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引き取る。
施設に帰ってきた私は、また面談室に連れて行かれた。
今度は施設長も混ざって話が始まる。
朝比奈 光一「うちとしてはすぐにでも引き取りたいんです。」
施設長「それは分かりますけど、鈴ちゃんにちゃんと説明しないといけないので・・・。」
施設長の言葉を聞いて、おじさんは私に説明しだした。
朝比奈 光一「鈴ちゃん、聞いてくれる?」
鈴「は・・はい。」
朝比奈 光一「キミのお母さんはね、行方不明だったんだよ。」
鈴「行方不明・・・?」
口をぽかんと開けてる私に、おじさんは続ける。
朝比奈 光一「心臓の病気を発症した後、家を出ていった。警察も探してくれたんだけど見つからなくて・・・。」
鈴「警察・・・。」
朝比奈 光一「亡くなって・・・初めて居場所を知ったんだよ。」
鈴「そうなんですか・・・。」
朝比奈 光一「キミがお腹にいることも知らなかった。・・・たぶん、キミを産むと命を落とすことを鍾子は分かってたんだろう。だから僕の前から姿を消した。」
それって・・・私が生まれたからお母さんは死んじゃったってこと・・・?
自分のせいでお母さんが死んでしまったのだと思うと、心臓がきゅー・・・と締め付けられていく。
朝比奈 光一「鍾子が遺した『命』と・・・一緒に暮らしたい。キミは間違いなく僕の子でもあるんだよ。」
鈴「私が・・・おじさんの子ども?」
朝比奈 光一「お母さんが遺したDNA鑑定書。鈴ちゃんの名前があるだろ?」
封筒から取り出された書類。
それは私の前に置かれた。
鈴「・・・『朝比奈 鈴は、朝比奈 光一と朝比奈 鍾子の子である可能性は99,9%』。」
朝比奈 光一「どうかな?」
鈴(どうかなって言われても・・・。)
なにがどうなってるのか理解が追いつかない私は椅子から立ち上がり、右に左にうろうろ歩いた。
朝比奈 光一「?・・・大丈夫かい?」
鈴「あ・・・はい。」
施設長「鈴ちゃん、不安になったりするとちょっとうろうろしちゃうんです。」
朝比奈 光一「あぁ、なるほど。・・・また明日来るから、今日はゆっくり寝てね?」
鈴「・・・はい。」
おじさん・・・・『お父さん』は面談室を出て、帰っていった。
私は面談室に残ったまま、外を見つめ、頭をフル回転させる。
鈴(お母さんは、迎えに来ない。)
それだけは変わらない事実だ。
あとは・・・
私の生活。
施設長「鈴ちゃん?私からも話、いい?」
『お父さん』を見送った施設長が面談室に戻ってきた。
私の向かいに座り、封筒を出した。
施設長「・・・お母さんから預かってたものよ。」
鈴「お母さんから・・・?」
施設長「鈴ちゃんのものだから・・・ゆっくり見て?」
そう言って私の前に置いた。
鈴「拝見・・・します?」
私は封筒の中身を全て出した。
中身は・・・書面がいくつかと、2枚の写真。
鈴「この写真・・・。」
1枚は私とお母さんのツーショットだった。
きれいなお母さんの姿は、私の記憶を呼び覚ますもので会いたくてたまらない気持ちにさせる。
鈴「もう1枚は・・・?」
もう1枚の写真。
それには4人の人が写っていた。
お母さんと『お父さん』の若い姿と・・・小さい男の子が2人だ。
鈴「・・・?」
施設長「あぁ、それは・・・鈴ちゃんのお兄ちゃんよ。」
鈴「お兄ちゃん・・?」
施設長「11歳年上のお兄ちゃんと、10歳年上のお兄ちゃんがいるのよ。」
・・・今日は驚くことばかりだ。
施設長「鈴ちゃんのお母さんはね、35歳のときに病気が見つかったの。」
鈴「35歳?」
施設長「そう。で、そのあとすぐに鈴ちゃんがお母さんのお腹にきたの。」」
鈴「私・・?」
施設長「どうしても鈴ちゃんに会いたかったお母さんは、こっそり産むことにして、姿を消した。亡くなる直前まで鈴ちゃんとの時間を大切にした。」
鈴「いつも・・・抱きしめられてた記憶がある。」
施設長「鈴の音のように明るく、かわいい女の子になって欲しくて『鈴』って名前にしたって聞いたのよ?」
施設長は12年前を思い出しながらたくさん話をしてくれた。
お母さんが亡くなって、しばらく経つと家族が私を迎えに来ることも言われてたらしい。
施設長「お父さんはきっとあなたのことを探し出す。そう思ってお母さんは少しずつあなたの情報がわかるようにしてたみたいなの。」
鈴「少しずつ?」
施設長「パソコンに情報開示システムを入れて、特定の時期にあなたのことを少しずつ表示していったみたい。最後が昨日。何の日かわかる?」
鈴「私の誕生日・・・。」
施設では誕生日のお祝いはしない。
里親のもとに行った日を誕生日にすることがあるし、そもそも分からない子もいるから。
でも私は、お祝いこそはされないものの、自分の誕生日だけは教えられていた。
施設長「あの人はあなたのお父さんよ。ゆっくりでいいから『家』に戻ることも考えてみて?」
そう言って、施設長は面談室を出ていった。
今度は施設長も混ざって話が始まる。
朝比奈 光一「うちとしてはすぐにでも引き取りたいんです。」
施設長「それは分かりますけど、鈴ちゃんにちゃんと説明しないといけないので・・・。」
施設長の言葉を聞いて、おじさんは私に説明しだした。
朝比奈 光一「鈴ちゃん、聞いてくれる?」
鈴「は・・はい。」
朝比奈 光一「キミのお母さんはね、行方不明だったんだよ。」
鈴「行方不明・・・?」
口をぽかんと開けてる私に、おじさんは続ける。
朝比奈 光一「心臓の病気を発症した後、家を出ていった。警察も探してくれたんだけど見つからなくて・・・。」
鈴「警察・・・。」
朝比奈 光一「亡くなって・・・初めて居場所を知ったんだよ。」
鈴「そうなんですか・・・。」
朝比奈 光一「キミがお腹にいることも知らなかった。・・・たぶん、キミを産むと命を落とすことを鍾子は分かってたんだろう。だから僕の前から姿を消した。」
それって・・・私が生まれたからお母さんは死んじゃったってこと・・・?
