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下山。
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その声に顔を戸に向けると、そこにはシャガがいた。
焦った顔をしながら私を見て、一気にほっとした顔に変わった。
「よかった・・・無事で・・・。」
「とうさん・・・。」
シャガは山小屋の中に入ってきて私の手に縛られた縄を解き始めた。
ぎゅっと結ばれていた縄はあっという間に解かれ、私の手は自由になった。
「服は?どっかにあるのか?」
「ううん、破られたから・・・。」
ジニアに脱がされた服もあったけど、破られたものもあった。
残骸が部屋の隅に置いてあるけどとてもじゃないけど着れるような状態じゃない。
「なら俺のを着とけ。」
そう言ってシャガは自分の服を脱いで私に手渡してくれた。
それを受け取って頭からかぶる。
シャガがちょうどいい丈の服は私にとってはミニのワンピース状態だ。
「よし、行くぞ。」
そう言って私に背中を見せて屈んだシャガ。
私はその背中に乗り、おんぶしてもらった。
「ねぇ・・・・」
聞きたいことがいろいろあって、シャガに問おうとした。
シャガは私が聞きたいことが分かるかのように答え始める。
「家に帰ったらアイビーがいなかった。畑にタオルが落ちてたから・・・何かあったと思って探した。」
「・・・うん。」
「町にいなかったから・・・きっと山だと思って入ったんだ。」
シャガは一人で山に入ったのにライムが追いかけてきたらしい。
その時に私が落とした薬をライムが見つけて・・・川までは追跡できたらしい。
「川から先がわからなくて・・・ライムを町に戻した。」
「なんで?」
「『アイビーはいない』って伝えるために。」
私の痕跡を見つけれなかったことを伝えれば、私を攫った犯人は安心する。
安心して監禁場所に戻ってもらうためにライムに頼んだらしい。
自警団に私はいなかったと伝えろと・・・。
「それでジニアを・・・見つけたの?」
「・・・あぁ。」
最後に薬を見つけたところでシャガは潜んでいたらしい。
大きな枝をかき集めて、岩の陰に潜んで人が通るのを待っていた。
朝早くから待っていたけど、誰も通らないまま時間は過ぎていった。
でもシャガは獣を狩るときに何時間も潜むことがあるらしく、それは苦じゃなかった。
動かずずっと待っていて・・・
昼を回って姿を現したのはジニアだった。
「あいつは前もアイビーのことを追い詰めた。だから疑ってた。」
「・・・。」
「気づかれないように距離を取ってきたんだけどな・・・。あの山小屋に近づいたときに気づいたみたいだな。」
シャガはあの山小屋にジニアがいないことを分かってたようだった。
「・・・ねぇ、ジニアって・・・」
「・・・もう顔は出さないんじゃないか?顔を出した時点でどんな目に合うかわかってるだろうしな。」
「・・・。」
「俺はお前さえ無事ならそれでいい。・・・されてないか?」
シャガは言葉を濁すようにして私に聞いた。
服を着ずに縄で縛られていたことで、ジニアに犯されたんじゃないかと思ってるみたいだ。
「・・・大丈夫だよ。」
「手・・すごいことになってるぞ。それでも大丈夫なのか?」
縄で擦り切れた手を、シャガがそっと触った。
興奮状態にあるのか、手の痛みはそれほどない。
むしろシャガの背中が心地よく、安心できて気持ちがよかった。
「うん。大丈夫。・・・ありがとう。」
「・・・ん。」
シャガにおぶられながら山を下って行くと、自警団たちが私たちを見つけて駆け寄ってきた。
私の身は自警団たちに引き渡され、担架のようなものに乗せられた。
落ちないように紐で固定され、運ばれていく。
「アイビー!!」
「セダム・・・。」
運ばれていく私の隣にセダムが駆け寄ってきてくれた。
隣を一緒に歩いてくれる。
「ごめんね・・・迷惑かけて・・・。」
そういうとセダムは首を横に振った。
「お前が悪いんじゃないだろ?」
「・・・。」
「ジニアは?」
