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悪魔・堕天使 - Devils and Fallen angels -

バルバトス

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 バルバトス


 バルバドスとも。ソロモンの七十二柱の悪魔中、序列第八位。『ソロモンの小さき鍵』によれば、三〇の軍団を率いる地獄の偉大な公爵(大公爵と翻訳されることも)である。「太陽が白羊宮にあるとき、四人の高貴な王とその眷族けんぞくの騎兵とともに出現する」と書かれているが、これは狩りのときに獲物を追い立てる勢子せこを表しているように思われる。バルバトスの出現時には、これらの部下たちが狩人かりうどの角笛を奏でるといわれる。狩人だけあって、鳥のさえずりや犬の吠え声、牡牛のうなり、その他あらゆる生物の声を理解し、それらの声から隠された宝物を捜し当てる能力も持つ。また、過去と未来のことを知る能力も持ち、それらの能力を召喚者に与えることもできるという。自然科学にも造詣が深く、召喚者が望めば喜んでこれを教えるという。さらに、仲間同士のいさかいや、権力者たちの争いを調停するという、悪魔らしからぬ能力もあわせ持つ。天界にあったときは力天使ヴァーチューとも、主天使ドミニオンの位階であったともされる。ヨハン・ヴァイヤーの『悪魔の偽王国』では六番目に載っている。偉大な伯爵あるいは公爵とされ、森の狩人の姿で現れるという。コラン・ド・プランシーは『地獄の辞典』において、バルバトスの姿は「ロビン・フッドの変形」であり、射手か狩人の姿で森に現れると解説している。
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