世界の「妖怪・怪物・幻獣・神獣・神様・悪魔」図鑑

オセアニア - Oceania -

ユルルングル

　ユルルングル


　オーストラリアの先住民族・アボリジニに崇拝されている虹の精霊。大蛇の姿をしているため、虹蛇にじへび（レインボー・サーペント）という。虹蛇は「ドリームタイム」と呼ばれる天地創造の時代から人々に信奉しんぽうされてきた古い精霊で、各部族によってさまざまな種類・形状・名前のものが崇あがめられている。アボリジニに伝わる神話は部族や地域ごとに異なっているが、どの伝承においても虹蛇は偉大なるものとして語り継がれており、多少の違いはあるものの、神の叡智えいちと虹色に輝く美しい巨体を持つとされ、泉や湖の底に棲んで水や雨を自在に操ったと言われている。その中でもユルルングルは、ムルンギン族に伝わる巨大な虹蛇。天に届くほど大きい赤銅色の身体を持つ、虹蛇たちのリーダー的存在であったという。しかし、仲間に嘘をついてしまったため、追放されてその地位を失うことになり、それ以降は二度と姿を見せなかったと言われている。