53 / 67
恋心。
望くんから返事が来ないまま数日が経った。
私は久しぶりにおじいさんのお店に遊びに来ている。
鈴「こんにちはー。」
店主「おぉ、鈴ちゃん。いらっしゃい。」
私はおじいさんにタイピンのことを話した。
お父さんもお兄ちゃんもとても喜んでくれたこと。
ちょっと無理して入院してたこと。
おじいさんは優しい笑顔で私を見ながら話を聞いてくれた。
店主「喜んでもらえてよかったねぇ。」
鈴「うんっ。また何か作れるものってある?」
店主「そうだねぇ・・・鈴ちゃんが好きそうなのは・・・。」
おじいさんは何かを探しに店の奥に入っていった。
それと同時にお店のドアが開いた。
カランカラン・・・
鈴「あれ?直哉お兄ちゃん?」
入ってきたのは直哉お兄ちゃんだった。
直哉「鈴?何してんだ?」
鈴「買い物・・・?お兄ちゃんは?」
直哉「お前がここに出入りしてるって翔平から聞いたから見に来てみた。」
直哉お兄ちゃんはお店の中をぶらぶら見始めた。
店主「あぁ、いらっしゃい。」
直哉「こんにちは。いつも鈴がお世話になってます。」
ぺこっと頭を下げたお兄ちゃん。
店主「鈴ちゃん、これなんてどうだい?」
そういっておじいさんが出してきたのは・・・
『オルゴール』だ。
鈴「どうやってするの?」
店主「カバーにボンドで飾りをつけるだけだよ?」
鈴「簡単そうっ。」
店主「作るんならどの曲がいいか聞いてごらん?」
私はねじを回して色んな曲を聞いた。
♪~・・・
直哉「お、きれいな曲だな。」
鈴「クラシックだよ?私、この曲好きー。」
直哉「ふーん?じぃさん、これいくら?」
店主「3000円と、パーツ代かな?」
私は計算し始めた。
まぁ、計算なんかしなくても財布の中身が足りないことぐらいすぐわかるんだけど。
鈴「またお小遣い貯めてきていい?」
店主「いいよ、いつまでも待ってるから。」
鈴「ありがとうっ。あと、パーツ、見てきてもいい?」
店主「あぁ、いいよ?奥にあるから。」
私は席を立って、お店の奥に入っていった。
パーツが入ってる棚を見る。
鈴「うーん・・・あ、うさぎがあるっ。」
直哉「うさぎ、好きなのか?」
私にくっついて来たっぽい直哉お兄ちゃん。
鈴「恭吾お兄ちゃんがうさぎのぬいぐるみをくれたの。おっきいやつ。それがかわいくて、うさぎが大好きになったの。」
直哉「へぇー・・・。」
直哉お兄ちゃんと棚を見てると、カタカタとまわりで音が鳴り始めた。
鈴「?」
何の音か分からず、辺りを見回した時、グラ・・・と身体が傾いた。
鈴「!?」
直哉「地震だ!鈴、こっち!」
ぐぃっと腕を引っ張られ、私は直哉お兄ちゃんに抱きすくめられた。
鈴「---っ!」
ものの数秒で収まった地震。
直哉「収まった・・・か?」
鈴「お・・・お兄ちゃん・・。」
直哉「お?悪い悪い。」
急に抱きしめられたからか、胸がどきどきとうるさかった。
直哉「・・・鈴?」
鈴「な・・なんでもない・・。」
直哉お兄ちゃんはパーツが置いてある棚を、また見始めた。
手をすっ・・・と伸ばして、私の目の前にあったパーツを手に取った。
鈴(大きい・・・手・・。)
ゴツゴツしてる手を、私はじっと見た。
直哉お兄ちゃんを・・・あんまりまじまじと見たことが無かった私は、思わず見上げ、お兄ちゃんの顔を見た。
直哉「?・・・なんだ?」
鈴「・・・・・・。」
シャープな顔立ち。
切れ長な二重の目。
屈強な体・・・ではないけど、私を支えてる手はたくましい。
鈴「直哉お兄ちゃんって・・・かっこいいよね・・・。」
直哉「!?・・・どうした?急に・・・。」
鈴「えっ!私、口に出てた・・・!?」
直哉「そりゃもう・・・。」
お兄ちゃんを見上げたまま、自分の顔が熱くなっていくのが分かった。
鈴(今、絶対顔が赤い・・・!)
