ほう、婚約破棄ですか?

droit

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9話

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 どんどん小さくなっていく彼の姿にもう私は我慢の限界だった。ああやっと自由になれる!!ここから飛び降りれば きっと天国にいけるだろう……!! 私も未来のないこの世より素敵な未来が待っている世界に旅立とう……!!! ところが、私がこの飛行機を墜落させようなんて馬鹿げたことをしでかした理由はただひとつ。
「ああ……やっとこの地獄から抜け出せる!」
「なぜなら私は飛行機のパイロットだから!!」
そう、この職業を生業にしてもう20年以上経つがその間ずっと嫌な思いをさせられ続けてきたのだ。
私がキャビンアテンダントになった理由のひとつに私にめちゃくちゃな要求をして罵倒しまくった男の乗客と二人きりになる機会があるからである。
もうね、本当に最悪だったよ!!なんであんな奴と同じ空間で同じ空気を吸わなければならないのかといつも思っていた! しかもそいつは私より10も年下だから余計に腹も立つ。その彼のことは私が仕事を辞めない限りは一生つきまとって くるだろう……そう思って私はもういっそのこと辞めてやることにしたのだ!!そう、今から始まるこの旅で!!
「さあ間もなく地上に到着いたします!!」
ああ長かった……やっと死ねると思うと本当にうれしくて涙が出てくるよ……!!そして私を乗せた飛行機は 高度1万メートルから時速900キロの猛スピードで地上にめがけて降下していくのだった……。
ガシャアアアアアアンンン!! バキバキ、ドガァンン!
「げほっ……!!」
ああようやく地上に着いたようだ。私はコクピットのハッチを開け周囲を確認した。まさにそこは地獄だった。
逃げ惑う人々、燃え盛る炎、そして爆発する車などなど……。ああなんて美しい光景なんだろう……!!この景色を 一生忘れないでおこうと心に誓ったのだった……。
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