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突然スタートさせられた異世界生活
続 胡蝶の夢?
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力の使い方とは何の事だろうか。首をかしげながらママと呼んだ女性と手を繋ぎながらどこかへ向かう。
行き先はすぐに庭だと判明した。庭に出ると花壇には南国にあるような木がたくさん生えていた。そのどれもが色鮮やかな実をたわわに実らせていて、全て昼間でも分かるほどにキラキラと発光している。
手を繋いで庭を散策しながら話を聞く。
「よく覚えておきなさい。私達が使う言語は神力が宿っているの。今は古の神だけが使う言葉よ。神力を宿した言葉は聞いた人へ強制力を持つの。格が違いすぎると、私達の神力一つにも耐えられなくてその相手の身体は弾けて死なせてしまう事もあるの。どういう事かというとね……
『右手を挙げて』」
そんなんで私の右手が動き出すはずない、と思っていると。
勝手に私の右手が上に上がって、すぐに下におりた。
自分の身体が勝手に動くのが気持ち悪くてぞわっとした。
「うごいたぁー!見てた?うごいたよ!」
「ね?可愛い子、心配しないで。貴方は私の娘だから手はすぐに元に戻ったのよ。これが、人間だと死ぬまで右手は上がったままか、神力に耐えられなくて弾け死ぬかのどちらかだったはずよ。」
死ぬまで右手が上がったままは嫌だな。でも右手を5分間挙げ続けろ、とか制限をつけたら良いのか。
「私の愛しい子、神力を宿す練習をしましょう?他人への強制力を持たせる為には少しコツがいるの。」
「??????」
「真似してみて?『左手を挙げて』」
「ひだりてをあげて」
その練習をひたすら続け、すぐに習得した。子供のポテンシャルは凄いね。私の身体もどんどん大きくなり、小学校高学年くらいになった。
「愛しているわ、私の可愛い子。ねぇ、ずっと母様と一緒にいましょう?そうしたら悲しいことからも守ってあげられるわ…。」
私は何となくこの人の正体に気付いていた。その惜しみない愛は、確かに私に伝わっていた。だからこそ分からなかった。なぜ他人にそこまでの愛を捧げることが出来る?だから思いきって聞いた。
「母様。なぜそこまで私を愛してくれるのですか?」
母様は私を優しく抱き締めた。
「決まっているじゃない。私は貴方の母なのよ?子を愛さないで何を愛するというの。」
「本当に?私がどんなことをしても?それが例え殺人だったとしても?」
「どうか忘れないで。母様はいつでもどんなことが起きても貴方の味方よ。貴方の後悔の無きように進みなさい。貴方の進む道が常に光に照らされていますように。」
私の髪を撫でながら優しく言い聞かせるように話す声が心地よかった。
「…愛してくれてありがとう。母様に星の導きと夜の安寧が訪れますように。」
これは出発の時の挨拶だ。他にも初対面の挨拶など色々ある。
「さぁ、もう行きなさい。私の愛しい可愛い娘。」
◇◇◇◇◇
ふと目を開けると誰もいない路地裏で膝を抱えたまま、うたた寝をしていたようだ。あまり長い時間は経っていないようで日はまだ高い。
「『右手を挙げて』……うん、使えるみたいだね」
現実ではほんの僅かな時間しか経っていないが、夢ではとても長い年月を過ごした。どちらが現実か分からなくなる程に不思議だった。
だがこれで力を手に入れた。
あの四宮 守がどうやって制約を作り出したのかも理解した。鍵はガイアだった。
さぁ、始めようか。
行き先はすぐに庭だと判明した。庭に出ると花壇には南国にあるような木がたくさん生えていた。そのどれもが色鮮やかな実をたわわに実らせていて、全て昼間でも分かるほどにキラキラと発光している。
手を繋いで庭を散策しながら話を聞く。
「よく覚えておきなさい。私達が使う言語は神力が宿っているの。今は古の神だけが使う言葉よ。神力を宿した言葉は聞いた人へ強制力を持つの。格が違いすぎると、私達の神力一つにも耐えられなくてその相手の身体は弾けて死なせてしまう事もあるの。どういう事かというとね……
『右手を挙げて』」
そんなんで私の右手が動き出すはずない、と思っていると。
勝手に私の右手が上に上がって、すぐに下におりた。
自分の身体が勝手に動くのが気持ち悪くてぞわっとした。
「うごいたぁー!見てた?うごいたよ!」
「ね?可愛い子、心配しないで。貴方は私の娘だから手はすぐに元に戻ったのよ。これが、人間だと死ぬまで右手は上がったままか、神力に耐えられなくて弾け死ぬかのどちらかだったはずよ。」
死ぬまで右手が上がったままは嫌だな。でも右手を5分間挙げ続けろ、とか制限をつけたら良いのか。
「私の愛しい子、神力を宿す練習をしましょう?他人への強制力を持たせる為には少しコツがいるの。」
「??????」
「真似してみて?『左手を挙げて』」
「ひだりてをあげて」
その練習をひたすら続け、すぐに習得した。子供のポテンシャルは凄いね。私の身体もどんどん大きくなり、小学校高学年くらいになった。
「愛しているわ、私の可愛い子。ねぇ、ずっと母様と一緒にいましょう?そうしたら悲しいことからも守ってあげられるわ…。」
私は何となくこの人の正体に気付いていた。その惜しみない愛は、確かに私に伝わっていた。だからこそ分からなかった。なぜ他人にそこまでの愛を捧げることが出来る?だから思いきって聞いた。
「母様。なぜそこまで私を愛してくれるのですか?」
母様は私を優しく抱き締めた。
「決まっているじゃない。私は貴方の母なのよ?子を愛さないで何を愛するというの。」
「本当に?私がどんなことをしても?それが例え殺人だったとしても?」
「どうか忘れないで。母様はいつでもどんなことが起きても貴方の味方よ。貴方の後悔の無きように進みなさい。貴方の進む道が常に光に照らされていますように。」
私の髪を撫でながら優しく言い聞かせるように話す声が心地よかった。
「…愛してくれてありがとう。母様に星の導きと夜の安寧が訪れますように。」
これは出発の時の挨拶だ。他にも初対面の挨拶など色々ある。
「さぁ、もう行きなさい。私の愛しい可愛い娘。」
◇◇◇◇◇
ふと目を開けると誰もいない路地裏で膝を抱えたまま、うたた寝をしていたようだ。あまり長い時間は経っていないようで日はまだ高い。
「『右手を挙げて』……うん、使えるみたいだね」
現実ではほんの僅かな時間しか経っていないが、夢ではとても長い年月を過ごした。どちらが現実か分からなくなる程に不思議だった。
だがこれで力を手に入れた。
あの四宮 守がどうやって制約を作り出したのかも理解した。鍵はガイアだった。
さぁ、始めようか。
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