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しおりを挟む「指宿くんには、基本的には会長の補佐をして頂きますが、生徒会全体の仕事もお願いします。書類整理だったり、風紀へ書類を届けたり…。ああ、その仕事は先程も言った通り難しくないので肩の力を抜いてくださいね」
「は、はい…」
「今日は説明だけなので、この後は見学して頂いても帰宅されても構いませんよ」
「…えと、ご、ご迷惑じゃなければ、見学したいです…」
「はい、どうぞ。もし何か質問があればいつでも聞いて下さい。今は暇な時期でいつでも対処出来ますので」
にこ、と笑みを向けられて僕もへら…とした笑みを返した。
……みんな知らないかもしれないけどイケメンの笑顔ってメンタルに響くんだよ。
見学してもいいのなら、と見学を申し出たはいいけどとりあえず会長さんを見学すればいいのか?
チラ、と会長さんの方を目だけで見てみると先程とは打って変わって真面目に仕事をしていた。
………書類を裁くスピードが機械みたいだ……。
僕の視線に気付いたのか顔を上げてこちらを見てきたので「な、何かお手伝いって…」と尋ねれば「ない」と即答された。
ですよねー…と目を逸らすと「…あーじゃあこれ、風紀に頼むわ」と5枚ほど綴ってある紙を渡された。
「は、はい!い、いい行ってきます!」
「指宿くん、行ってらっしゃい………って、あ、指宿くん!……行ってしまいましたね…」
シュパッと立って紙を奪い生徒会室を光の速さで出たので、僕は副会長が言った、
「指宿くんって風紀室の場所知っているんでしょうか?」
という言葉は聞こえていなかった。
そして、案の定僕は迷子になった。
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