異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?

すずなり。

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学校2。

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「!?」

「『アイビー』って言います。もうちょっと日が経ったら通いますのでよろしくお願いします。」

「えぇ!?」



私の驚きとは裏腹に、先生が優しい眼差しを私に向けながら迫ってくる。

腰を曲げ、目線を私に合わせるようにして顔を覗き込んできた。



「アイビー?」

「な・・なんでしょう・・か?」

「あなた、いくつ?」

「5歳・・です・・。」



じーっと私の顔を見た先生。

目だけを見て・・・にこっと笑った。



「ふふ、将来が楽しみね。会えるの楽しみにしてるわ。」

「?」



先生は私の頭を一撫でして、スタスタと歩き去って行った。

ジニアは私の手をぎゅっと握りにこっと笑ってる。



「・・・ジニア・・・とうさんに頼まれたんでしょ。」

「え?なんのこと?」

「とうさんに頼まれたから私を学校まで連れてきて先生に紹介した・・・そうでしょ?」



とうさんが笑顔で私を送り出したのは私を『学校に行く』と言わせるため。

通う学校を見れば考えが変わるかもしれないと思ってるみたいだ。



「でもほんとに通ったほうがいいと思うよ?」

「なんで?」

「勉強はできないよりできたほうがいいし、なにより社会勉強もできる。シャガさんが『通え』っていうなら・・・通った方がいい。」




その話はもっともなことだった。

勉強はもういいとしても、この世界の社会は知らないに等しい。

その社会勉強を・・・学校を通してしていくなら通う意味はある。



「・・・わかった。」

「!・・・よかった。それにシャガさんってこの町で一番の稼ぎ頭だからお金の心配はする必要ないよ。」



その言葉に私は驚いた。

前にシャガは『結構稼いでるから金の心配はするな』と言ってたけど・・まさか町一番だとは思ってなかった。



「とうさんって・・・すごいの?」



ジニアはにこっと笑い、私の手を引いて学校の中を歩き始めた。



「すごいなんて言葉じゃ終われないよ。・・・アイビーは熊退治ってどんな仕事だと思う?」

「うーん・・・町に出てきちゃった熊を見つけて・・・退治する?」

「うん。合ってる。・・じゃあ問題。」

「問題?」

「その熊退治は何人で行くでしょうか?」





私の手を引きながら問題を出したジニア。

学校にある教室や図書室を案内されながら私は考えた。




(確か・・・前の世界では何人かで退治してたよね。銃とか持って。)



前世の記憶を思い出しながら私は人数を決めた。



「・・・7人!」



そう答えるとジニアは空いてる手を口元にあて、くっくっと笑った。



「違うの?」

「ははっ。・・・うん、普通で20人かな?」

「に・・!?」

「でもね、アイビー?シャガさんはそれをで行くんだ。」

「・・・・え!?」

「20人がかりで退治する熊をたった一人で退治する。これだけでも十分すごいんだけど・・・」

「?・・まだあるの?」




ジニアは辺りを見回して人が近くにいないのを確認した。

そして私に顔を近づけ、小さな声で言った。



「・・・20人で分ける報奨金を一人でもらってるんだよ。」

「!?!?」

「アイビーにお金の話は難しいかもしれないけど・・・シャガさんはほんとにすごい人なんだよ。俺もシャガさんみたいになりたいなー。」



ジニアは学校の天井を見上げた。

空でも見えてるかのようにシャガへの憧れを募らせてるジニアの側で、私はお金の計算をしていた。



(待って・・・『結構稼いでる』っていってたけど『滅茶苦茶稼いでる』の間違いだったんじゃ・・・。)




