お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。

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副作用。

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翌日・・・


翔平side・・・



鈴「・・・・・・。」

翔平「鈴?どうした?」

鈴「んー・・・・・。」




朝、リビングにあるソファーに鈴がぼーっと座っていた。

いつもなら洗濯に掃除にと、バタバタ走り回ってる時間だ。



恭吾も不審に思ったみたいで、隣に座って話しかけた。



恭吾「鈴?今日の授業は?」

鈴「ない・・・・・。」

翔平「『ない』?そんな日があるのか?」

鈴「もう・・終わってる。」





どこか遠くを見てるような感じの鈴。

隣に座ってる恭吾にずるずるともたれていった。



恭吾「ちょ・・。大丈夫か?」




鈴のおでこに手のひらをあてた恭吾。



恭吾「うーん・・熱はないんだけど・・・。」

翔平「鈴?ちょっと診察していいか?」



俺は鈴の前にいった。

顔を覗くと・・・鈴は眠っていた。


鈴「・・・・・・zzz。」

恭吾「え?・・寝た?」

翔平「ちょっと聴診器取ってくる。」

恭吾「うん。このまま様子見とく。」



俺は自分の部屋に聴診器を取りに行った。

リビングに戻ってくると、恭吾が鈴の頭を撫でてるとこだった。


恭吾「昨日疲れたか?」

翔平「鈴ー?ちょっと診るからなー?」



服の下から聴診器を滑り込ませる。

念入りに音を聞いた。



恭吾「・・・おかしい?」

翔平「あぁ、聞こえにくい。」

恭吾「聞こえにくい?んなわけないだろ?」

翔平「なら聞いてみろよ。」



俺は鈴をソファーに寝かせて聴診器を恭吾に渡した。

恭吾も服の下から滑り込ませて音を聞く。




恭吾「え・・・ほんとだ。」



いつもならクリアに聞こえる心臓の音がこもったように聞こえる。

どうも嫌な予感がしてならない。




翔平「父さんに相談だな。俺、今日休みだし、見とく。」

恭吾「俺も早く帰ってくるよ。」



そう言って恭吾は仕事に出た。

鈴の頭をひと撫でしてから・・・。












ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー









鈴「んー・・・・・。」





目が覚めた私は体の調子が元に戻っていた。

朝は体が重かったハズのに、今はなんともない。




翔平「起きた?どう?調子は。」

鈴「翔平お兄ちゃん?・・・って、もうお昼!?」



うとうと眠ってしまったことは覚えてたけど、15分くらいだと思ってた。

まさか4時間も寝てしまってたとは思わなかった。




翔平「しんどくない?体、重くない?」

鈴「?・・・大丈夫だよ?」

翔平「ちょっと音、聞かせてくれ。」



そう言って翔平お兄ちゃんは聴診器を使って私の胸の音を聞き始めた。


翔平「あれ?ちゃんとクリアに聞こえる・・・。」

鈴「?」



聴診が終わった私は大きな伸びをしてから洗濯に向かった。



鈴「はやくしないとー。」



いつも通り家事を進めていく私の後ろをずっと翔平お兄ちゃんがついてくる。




鈴「・・・なに?」

翔平「いや?なんでもない。」

鈴「?」





結局、夕方まで私の後ろをついて回ったお兄ちゃん。

晩御飯を作ってると恭吾お兄ちゃんが帰ってきた。





恭吾「ただいまーっ。」



廊下をバタバタ歩いてがちゃっとドアが開けられた。




恭吾「鈴は?」

鈴「へ?お帰り、恭吾お兄ちゃん。」




キッチンで晩御飯を作ってる私の真横まできておでこに手をあてられた。



鈴「あの・・ごはんできない・・。」

恭吾「調子は?大丈夫か?」

鈴「?・・元気だよ?」



なんともない私を見て、恭吾お兄ちゃんはリビングに行った。



恭吾「なぁ、翔平。どうだった?」

翔平「ちゃんとクリアに聞こえた。朝のは何だったんだ?」



ふたりがぶつぶつと何か話してる間に晩御飯は完成する。



鈴「できたよー?」



テーブルに並べたご飯たち。

私の声が聞こえたお兄ちゃんは、ダイニングにやってきた。




翔平「・・・ずいぶん腕を上げたなぁ。」

鈴「ほんと?」

恭吾「あぁ。ハンバーグ、作れるようになったんだな。」




今日の晩御飯は煮込みハンバーグとサラダ、スープだ。




鈴「この前、私でも作れる料理の本を見つけたの。すっごく作りやすいよ?」

翔平「あ、買いたかった本?」

恭吾「違うだろ?バイトしてたの昨日だし。」

鈴(しまった・・・!変な方向に話が・・・。)




どう話を戻そうか悩んでると、お父さんが帰ってきた。




お父さん「ただいまー・・・いい匂いだね。」

鈴「今、用意するねー。」




私はお兄ちゃんたちの話から上手く逃げることができた。



鈴(はやくお小遣いもらえる日がこないかな・・・。)



私はその日を楽しみに待った。








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