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3話

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 一瞬会見場がどよめく……。

「おいおいどうした!?」

「いつまでそうやってシラを切り続けるつもりですかあなたは、あの人があなたを婚約破棄してすぐにこんなことが起きるなんてどう考えても偶然なわけないでしょうに、本当はあなたが仕組んだことなのでしょう。もうみんな気付いているはずです。この場でしっかりと謝罪しなさい、そうすれば少しは罪が軽くなるかもしれませんよ、もっとも王太子含め3人も殺害したわけなのだから死刑は免れないでしょうけどね。」

今までの会見ではずっと横にいながらも何も口にせずただ泣いていたばかりの現婚約者がまともに口を開いたのはこの時が初めてだった。というか私自身こんなにも長くしゃべる彼女を見たのはこれが初めてである……。

「だからってなんの証拠もないのにわたしを犯人扱いするなんていくらなんでも酷すぎでしょ、あなたが私の何を知っているって言うの?」

びっくりはしたもののちゃんと否定しないといけないことはすかさず反論した。私がそんなことをやった覚えなんてないのだから当然である。

「は!? 証拠、そんなのすぐに見つかるでしょうね。そうなったらもうあなたは言い逃れなんてできないのだからそれまでに首を洗って待っておくことね、こちらの最後通告を無視したことを後悔すれば良いわ!!」

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それからまもなく機体の一部と思われる残骸が海中から発見されたとの報が入った……
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