自分のせいでお母さんが死んでしまったのだと思うと、心臓がきゅー・・・と締め付けられていく。
朝比奈 光一「鍾子が遺した『命』と・・・一緒に暮らしたい。キミは間違いなく僕の子でもあるんだよ。」
鈴「私が・・・おじさんの子ども?」
朝比奈 光一「お母さんが遺したDNA鑑定書。鈴ちゃんの名前があるだろ?」
封筒から取り出された書類。
それは私の前に置かれた。
鈴「・・・『朝比奈 鈴は、朝比奈 光一と朝比奈 鍾子の子である可能性は99,9%』。」
朝比奈 光一「どうかな?」
鈴(どうかなって言われても・・・。)
なにがどうなってるのか理解が追いつかない私は椅子から立ち上がり、右に左にうろうろ歩いた。
朝比奈 光一「?・・・大丈夫かい?」
鈴「あ・・・はい。」
施設長「鈴ちゃん、不安になったりするとちょっとうろうろしちゃうんです。」
朝比奈 光一「あぁ、なるほど。・・・また明日来るから、今日はゆっくり寝てね?」
鈴「・・・はい。」
おじさん・・・・『お父さん』は面談室を出て、帰っていった。
私は面談室に残ったまま、外を見つめ、頭をフル回転させる。
鈴(お母さんは、迎えに来ない。)
それだけは変わらない事実だ。
あとは・・・
私の生活。
施設長「鈴ちゃん?私からも話、いい?」
『お父さん』を見送った施設長が面談室に戻ってきた。
私の向かいに座り、封筒を出した。
施設長「・・・お母さんから預かってたものよ。」
鈴「お母さんから・・・?」
施設長「鈴ちゃんのものだから・・・ゆっくり見て?」
そう言って私の前に置いた。
鈴「拝見・・・します?」
私は封筒の中身を全て出した。
中身は・・・書面がいくつかと、2枚の写真。
鈴「この写真・・・。」
1枚は私とお母さんのツーショットだった。
きれいなお母さんの姿は、私の記憶を呼び覚ますもので会いたくてたまらない気持ちにさせる。
鈴「もう1枚は・・・?」
もう1枚の写真。
それには4人の人が写っていた。
お母さんと『お父さん』の若い姿と・・・小さい男の子が2人だ。
鈴「・・・?」
施設長「あぁ、それは・・・鈴ちゃんのお兄ちゃんよ。」
鈴「お兄ちゃん・・?」
施設長「11歳年上のお兄ちゃんと、10歳年上のお兄ちゃんがいるのよ。」
・・・今日は驚くことばかりだ。
施設長「鈴ちゃんのお母さんはね、35歳のときに病気が見つかったの。」
鈴「35歳?」
施設長「そう。で、そのあとすぐに鈴ちゃんがお母さんのお腹にきたの。」」
鈴「私・・?」
施設長「どうしても鈴ちゃんに会いたかったお母さんは、こっそり産むことにして、姿を消した。亡くなる直前まで鈴ちゃんとの時間を大切にした。」
鈴「いつも・・・抱きしめられてた記憶がある。」
施設長「鈴の音のように明るく、かわいい女の子になって欲しくて『鈴』って名前にしたって聞いたのよ?」
施設長は12年前を思い出しながらたくさん話をしてくれた。
お母さんが亡くなって、しばらく経つと家族が私を迎えに来ることも言われてたらしい。
施設長「お父さんはきっとあなたのことを探し出す。そう思ってお母さんは少しずつあなたの情報がわかるようにしてたみたいなの。」
鈴「少しずつ?」
施設長「パソコンに情報開示システムを入れて、特定の時期にあなたのことを少しずつ表示していったみたい。最後が昨日。何の日かわかる?」
鈴「私の誕生日・・・。」
施設では誕生日のお祝いはしない。
里親のもとに行った日を誕生日にすることがあるし、そもそも分からない子もいるから。
でも私は、お祝いこそはされないものの、自分の誕生日だけは教えられていた。
施設長「あの人はあなたのお父さんよ。ゆっくりでいいから『家』に戻ることも考えてみて?」
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