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お姉さん3。

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春美「そう・・・。うちの家庭を気遣ってくれたのかしら?」




そう聞かれ、私は思わずうつ向いてしまった。




春美「やりたいようにしていいのよ?一回希望ばかり挙げてみたら?」

千冬「そう・・・ですね。」




運ばれてきた料理を食べながら、秋也さんのお姉さんと楽しく話す。

頭の隅に結婚式のことを考えながら。






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春美「・・・千冬ちゃんって結構食べるのね。」

千冬「え?」




運ばれてきた料理を全て食べ切った私。




春美「ここのご飯、結構量があるから残すと思ったのに。」

千冬「あー・・残すのは好きじゃないんで(笑)」

春美「食べ物を大切にする子は好きよ?」

千冬「ふふ。ありがとうございます。」





ご飯を食べ終わった私たちは会計を済ませ、外に出た。




千冬「すみません、お会計してもらって・・。」



ご飯代をもってくれたお姉さん。




春美「いいのよ。急に誘ったんだから。」

千冬「ごちそうさまでした。」

春美「あと・・・そろそろ来ると思うんだけど・・。」

千冬「何がですか?」




そうお姉さんに聞くと、知った声が私の名前を呼んだ。





秋也「千冬!」





声のした方に顔を向けると、そこには秋也さんの姿があった。





千冬「・・・秋也さん?どうしてここに・・。」

秋也「姉貴からメールが来てた。『迎えに来い』って。」

千冬「え・・・。」





お姉さんのほうを見ると、にこにこと笑いながら私たちを見ていた。




春美「じゃーね!千冬ちゃんっ。また誘うわ!」





そう言って、お姉さんは手を振りながら帰っていってしまった。





秋也「あー・・・悪いな、身勝手な姉で。」

千冬「ううん?楽しかったよ?」




秋也さんは私の手を握った。




秋也「・・・・・・明日、朝送るから泊まって?」

千冬「秋也さん・・・明日は仕事じゃないの?」

秋也「明日は遅出。だから・・・送るから・・・。」




秋也さんの手にぎゅって力を込められた。




千冬(私もゆっくり秋也さんといたい。)




ここしばらく二人でゆっくりする時間が取れなかった私たち。

秋也さんは私が足りないみたいだけど・・・私も秋也さんが足りなかった。





千冬「・・・ちゃんと送ってね?」

秋也「もちろん。」







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秋也さんのマンションに着いた私たち。

私はリビングのソファーに座った。




秋也「コーヒー?紅茶?」



秋也さんがキッチンから私に聞いてきた。



千冬「んー・・・紅茶がいいなー。」

秋也「おっけ。」







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秋也side・・・






リビングのソファーに座った千冬を眺めながら紅茶を淹れる。

久しぶりの千冬とのゆっくり過ごせる時間だ。

しっかり千冬を補充したい。




秋也「なぁ、千冬。今度休みいつ取れそう?」



キッチンから声をかける。




千冬「・・・・・。」

秋也「?・・・千冬-?」



返事がないこと疑問に思いながら、マグカップを持ってリビングに行くと千冬がソファーで眠りこけていた。



千冬「・・・zzz。」

秋也「・・・疲れてんのか?」




テーブルにマグカップを置き、俺は千冬の隣に座った。



秋也「千冬?・・・千冬?」



揺さぶると千冬は目を覚ました。



千冬「ふぁっ・・!?」

秋也「・・・悪い、誘うべきじゃなかった。」




千冬に疲れを溜めさせるわけにはいかない。




千冬「あ・・・寝てた・・?」

秋也「あぁ。・・・仕事、忙しいのか?」




千冬は目を擦ってテーブルの上のマグカップを取った。




千冬「いただきます。・・・仕事は忙しくはないよ?いつも通り。」

秋也「でもソファーで寝落ちなんて・・・。」

千冬「寝不足・・・かなぁ。」





ごくごくと紅茶を飲む千冬。





秋也「夜、遅くまで起きてるのか?」

千冬「そうでもない(笑)」





千冬の話によると睡眠時間はちゃんと取れてそうだった。




秋也(姉貴とご飯食べて疲れたか?)




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