む事もないし、傷口を更に痛め付けられる事もない。自分達がどれ程残酷な事をしてきたのか思い知ればいい。
しばらくしたら噂になるかもしれない。村人全員が眠れないって。そうなったら次のステージに進もう。
「きっとこの世界の人達は、国も、家族も、全てを奪われないと気付かないんだね。それがどこまで傲慢な事か、私が気付かせてあげよう。」
私に優しくしてくれた魔族達だって、本気で私の為に何かをしてくれようとしたことは無い。家畜よろしく異世界人を保護してその甘い汁だけ吸っているのは、人間も魔族も変わらない。ただそこに、異世界人への同情と暴力があるかどうかの違いだけだ。四宮 守さんが死んでから私が来るまでの数百年もの間、異世界人に対する変化が無かったのが何よりの証拠だ。
護衛のガーラさんが一番乗りだ。辺りを見回しながら、私がいる建物の近くまでもう少しで辿り着きそうだ。
屋根から降りて、ガーラさんの目の前に着地した。
「あぁ、ララランド様!!ご無事でしたか!!申し訳ありません、護衛がついていながらこの不始末。誠に申し訳ありませんでした!!罰はいかようにも受ける所存です。右腕を切り落とすなり目を潰すなりなんなりと!!」
確かにものすごく怖かったし、死ぬかと思ったけど。
アマゾン族過激すぎでしょ。その切り落とした腕どーすんの。持って帰るの?それとも埋める?
「罰は部屋に戻ってからね。まずは皆と合流しないと。」
「それならお任せ下さい。」
ガーラさんは胸元からホイッスルを取り出して、思いっきり吹いた。不思議な事に私の耳には何も聞こえなかったが、すぐにトンチキさんがどこからか現れ、他の護衛の人達も侍女ズもすぐに集まった。犬笛てきなやつだったのかな?
「あとは人間の侍女二人を見つけて帰るだけです。」
神力の練習をしていた時は一対一だったから一回で複数人に効くのか?という不安は残る。
いつまでもここにいるわけには行かない。取り敢えず立ち上がると、ポケットに何か入っている事に気が付いた。
取り出してみると、小さな小瓶だった。中身は飲んだことのある、あの謎の発光する青い液体だった。一口飲んでみると、あら不思議。さっきまであった疲労感も吹き飛んだ。
すごいな。さすが母様。液体の正体は分からないままだけど。小瓶をまたポケットに戻す。
体力が回復したので建物の屋根に飛んで着地した。この辺りは空き家が多く、廃墟と化しているものもある。スラムというにはあまりにも人がいないような?
城は、あっちだな。護衛達と行き違いにならないよう合流するにはどこを進むべきか。迂闊に人通りの多い道を通ればまた騒ぎになりかねない。というか私の噂が流れてたんじゃないの?金目当てに追いかけ回されているんですけど。
護衛達をここに呼ぶしかない。
「『護衛よ、こちらへ。』」
これを何回かやればそのうち誰かは辿り着けるだろう。
待ってる間に一つ。まずはやってやろうじゃないの。
「『私を売り飛ばした村の人間とこの国の皇族よ、安眠するなかれ。毎夜、私と同じ目に合うといい。』」
彼らには私が経験した事を夢の中で追体験してもらう。仮にこれが失敗していたとしても構わなかった。誰か一人でも影響してたらそれでいい。悪夢がいつ終わるかの制限は付けなかった。例え反省して心を入れ換えようが悪夢は終わらせない。
それに夢であるだけましだろう。目覚めてしまえば傷なんてないんだから。傷が引き攣って痛むこともなければ、膿む事もないし、傷口を更に痛め付けられる事もない。自分達がどれ程残酷な事をしてきたのか思い知ればいい。
しばらくしたら噂になるかもしれない。村人全員が眠れないって。そうなったら次のステージに進もう。
「きっとこの世界の人達は、国も、家族も、全てを奪われないと気付かないんだね。それがどこまで傲慢な事か、私が気付かせてあげよう。」
私に優しくしてくれた魔族達だって、本気で私の為に何かをしてくれようとしたことは無い。家畜よろしく異世界人を保護してその甘い汁だけ吸っているのは、人間も魔族も変わらない。ただそこに、異世界人への同情と暴力があるかどうかの違いだけだ。四宮 守さんが死んでから私が来るまでの数百年もの間、異世界人に対する変化が無かったのが何よりの証拠だ。
護衛のガーラさんが一番乗りだ。辺りを見回しながら、私がいる建物の近くまでもう少しで辿り着きそうだ。
屋根から降りて、ガーラさんの目の前に着地した。
「あぁ、ララランド様!!ご無事でしたか!!申し訳ありません、護衛がついていながらこの不始末。誠に申し訳ありませんでした!!罰はいかようにも受ける所存です。右腕を切り落とすなり目を潰すなりなんなりと!!」
確かにものすごく怖かったし、死ぬかと思ったけど。
アマゾン族過激すぎでしょ。その切り落とした腕どーすんの。持って帰るの?それとも埋める?
「罰は部屋に戻ってからね。まずは皆と合流しないと。」
「それならお任せ下さい。」
ガーラさんは胸元からホイッスルを取り出して、思いっきり吹いた。不思議な事に私の耳には何も聞こえなかったが、すぐにトンチキさんがどこからか現れ、他の護衛の人達も侍女ズもすぐに集まった。犬笛てきなやつだったのかな?
「あとは人間の侍女二人を見つけて帰るだけです。」
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