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空を満たす何か

変化がもたらす何か

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「ちょちょ、ちょっと待って!引っ張らないで!ワンピースが破け…あーー……。」

『『カエデー!ダッコシテーーー!』』

「ま、待って!一人ずつ、じゅんばっ…。」
ゴツンッ!

「カエデ!?大丈夫!?」

立っている時に足をよじ登られ、支えきれずにバランスを崩し、柱に頭突きをかました。幼竜は超大型犬サイズにまで成長していて、その体高は私の腰の高さを越えた。

幼竜達8匹はすくすく育ち、本当にすっくすく育ち…。全員無事に子育て部屋を卒業していった。幼竜がある程度育つと後は各家庭での養育となる。

「ねぇ、カエデ。」
サファテサフィスフィアさんは帰り際に私に言った。

「あんなに元気一杯に応援してくれてありがとう。…カエデ、どうかこれだけは忘れないで。
貴方は命を一つ救ったの。胸を張っていいのよ?ドラゴン族の誰もが出来なかった事を私は成し遂げた、とね。私が貴方の母だったら、皆に言いふらして自慢して回るわ。」

この里に来てから、この里の人達は性別問わず私を抱き締め、頭を撫で、誉めちぎってくる。ずっとその理由を知りたかった。

「気付いていなかった?ねぇカエデ。どこかで自分はここにいてはいけない、幸せになってはいけないって思ってなかった?この里に来た時、無表情のようにも見えたけれど、迷子の子供のような、泣きたいのを我慢しているような、そんな顔をしていたのよ。まだ幼いカエデが、重そうに抱えている荷を下ろしてあげたかったの。きっと他の皆も同じ気持ちだと思う。貴方は一人ぼっちではない、と伝えたくて。」

ストンと胸の中に何かがはまったような気がした。

「耳を貸して。これは内緒なのだけど。アノーリオン様ってよく貴方を守るように丸くなるでしょ?あとツニート君はよく貴方を抱っこする。あれってね…。家族や伴侶に対する親愛の印なのよ!」

「へっ……?」

「誇り高いドラゴン族が身を盾にして、弱いお腹を貴方に晒すのよ?それに抱っこって急所の首や心臓が近いでしょ?巨人族は戦闘民族だから急所を晒すのはかなり嫌がるのよ。自分の子供を抱っこしたことないって人も多いらしいわ。あの二人が無意識なのか、恥ずかしくて言えないのか分からないけれどね!ふふっ。じゃあまたね。」

二人とも割りと出会ってすぐ位でやってなかった?そんなにすぐ信頼してくれたの?私はずっと疑ってばっかりだった。理由が無ければ安心出来なかった。

私はこれまで人の親切をどれほど無下にしてきたのだろうか。そう思うと二人に謝りたくなってくる。

「ちゃんと二人に話したこと……無かったかも。」
二人には全てを話したい。そう思った。



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