溺愛彼氏は消防士!?

すずなり。

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まさか。

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ーーーーー






病院に着いた雪華はストレッチャーに乗せられて処置室に運ばれていった。




看護師「ご家族の方はこちらでお待ちください!」

雄大「お願いします・・・!」





そう言われ、俺は廊下で待った。

椅子はあったものの、座る気になんてなれない俺は立ったままだ。

右に左に行ったり来たりを繰り返しながら、処置室のドアを見つめる。




雄大「病気とかじゃないよな?・・・ないよな!?」



どきどきと心臓が嫌な音を立てる。

1分が・・・何時間にも感じる時間の流れの中で、処置室のドアが開いた。

時計を見ると・・・20分ほどしか経ってない。




医師「橋本 雪華さんのご家族の方はー?」



医師の言葉に俺は詰め寄りながら返事をする。



雄大「はいっ!ここにいます!」

医師「あ・・あぁ、こちらにどうぞ。」



俺は医師について行き、個室に入った。

それほど大きくない部屋は、長椅子が一つと、椅子が四脚・・・あとレントゲンを見るためのライト付きのボードがある。



医師「お座りください。」

雄大「はい。」



俺は医師と対面の形で座った。

座ったと同時に・・・医師は俺に1枚の紙を見せて来た。



雄大「?・・・これは・・?」

医師「エコー写真です。」

雄大「・・・エコー?」



その写真は黒地に・・・ところどころ薄いところがあった。

扇形に見えるところがあって・・掠れたように写ってる。


医師は胸元のポケットからボールペンを取り出して、写真を指した。



医師「ここに丸いのがあるのが分かりますか?」



そう言って医師が指した先には、確かに丸いものがあった。



雄大「はい。」

医師「赤ちゃんです。」





医師の言葉を・・・俺は理解できなかった。



雄大「・・・はい?」

医師「妊娠されてます。気分が悪くなったので倒れられたようですね。つわりが酷いタイプでしょう。」

雄大「え?・・え?・・妊娠?」




医師の言葉について行けない俺は、理解も追いつかない。




医師「はい、現在妊娠・・・2カ月。出産予定日は・・・来年ですね。」

雄大「妊娠・・・・」

医師「大事な時期です。無理はさせないようにしてあげてくださいね。目が覚めたら帰ってもらって大丈夫ですから。では。」



医師はエコー写真を置いて個室から出て行った。

入れ替わりに看護師が入ってくる。



看護師「奥様、病室に入られたのでご案内しますねー。」

雄大「あ・・・お願いします・・・。」



俺は医師が置いて行ったエコー写真を持って看護師のあとをついて行った。






ーーーーー






看護師「こちらです。目が覚めましたら一度、ナースコールをお願いします。」

雄大「わかりました。ありがとうございます・・・。」




病室には目を閉じて眠ってる雪華の姿があった。

俺はベッド脇の椅子に座って雪華を見つめ・・・エコー写真を見た。



雄大(妊娠・・・・。)




まだ・・・俺たちは籍を入れてなかった。

去年再会した時にすぐに籍をいれたかったけど、俺が転勤してきたところだったからバタバタしてしまって入れれてない。

雪華も毎日喫茶店の仕事があって・・・式をどうするかとか・・なかなか話を詰めれなかったのだ。




雄大(さっさと入れないと・・・。)




そんなことを考えてる時、雪華の目が覚めた。



雪華「ん・・・・」

雄大「あ、起きた?もう大丈夫?」



目が覚めた雪華は、じーっと天井を見ながら瞬きを繰り返している。



雪華「ここ・・・病院・・・?」

雄大「うん。署と喫茶店の間くらいのとこでしゃがみ込んでた。」




そう言うと、雪華の目が見開いていった。



雪華「・・・赤ちゃんは!?」



咄嗟に自分のお腹を押さえた雪華。

俺は雪華の言葉に・・・驚いた。



雄大「・・・雪華・・知ってたのか?妊娠してること・・。」

雪華「え・・・?雄大さん、なんで知ってるの?」

雄大「さっき・・・医者から聞いた・・・。」

雪華「あ・・・・そうなんだ。今日伝えようと思ってて・・・・あ!赤ちゃんは!?」

雄大「無事だよ。なんともない。」




そう言うと雪華はほっとしたようなため息を漏らした。



雪華「はー・・・よかった・・・。」

雄大「起きたら帰っていいって言われてるから・・・とりあえずナースコール押すよ。」




そう言って枕元にあったナースコールを押した。

ほどなくして看護師さんが病室に来て退院の手続きを取ってくれた。

病院を後にする。




雄大「署員が車持って来てくれてるから・・・送ってく。」

雪華「ありがと。」




俺は助手席のドアを開けて雪華を車に乗せた。

エンジンをかけて・・・車を走り出させる。




雄大「ちょっと寄り道してもいい?」

雪華「?・・・うん、大丈夫。」




俺は署に向かって車を走らせた。

病院を出ていくつかの道を曲がると・・・1本道にでる。

その道をずっと走ると・・・雪華の喫茶店が遠くに見えた。


その喫茶店のちょっと手前にある空き地で・・・車を止めた。




雪華「?」

雄大「ちょっと下りれる?」

雪華「う・・うん。」

雄大「足元暗いから気をつけて。」




雪華を助手席から下ろして、俺たちは空き地の前に立った。

だだっ広い空き地は街灯に照らされて、面積の一部がよく見える。

雑草に覆われていて・・・荒地とはいわないけどそれに近いものだった。




雪華「・・・ここがどうかした?」



雪華は疑問に思って、俺を覗き込むようにして聞いてきた。



雄大「・・・この土地を買おうかと思っててさ。」




雪華との暮らしを始めるために調べていた『土地』。

仕事の合間に色々見ていて・・・ここが一番金額的にも・・・広さも・・・場所もよさそうだった。





雪華「え?」

雄大「なんか・・・順番がぐちゃぐちゃだな・・・。」

雪華「?」




俺は土地の端から端までをゆっくり見渡した。




雄大「ここに・・・家を建てて・・・赤ちゃんを迎えない?」

雪華「---っ!!」





雪華の身体を抱きしめて・・・・ぎゅっと抱きしめて言った。




雄大「俺と結婚して・・・今、雪華のお腹にいる赤ちゃんを産んでください。俺・・・俺の一生をかけて雪華と子供を守るから・・・。」




結婚することはもう、二人の間で決まっていた。

法的な手続きを取ってなかっただけだ。

2年ほど前に・・・一度仮のプロポーズをしていたけど・・・今回が正式なプロポーズ。

返事はわかりきってるけど・・・言わなきゃ男じゃない。




雪華「ふふ・・・これからもよろしくお願いします。」




涙をぽろっとこぼした雪華。

『母』になるからかその涙もきれいで・・・『なにがあっても守る』と、もう一度心の中で誓った。





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