直哉「鈴?」
鈴「なんでもないっ。」
私は視線を落とし、おじいさんのところに戻った。
鈴「お金貯めて、また来ますっ。」
店主「う・・・うん。」
かばんを持って、私はお店を飛び出た。
直哉「あっ!走るなっ!」
鈴「走ってないっ!」
ダッシュで住宅街を走る私をものすごいスピードで追いかけてくる直哉お兄ちゃん。
直哉「待て!鈴っ!」
鈴「やだっ!」
運動不足な私が直哉お兄ちゃんを巻けるわけなく、あっという間に捕まってしまった。
ガシッ・・!
直哉「どうした?体調悪いのか?」
鈴「元気だから離してぇ・・・。」
直哉「離すから・・・走るなよ?わかったな?」
鈴「わかったからっ。」
直哉お兄ちゃんは私の様子を見るようにしながらそっと手を離してくれた。
鈴「ちゃんと歩くから・・・帰るね。」
歩き出そうとしたとき、私は直哉お兄ちゃんに後ろからまた、抱きすくめられた。
鈴「!?」
直哉「ちょっと熱だけ。」
そう言って手が伸びてきて私のおでこに手があてられた。
鈴「やっ・・・!」
その手を払いのけ、私はお兄ちゃんの腕から抜け出した。
私は久しぶりにおじいさんのお店に遊びに来ている。
鈴「こんにちはー。」
店主「おぉ、鈴ちゃん。いらっしゃい。」
私はおじいさんにタイピンのことを話した。
お父さんもお兄ちゃんもとても喜んでくれたこと。
ちょっと無理して入院してたこと。
おじいさんは優しい笑顔で私を見ながら話を聞いてくれた。
店主「喜んでもらえてよかったねぇ。」
鈴「うんっ。また何か作れるものってある?」
店主「そうだねぇ・・・鈴ちゃんが好きそうなのは・・・。」
おじいさんは何かを探しに店の奥に入っていった。
それと同時にお店のドアが開いた。
カランカラン・・・
鈴「あれ?直哉お兄ちゃん?」
入ってきたのは直哉お兄ちゃんだった。
直哉「鈴?何してんだ?」
鈴「買い物・・・?お兄ちゃんは?」
直哉「お前がここに出入りしてるって翔平から聞いたから見に来てみた。」
直哉お兄ちゃんはお店の中をぶらぶら見始めた。
店主「あぁ、いらっしゃい。」
直哉「こんにちは。いつも鈴がお世話になってます。」
ぺこっと頭を下げたお兄ちゃん。
店主「鈴ちゃん、これなんてどうだい?」
そういっておじいさんが出してきたのは・・・
『オルゴール』だ。
鈴「どうやってするの?」
店主「カバーにボンドで飾りをつけるだけだよ?」
鈴「簡単そうっ。」
店主「作るんならどの曲がいいか聞いてごらん?」
私はねじを回して色んな曲を聞いた。
♪~・・・
直哉「お、きれいな曲だな。」
鈴「クラシックだよ?私、この曲好きー。」
直哉「ふーん?じぃさん、これいくら?」
店主「3000円と、パーツ代かな?」
私は計算し始めた。
まぁ、計算なんかしなくても財布の中身が足りないことぐらいすぐわかるんだけど。
鈴「またお小遣い貯めてきていい?」
店主「いいよ、いつまでも待ってるから。」
鈴「ありがとうっ。あと、パーツ、見てきてもいい?」
店主「あぁ、いいよ?奥にあるから。」
私は席を立って、お店の奥に入っていった。
パーツが入ってる棚を見る。
鈴「うーん・・・あ、うさぎがあるっ。」
直哉「うさぎ、好きなのか?」
私にくっついて来たっぽい直哉お兄ちゃん。
鈴「恭吾お兄ちゃんがうさぎのぬいぐるみをくれたの。おっきいやつ。それがかわいくて、うさぎが大好きになったの。」
直哉「へぇー・・・。」
直哉お兄ちゃんと棚を見てると、カタカタとまわりで音が鳴り始めた。
鈴「?」
何の音か分からず、辺りを見回した時、グラ・・・と身体が傾いた。
鈴「!?」
直哉「地震だ!鈴、こっち!」
ぐぃっと腕を引っ張られ、私は直哉お兄ちゃんに抱きすくめられた。
鈴「---っ!」
ものの数秒で収まった地震。
直哉「収まった・・・か?」
鈴「お・・・お兄ちゃん・・。」
直哉「お?悪い悪い。」
急に抱きしめられたからか、胸がどきどきとうるさかった。
直哉「・・・鈴?」
鈴「な・・なんでもない・・。」
直哉お兄ちゃんはパーツが置いてある棚を、また見始めた。
手をすっ・・・と伸ばして、私の目の前にあったパーツを手に取った。
鈴(大きい・・・手・・。)
ゴツゴツしてる手を、私はじっと見た。
直哉お兄ちゃんを・・・あんまりまじまじと見たことが無かった私は、思わず見上げ、お兄ちゃんの顔を見た。
直哉「?・・・なんだ?」
鈴「・・・・・・。」
シャープな顔立ち。
切れ長な二重の目。
屈強な体・・・ではないけど、私を支えてる手はたくましい。
鈴「直哉お兄ちゃんって・・・かっこいいよね・・・。」
直哉「!?・・・どうした?急に・・・。」
鈴「えっ!私、口に出てた・・・!?」
直哉「そりゃもう・・・。」
お兄ちゃんを見上げたまま、自分の顔が熱くなっていくのが分かった。
鈴(今、絶対顔が赤い・・・!)
