お見合い相手はお医者さん!ゆっくり触れる指先は私を狂わせる。

すずなり。

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お見合いは続行。

千冬side・・・




千冬「今日は・・・ありがとうございました。」




マンションまで送ってもらい、私は車から降りた。



秋也「ゆっくり寝るんだよ。」

千冬「はい。」

秋也「また誘う。」

千冬「--っ!・・・はい。」






走り出した車が見えなくなるまで見送り、私は自分の部屋に向かった。





千冬「思い返せば今日は・・・驚きの連続だったな・・・。」





新人看護師さんにいつもの倍の血を取られて重度の貧血を起こし・・・

笹倉さんの職業が『お医者さん』って知ったし・・・

私の病気のことまで伝えたし・・・

それでも『結婚を前提にお付き合いを』って言ってくれたし・・・





千冬「もうパニックだよ・・・。」





部屋の鍵を開けて中に入る。

電気をつけて、リビングのソファーに座った。




その時・・・



ピピピッ・・・ピピピッ・・・




千冬「電話?」



鞄からケータイを取り出して着信画面を見る。

表示は・・・『母』だ。




ピッ・・・




千冬「もしもし?」

お母さん「千冬?遅くにごめんね?」

千冬「大丈夫。今帰ってきたとこだし。どうしたの?」

お母さん「この前のお見合い、どうだったかなーって。」

千冬「・・・・・・。」





私はお母さんになんて答えるか悩んだ。

『断った』・・・わけじゃない。

『付き合ってる』・・・わけでもない。





お母さん「?・・・・もしもーし?」

千冬「うーん・・・まだ・・・会ったりしてる・・。」





精一杯の返事に、電話の向こうでお母さんは喜びの悲鳴を上げた。




お母さん「きゃーっ!・・・とうとう結婚!?」

千冬「なんでそうなるのよっ!」




ぶっ飛んだお母さんの回答に私は突っ込んでしまった。




お母さん「だって今まではすぐに断ってたじゃないーっ。進歩ね!」

千冬「進歩って・・・。」

お母さん「・・・いい人だった?」





お母さんの言葉に、私はもらったイルカを抱きしめた。



千冬「・・・うん。私の病気のことを理解してくれた。」

お母さん「!!・・・そう、それはよかった。」

千冬「うん。・・・・あ、どうやって笹倉さんとつながったの?お見合い。」




『医者』なんて職業、そうそう繋がるものじゃない。





お母さん「あぁ、お母さんの友達の、娘さんの、旦那さんの・・・会社の人の?・・・お客さんの・・・友達の・・・旦那さんの・・・・あれ?」

千冬「あー・・・もういいや。」

お母さん「回り回って、『誰かいい人いない?』って来たのよ!」

千冬「そうなんだ・・・。」





『人と人との縁』

遠いところから繋がった笹倉さんとの『縁』を・・・大切にしたいと思った。




お母さん「あ、お母さんもう寝るから。また電話してね?」

千冬「うん。今度実家の掃除にいくし。」

お母さん「・・・それは来なくてもいいよ。」ピッ・・・





千冬「切られた・・・。」




一方的な電話に、私は自分のケータイをテーブルに置いた。

抱きしめていたイルカを見る。




千冬「ねぇ、イルカちゃん?『よろしくお願いします』って・・・言っていいのかな・・・。」




返事をしないイルカを見つめ、頭の中でいろいろ考えながら私は今日を終えた。















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