セダムの言葉に私は目線を反らした。
「・・・知ってたの?ジニアだってこと・・。」
「最初はジニアも一緒にアイビーを探してたんだ。」
ジニアはセダムと一緒に行動をしていたらしい。
私を探すフリをしながら私が見つからないようにしてたんだろう。
でもライムが自警団と合流して『いない』と伝えたことで別行動を提案してきたらしい。
ライムが下山した後、ジニアとは別行動することになったけど、ライムが戻ってきた。
そこでライムはシャガと見つけた薬のことや、シャガが張ってることをセダムに伝えた。
「ジニアは・・・前もアイビーをケガさせたからな・・・。怪しむのは当然だ。」
「そっか・・・。」
セダムは私の頭をそっと撫でた。
「ごめんな。もう大丈夫だから・・・。」
「うん・・・。」
私は自警団とセダムとシャガと一緒に山を下りた。
町に戻り、ライムにも声をかけてもらい・・・一旦家に戻った。
ライムが呼んでいてくれたのか、病院の先生まできてくれて手当てを受けた。
手のケガは酷いものの、他は何ともない。
1日半くらいの監禁で済んだことが幸いだったようだ。
「アイビー、話がある。」
シャガが真剣な顔で私に言った。
病院の先生は帰っていき、シャガが私の隣に座る。
用意された布団の上で座ってる私の隣に・・・座る。
「記憶は忘れたフリをしてたな?」
「・・・。」
「ニゲラも俺も知ってることは分かってるんだろ?」
「・・・。」
「なぜだ?なぜ忘れたフリなんかした?」
私はシャガに話した。
山から落ちて意識を取り戻したときに思い付いた計画を。
自分さえちゃんとできれば・・・なんの問題も起こらないと思ったことを。
今となってはなんの意味もないものだけど。
「そんなこと考えてたのか?」
「・・・うん。私がちゃんとみんなと結婚したらいいと思った。でも・・・とうさんは私に前世の記憶があることをみんなに話したっていってたから・・・記憶を失くすのが一番早いと思った。」
シャガは手で頭を押さえた。
考えごとでもしてるようで天を見てる。
「お前の気持ちが一番大事なのに抑え込んでどうするんだよ・・・。」
「・・・。」
焦った顔をしながら私を見て、一気にほっとした顔に変わった。
「よかった・・・無事で・・・。」
「とうさん・・・。」
シャガは山小屋の中に入ってきて私の手に縛られた縄を解き始めた。
ぎゅっと結ばれていた縄はあっという間に解かれ、私の手は自由になった。
「服は?どっかにあるのか?」
「ううん、破られたから・・・。」
ジニアに脱がされた服もあったけど、破られたものもあった。
残骸が部屋の隅に置いてあるけどとてもじゃないけど着れるような状態じゃない。
「なら俺のを着とけ。」
そう言ってシャガは自分の服を脱いで私に手渡してくれた。
それを受け取って頭からかぶる。
シャガがちょうどいい丈の服は私にとってはミニのワンピース状態だ。
「よし、行くぞ。」
そう言って私に背中を見せて屈んだシャガ。
私はその背中に乗り、おんぶしてもらった。
「ねぇ・・・・」
聞きたいことがいろいろあって、シャガに問おうとした。
シャガは私が聞きたいことが分かるかのように答え始める。
「家に帰ったらアイビーがいなかった。畑にタオルが落ちてたから・・・何かあったと思って探した。」
「・・・うん。」
「町にいなかったから・・・きっと山だと思って入ったんだ。」
シャガは一人で山に入ったのにライムが追いかけてきたらしい。
その時に私が落とした薬をライムが見つけて・・・川までは追跡できたらしい。
「川から先がわからなくて・・・ライムを町に戻した。」
「なんで?」
「『アイビーはいない』って伝えるために。」
私の痕跡を見つけれなかったことを伝えれば、私を攫った犯人は安心する。
安心して監禁場所に戻ってもらうためにライムに頼んだらしい。
自警団に私はいなかったと伝えろと・・・。
「それでジニアを・・・見つけたの?」
「・・・あぁ。」
最後に薬を見つけたところでシャガは潜んでいたらしい。
大きな枝をかき集めて、岩の陰に潜んで人が通るのを待っていた。