直哉「鈴?」
鈴「なんでもないっ。」
私は視線を落とし、おじいさんのところに戻った。
鈴「お金貯めて、また来ますっ。」
店主「う・・・うん。」
かばんを持って、私はお店を飛び出た。
直哉「あっ!走るなっ!」
鈴「走ってないっ!」
ダッシュで住宅街を走る私をものすごいスピードで追いかけてくる直哉お兄ちゃん。
直哉「待て!鈴っ!」
鈴「やだっ!」
運動不足な私が直哉お兄ちゃんを巻けるわけなく、あっという間に捕まってしまった。
ガシッ・・!
直哉「どうした?体調悪いのか?」
鈴「元気だから離してぇ・・・。」
直哉「離すから・・・走るなよ?わかったな?」
鈴「わかったからっ。」
直哉お兄ちゃんは私の様子を見るようにしながらそっと手を離してくれた。
鈴「ちゃんと歩くから・・・帰るね。」
歩き出そうとしたとき、私は直哉お兄ちゃんに後ろからまた、抱きすくめられた。
鈴「!?」
直哉「ちょっと熱だけ。」
そう言って手が伸びてきて私のおでこに手があてられた。
鈴「やっ・・・!」
その手を払いのけ、私はお兄ちゃんの腕から抜け出した。
あなたにおすすめの小説
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
月弥総合病院
僕君・御月様
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
【短編集】こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
橘若頭と怖がり姫
真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。
その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。
高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。
私が美女??美醜逆転世界に転移した私
鍋
恋愛
私の名前は如月美夕。
27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。
私は都内で独り暮らし。
風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。
転移した世界は美醜逆転??
こんな地味な丸顔が絶世の美女。
私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。
このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。
※ゆるゆるな設定です
※ご都合主義
※感想欄はほとんど公開してます。
妹の秘密チャンネルで俺の日常が世界に配信されていた件。隠れイケメンがバレて学園の美少女たちから求愛されています
葉山 乃愛
恋愛
私の自慢は、世界一かっこよくて、優しくて、完璧なお兄ちゃん。
でも、お兄ちゃんは自分の魅力にこれっぽっちも気づいていない。
分厚い伊達メガネにボサボサの髪。
「目立ちたくない」なんて言って、せっかくの国宝級の素顔を隠して生きている。
こんなの、世界の損失だ。
お兄ちゃんの素晴らしさを、全人類に分からせなきゃいけない。
そう決意した私、結奈(14歳)は、超人気YouTuberとしての特権をフル活用し、こっそり『お兄ちゃんねる』を開設した。
朝食を作る綺麗な指先。
勉強を教える時の優しい声。
ふとした瞬間に見せる、無自覚で色気たっぷりの微笑み。
「……尊い。お兄ちゃん、今日も最高に輝いてるよ」
隠し撮り配信を始めた結果、チャンネル登録者数は瞬く間に数百万人を突破。
お兄ちゃんはいつの間にか、日本中の女子たちが恋に落ちる『伝説の王子様』になっていた。
そんなこととは露知らず、翌朝、いつものように登校したお兄ちゃん。
そこで彼を待っていたのは、全校生徒による熱狂的な「お兄様」コールと、学園の美女たちによる全力の求愛バトルだった!?
「結奈……助けてくれ。なぜか知らない女子たちに婚姻届を突きつけられているんだが」
ごめんねお兄ちゃん。
でも、もう手遅れだよ。
世界に見つかってしまった「隠れイケメン」な兄と、兄を愛しすぎるブラコン妹が贈る、全方位から愛されまくりの学園ラブコメディ、開幕!
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。