家に帰ったらシャガに問いただすことを心に決めながら、私はジニアに学校内を案内されて歩いた。




「で、ここが教室。小窓から少し覗くだけだからね。おいで?」



ジニアは私をひょいと抱き上げ小窓から覗かせてくれた。



「わぁ・・・。」



窓から見えた教室内はみんなが椅子に座り、机で何かを書いていた。

一人一人机があるんじゃなくて、長い机に長い椅子があるようで、一人一人の間隔が均等ではなかった。

同じような服に身を包み、授業を真剣に聞いてるのか前を見たり教科書を見たりと忙しそうだ。



(どこも学校は似たような感じなんだなぁ・・・。)



そんなことを思いながら見てると、私は一つ気になることができた。

目線を教室内からジニアに向ける。



「ねぇ・・・男の人のほうが多いの?」



教室内にいたのは殆どが男の人。

私の目線上から見えた女の人は男の人の半分もいなかったのだ。



「このクラスは・・・何人かいるんじゃない?年が近い人たちが同じクラスになるから学年によっても変わるけど。」

「あ、そっか。」



前の世界でも学年によって男女差はあった。

この年は男の子が多くて、この年は女の子が多いとか。



(まぁ、そうだよね。きっちり均等になんて産まれないし。)


ジニアから視線を教室内に戻すと、ジニアがにこっと笑って言った。


「興味出た?」

「興味っていうか・・・お勉強ってどんなことするの?」



ジニアは私を床に下ろし、手をきゅっと繋いだ。

そのままゆっくりと外に向かって歩きながら答えてくれた。



「計算とか文字とかかな?あとは狩りの仕方とか・・・。」

「そうなんだ。」



この世界の文字は、なぜか『日本語』として読めることは知っていた。

そして私が日本語で書こうと思って書いた文字はこの世界の文字に変換されていくことも。



(読み書きや計算は問題ないと思うけど・・・他の教科が心配だなぁ。)




手を引かれて歩きながら、私は周りを見回した。

どんなことを習うのかが少し不安で、少しでもヒントになるものが無いか探していたのだ。



「・・・俺の教科書、貸してあげようか?」

「え?」

「シャガさんから『アイビーは賢い』って聞いてたから・・・どんな勉強するのか気になるんじゃない?」




シャガがジニアに何を言ったのかは分からなかったけど、私の考えがジニアに読まれてることは事実みたいだ。



「・・・ちょっとだけ借りてもいい?」



照れながらそう聞くと、ジニアは満面の笑みで返事をくれた。



「もちろんっ。明日持って行くから待ってて?」

「ありがとう。」





こうして私は学校見学を終えた。

帰り道はジニアが私にもわかるように説明しながら歩いてくれ、迷うことなく通えそうなことも判明した。




(そういえば町を歩いてても男の人のほうが多いような・・・?)




外で見かけた人は圧倒的に男の人のほうが多かった。

でも私がジニアと歩いてた時間は夕方だ。

晩御飯の支度をするために家に入ってる女の人が多いハズ。



(気のせいか。)



ジニアは家まで私を送ってくれ、すぐに帰っていった。

家ではシャガに学校のことを聞かれ、行く代わりにシャガの年収を聞き出した。

シャガの年収は・・・前の世界でいうとおよそ10億。

桁違いにお金を持ってることが判明し驚いたけど、シャガが気にしてなさそうなので気にしないようにすることにした。



(・・・私を育てるために仕事を減らしても全然平気なハズだよ。)



無駄に使うことを知らないのか、シャガの家は質素なものだった。

贅沢をせず、働き、必要なものだけを買う。

そんな生活からフツーの人だと思ってたのに、私のシャガを見る目が一気に変わりそうだ。



(・・・ジニアの言ってたこととシャガの年収は忘れよ。)



そんなことを思いながら私の初めての学校見学の日は終えた。

私に情報を与えてくれたジニアは翌日、約束通り教科書を全学年分持って来てくれた。

それを夜、シャガと机に並べて片っ端から見ていく。




「アイビー、この問題分かるか?」




シャガは計算問題の1ページ目を開いて私に見せてきた。

問題は・・・・




『1800の約数全体の和を求めよ。』





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