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お姉さん。

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千冬に結婚式場の雑誌を見せてから1カ月。




秋也「・・・最近千冬に会えてない。」




お互いに仕事が忙しいからか会えてなかった。




秋也「会えても慌ただしくご飯食べるくらいだしなー。」



『早く一緒に暮らしたい』。

そんな考えばかり頭をよぎっていた。 




そんなある日・・・





秋也「・・・千冬と食事に行きたいって?」

春美「そうっ!」





医局でカルテの整理をしていた俺に、姉が言ってきたのだ。




春美「連絡取りたいから連絡先教えなさい!」

秋也「『教えなさい』って・・・千冬に聞かないと教えられない。」

春美「じゃあ聞いて!今すぐ聞いて!」

秋也「・・・わかったよ。返事は待てよ?」




仁王立ちで聞いてくる姉に逆らえず、俺は千冬にメールを送った。




『姉貴が千冬と出掛けたいって言っててさ、連絡先教えろってうるさいんだけど教えていい?秋也』




秋也「メールは送ったからな。千冬も仕事があるから早い返事は期待するなよ?」

春美「・・・そうでもないんじゃない?」

秋也「え?」




予想外なことを言ってきた姉。

俺はケータイの画面を見た。

その瞬間、『新着メール』の文字が画面に表示された。




秋也「まじかよ・・・。」

春美「来た!?」

秋也「たぶん・・・。」




メールを開くと千冬からだった。




秋也「なんでわかったんだ?すぐに返事が来るって・・・。」




そう聞くと姉は医局にある時計を指差した。




春美「ちょうどお昼ご飯の時間だからよ!」

秋也「・・・・・・。」





時間は12時30分。

たしかに千冬は昼御飯を食べてる頃だろう。




春美「早くメール読んでよ。」

秋也「はいはい。えーと・・・」



『大丈夫だよー。私もお姉さんに会いたいっ。千冬』




秋也「・・・だってさ。」

春美「おっけー!」




俺は姉に千冬の連絡先を教えた。




春美「じゃーねー。」



嵐のように去っていった姉。



秋也「千冬・・・押し負けないといいけど・・・。」




千冬の身を不安に思いながら、颯爽と歩く姉の後ろ姿を見つめた。















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