溺愛彼氏は経営者!?教えられた夜は明けない日が来る!?

すずなり。

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飛行機に乗り込んで日本を出た俺たちはお隣の国、韓国で乗り換えた。

乗り換え後のフライトが長く、隣でハルが大きなあくびをもらしてるのが見える。


「ふぁ・・・」

「ハル、寝る?ベッドメイキングしてもらおうか?」


今回取った座席は個室タイプのもの。

寝るときにCAを呼べばベッドメイキングをしてくれるのだ。


「このままでだいじょうぶ・・・。」

「そう?なら俺も横になるよ。」


そう言って二座席分のリクライニングを倒していく。

ハルはあの事件以降、夜中に何度も起きるようになってしまっていた。

最初こそは誰にも言わずに自分でなんとかしようと思ってたみたいだけど、お兄さんに話をしてから俺に甘えるようになったのだ。

抱きしめたり、背中をさすったりしてよく眠れるように色々してきたけど、俺の腕をきゅっと抱きしめながら眠るのが一番眠れることに最近気がついた。

だからハルが深い眠りに入るまで、俺が隣で寝るのが一番いいのだ。


「んー・・・。」

「ゆっくり寝たら、起きた時についてるよ。」


そう言ってハルのおでこに唇を落とした。


「涼さん、ごめんね・・?」


目を閉じながら言うハル。

俺は頭を撫でながら聞いた。


「ん?何が?」

「・・夜とか・・ごめんね。」


そう言ったあと、ハルは寝息を立て始めた。

すぅすぅと規則正しい寝息を聞きながら、ハルの唇を指でなぞる。


「夜?・・・あぁ、シてないってことか。」


あの事件以来、ハルとそういう雰囲気になることができず、ただ一緒に寝てるだけだった。

腕枕したり、ぎゅっと抱きしめたり・・・。

それだけでも別によかったのに、ハルは気にしてくれていたみたいだ。


「まぁ・・・そのうち・・な。」


寝息を立てるハルの向こう側にある窓から、空が見えた。

雲一つない青空だ。


「こんな空みたいに・・心のもやが早く取れるといいな、ハル。」


そう言って俺も目を閉じていった。



ーーーーー



ーーーーー



「着いたぁー・・・。」


日本を出て13時間余り。

現在、現地時間で夕方5時だった。

2回の乗り換えを経てたどり着いたキリバス共和国。

青い空はどこまでも続いていて、見渡す限りコバルトブルーの海が広がっていた。

暖かい気候というよりは少し暑い気もするけど、潮風が吹いてるからかあまり湿気は感じなかった。


「なんか・・・すっごい自然自然って感じだねぇ・・。」

「だな・・。」


飲食や加工品のお店は見えるものの、観光地っぽい雰囲気はあまりないように見えた。

それがかえってこの島には合ってるのかもしれない。


「ご両親はどこにいるって?」


ハルに聞くと、ハルはスマホを取り出してメールを開いた。


「えーと・・・涼さんが取ってくれたホテルで待ってるって言ってたけど・・・」

「なら送迎バスで行こうか。ここはタクシーとかバスが無いみたいだし。」

「うん。」


荷物を持って送迎バスに乗り込む。

ハルはバスから見えるキレイな海を見ながら、長時間のフライトの疲れを癒しているようだった。


(水着でも持ってきたらよかったなー・・・。)


この島はダイビングが有名だけど、俺もハルも海に潜った経験はなかった。

明日には出国する予定だから散策とショッピングくらいしかすることはできないのだ。

それでも・・・


(ハルの水着姿・・・見たい。ビキニもいいけど、ワンピースも可愛いだろうなぁ・・・。)


どんな水着が似合うか、勝手に妄想してるうちにバスはホテルに到着した。

バスから下りると同時に、日本の言葉が耳に入って来た。


「ハルーっ!」


ハルは声のする方に振り返った。

そこにはラフな格好をした夫婦が立っていた。

二人とも明るめの髪をしていて、手を大きく振ってる。


「あ、お母さーんっ。・・・と、お父さーん!」


二人の元へ駆けていくハルの荷物を取り、俺は二人に軽く頭を下げた。

ハルの分の荷物も持って、ご両親のところへ行く。


「久しぶりね、ハル。元気だった?」

「元気元気。お母さんたちも元気?」

「元気よー。」


二人は腕を取り合いながら、きゃっきゃとはしゃいでいた。

その楽しそうな二人を見ながら、俺はハルのお父さんにご挨拶をした。


「・・・初めまして、都築と申します。ハルさんとお付き合いさせていただいてまして、現在一緒に住んでます。」


頭を深く下げながら言うと、ハルのお父さんは俺の肩をぽんぽんっと叩いた。


「そんなかしこまらなくて大丈夫。ハルから聞いてるけど今日は一泊なんだろ?酒でも飲みながら話をしようじゃないか。」

「ありがとうございます。チェックインを済ませてきます。」

「あぁ、そこのバーで待ってる。」


ハルのお父さんと別れると、ハルはお母さんとの話が終わったようで二人が俺の側にやってきた。


「初めまして、都築さん。ハルの母です。」


にこっと微笑みながら挨拶をしてくれたハルのお母さんは、すごく優しそうな人だった。

ゆっくりめな話し方、ゆっくりな足取り。

これは年齢というより、元々な感じを受けた。


「初めまして、都築です。ハルさんとお付き合いさせていただいてます。」


深く頭を下げると、ハルのお母さんは俺をじっと見てきた。

それはもう、頭のてっぺんから足の先まで・・・

二回ほど往復したのち、ハルのお母さんはにこっと微笑んだ。


「まぁまぁ、ずいぶんかっこいい人と一緒にいるのねぇ、ハル。」

「ちょ・・お母さんっ・・ストレートに言わないでっ・・!」

「えぇ?ハルの超好みのタイプじゃない??ほら、シャツの袖口から見えてる腕とかー・・・」

「!!・・・お母さんっ!!」


思いがけないドストレートなお母さんの発言を、ハルは顔を赤くしながら止めようとしていた。

それでも止まらないお母さんは、最終的にハルに口を塞がれてしまっていた。

その光景を見て、俺は必死に笑いを堪える。


「もうっ・・!涼さん行こっ!!」


お母さんから離れるのがいいと思ったのか、ハルはそう言ってずんずんとホテルの中に入って行ってしまった。

その後ろ姿を見ながらハルのお母さんが叫ぶ。


「チェックインしたらビーチ歩きに行こうねー、ハルー。」

「わかったよぉっ・・!」


ふり返りながらそう答えるハル。

俺もハルを追いかけようと足を踏み出した。

その時・・・



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