僕は平凡に生きたい

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学園生活

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「お、お邪魔しま~す」


一応俺の部屋でもあるけど、やっぱり言っとかなきゃね。
俺より先に入ってる可能性もあるし。

そろそろとリビングの方に向かうと、テレビのような話し声が聞こえた。
ドキドキしてきた…初対面の人とは緊張するなぁ…。
たぶん、この緊張は初対面だからっていう理由以外もあるんだろうけど。

ゴクッと唾を飲み込んでリビングの扉を開けた。

ガチャ


「…こ、こんにちは」

「……こんにちは?」


入ったはいいけどなんて声をかけたらいいのか分かんなくて、とりあえず挨拶をしたら変な空気になってしまった。
それより、またイケメンがいる…。この学園って芸能学科とかあったっけ?きっとあるんだよね?

さらさらの黒髪にスッと通った鼻筋。
少しつり目気味だけど綺麗な二重だし。
神様はとっても不公平だ。俺はこんなに平凡なのに。
いや、平凡は最高なんだけど。


「今日から同室になる、指宿 佳乃、です…よろしくお願いします」

「ああ、よろしくね。俺は若草わかくさ千蘿ちかげ

「若草くん!俺どっちの部屋使ったらいいですか?」

「千蘿でいいよ。それにタメ口で大丈夫。部屋は右の方」

「じゃあ千蘿くんって呼ぶね!俺も好きに呼んでね」

「ん、佳乃。俺あんまり部屋にいないかもしれないけど、好きにくつろいでくれて構わないから」

「わかった。じゃあ俺荷物片付けてくるね」


ひらひらと手を振って右の部屋に入って、息を吐く。
はぁ~…いい人ぽくてよかった。
あんまり部屋にいないかもって言ってたけど、なんでだろ?
聞かれたくないかなと思ってつっこまなかったけど。
それに、あんまり興味ない…し。

それより早く荷物片付けて、京くんのとこに行こっと。
何作ろうかなぁ。あんまり凝ったものは時間もないし面倒だし…肉じゃがとかでいいかな。うんうん。定番が一番だよね。
家庭の味って感じで、肉じゃが大好き。
ほくほくのじゃがいもが美味しいよねぇ…。

晩御飯のことを考えつつ部屋の片付けをする。
配置は変えなくてもいっかな。
荷物あんまり持ってきてないけど、好きなアーティストのCDを全部持ってきた。
ライブに行けないかもしれないし、慰め用。

このアーティストはメジャーデビューする前からずっと好きで、落ち込んだ時とかに聴いていつも元気を貰ってた。
ライブも映像がすごくて、CDとか動画で見るより迫力がある。
いつも泣いちゃうんだけど。

って、この話はいいんだ。というか誰にしてるのって。


「よし、こんなものかな」


ふいーっと出てもいない汗を拭う仕草をして、片付けを終える。
そういえば俺京くんの連絡先聞いてないや。後で聞いておこう。


「スマホと、お財布と…学生証、だっけ。必要なもの」


買い物には学生証のカードがいるって書いてあった。はず。
一応お財布も持って行っておこう。


「忘れ物はないよね」


おっけー準備万端!いざ、京くんの部屋へレッツラゴー!




*****
アーティスト云々は私が個人的に好きなアーティストさんです。
誰かわかるかたいらっしゃいますか?笑
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