朝早くから待っていたけど、誰も通らないまま時間は過ぎていった。
でもシャガは獣を狩るときに何時間も潜むことがあるらしく、それは苦じゃなかった。
動かずずっと待っていて・・・
昼を回って姿を現したのはジニアだった。
「あいつは前もアイビーのことを追い詰めた。だから疑ってた。」
「・・・。」
「気づかれないように距離を取ってきたんだけどな・・・。あの山小屋に近づいたときに気づいたみたいだな。」
シャガはあの山小屋にジニアがいないことを分かってたようだった。
「・・・ねぇ、ジニアって・・・」
「・・・もう顔は出さないんじゃないか?顔を出した時点でどんな目に合うかわかってるだろうしな。」
「・・・。」
「俺はお前さえ無事ならそれでいい。・・・されてないか?」
シャガは言葉を濁すようにして私に聞いた。
服を着ずに縄で縛られていたことで、ジニアに犯されたんじゃないかと思ってるみたいだ。
「・・・大丈夫だよ。」
「手・・すごいことになってるぞ。それでも大丈夫なのか?」
縄で擦り切れた手を、シャガがそっと触った。
興奮状態にあるのか、手の痛みはそれほどない。
むしろシャガの背中が心地よく、安心できて気持ちがよかった。
「うん。大丈夫。・・・ありがとう。」
「・・・ん。」
シャガにおぶられながら山を下って行くと、自警団たちが私たちを見つけて駆け寄ってきた。
私の身は自警団たちに引き渡され、担架のようなものに乗せられた。
落ちないように紐で固定され、運ばれていく。
「アイビー!!」
「セダム・・・。」
運ばれていく私の隣にセダムが駆け寄ってきてくれた。
隣を一緒に歩いてくれる。
「ごめんね・・・迷惑かけて・・・。」
そういうとセダムは首を横に振った。
「お前が悪いんじゃないだろ?」
「・・・。」
「ジニアは?」
セダムの言葉に私は目線を反らした。
「・・・知ってたの?ジニアだってこと・・。」
「最初はジニアも一緒にアイビーを探してたんだ。」
ジニアはセダムと一緒に行動をしていたらしい。
私を探すフリをしながら私が見つからないようにしてたんだろう。
でもライムが自警団と合流して『いない』と伝えたことで別行動を提案してきたらしい。
ライムが下山した後、ジニアとは別行動することになったけど、ライムが戻ってきた。
そこでライムはシャガと見つけた薬のことや、シャガが張ってることをセダムに伝えた。
「ジニアは・・・前もアイビーをケガさせたからな・・・。怪しむのは当然だ。」
「そっか・・・。」
セダムは私の頭をそっと撫でた。
「ごめんな。もう大丈夫だから・・・。」
「うん・・・。」
私は自警団とセダムとシャガと一緒に山を下りた。
町に戻り、ライムにも声をかけてもらい・・・一旦家に戻った。
ライムが呼んでいてくれたのか、病院の先生まできてくれて手当てを受けた。
手のケガは酷いものの、他は何ともない。
1日半くらいの監禁で済んだことが幸いだったようだ。
「アイビー、話がある。」
シャガが真剣な顔で私に言った。
病院の先生は帰っていき、シャガが私の隣に座る。
用意された布団の上で座ってる私の隣に・・・座る。
「記憶は忘れたフリをしてたな?」
「・・・。」
「ニゲラも俺も知ってることは分かってるんだろ?」
「・・・。」
「なぜだ?なぜ忘れたフリなんかした?」
私はシャガに話した。
山から落ちて意識を取り戻したときに思い付いた計画を。
自分さえちゃんとできれば・・・なんの問題も起こらないと思ったことを。
今となってはなんの意味もないものだけど。
「そんなこと考えてたのか?」
「・・・うん。私がちゃんとみんなと結婚したらいいと思った。でも・・・とうさんは私に前世の記憶があることをみんなに話したっていってたから・・・記憶を失くすのが一番早いと思った。」
シャガは手で頭を押さえた。
考えごとでもしてるようで天を見てる。
「お前の気持ちが一番大事なのに抑え込んでどうするんだよ・・・。」
「・・・。」
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