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しおりを挟む「あ、え、えっと…ぼ、僕は…一年の、指宿佳乃って言います……せ、せせ生徒会の補佐になって……書類を、風紀に持って行く途中だったんですが…」
場所を知らない上に、迷子になってました。
そう伝えれば少し離れたところにいる彼は目をパチクリと瞬きさせた。
…あれ絶対呆れられてるよね……この歳になってまで迷子って…。
で、でも場所知らなかったんだもん!……確認しなかった僕が悪いけど…。
ずーんと沈んだ僕とは裏腹に彼はブハッと吹き出したかと思うとゲラゲラ笑い出した。
その笑い声の大きさに体がビクッと跳ねる。
そ、そんなに笑わなくてもいいじゃんか…!!
むぅ、とむくれていると彼は涙を拭ってお腹をおさえている。
あんまり笑うと酸欠で死んじゃいますよ。
「ぅ…っ…ぁはっ……あーむり。しぬ、しんでしまう…ぶくく…ッ…そのっその歳で迷子…!しかも場所知らなかったって!あっははは!!」
「…………」
「あははは!!!そんな顔しないでよ!ごめんって!!…ぐふっ…!ぼ、僕、一度ツボに入ると、…くくっ…中々、止まらないんだよ!」
そしてまた笑い始める彼に、僕の中での彼の印象が最初とは180度変わっていった。
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