「女友達と旅行に行っただけで別れると言われた」僕が何したの?理由がわからない弟が泣きながら相談してきた。

佐藤 美奈

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第14話 旅行に行った女性達は幸福な人生を送る

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「今日もハリーの匂いたまらないよ。スーハー、スーハー」
「クンクン、ああ臭い。でも好き」

ムワッとする特異な匂いを何度か嗅いでしまっているうちにとりこになっていた。ハリーと旅行に行った女性たちは5人で、貴族の令嬢に大金持ちの商人の娘に人気の踊り子に、赤毛の冒険者と修道院に寝泊まりしている見習いシスターと幅広い。

ハリーはいわゆる腋臭わきがを持っていた。一般的な感覚の人なら恋人からかすかな体臭が鼻をくすぐったら、死ぬほど愛している相手でも歪むような苦しげな表情を浮かべている。

「ハリーほらしっかりワキを見せてみなさい」
「ちょっと汗かいてるみたいだね」
「甘酸っぱくて汗臭い。いい匂いね」

ハリー含めて6人で旅行に行った宿の部屋。彼女たちはハリーの事を深く心酔しているのだから体臭も気にならない。むしろになっていた。ハリーが婚約者のフローラと結婚しても永遠の愛を生きる覚悟で、その証拠にハリーはそれぞれの女性に結婚指輪を渡していつも左手の薬指にはめている。

おまけに彼女たちにウェディングドレスを着せて、ハリーもタキシード姿で共に写真を撮った。ハリーと旅行に行った5人の女性たちは強い絆で結ばれていた。恋人たちが子供が欲しいと言えば、喜んで作りお金の面では苦労させないと話した。

フローラと結婚するので彼女たちとは結婚はできないが、その他の事は自分が責任感を持って面倒を見ると言う。これは女性の幸せとして考えて素晴らしい事ではないか?ハリーは次期侯爵家の当主で金品や財産を多く有している。

「じっとり湿って程よく温かい……ハリーの匂いはおいしい。スンスン」
「ああ~いい匂い。クンクン」

実はハリーの恋人の三人は貧しい暮らしの中で生きてきた。踊り子と冒険者の女性と修道女は、小さい頃は吹けば飛ぶような生活して五日に一度しか食事をとれなかった。

四六時中ずっとお腹いっぱい食べる事ばかり考えていた。いつも心の中は絶望的な感情が渦巻いて、もう殺して!って思うくらい苦しい困難な状況に置かれ悲しい思いをした。

彼女たちは苦労しながら大きくなってようやく人並みの生活を手に入れた。そして今は次期侯爵家の当主が決まっているハリーの恋人にまで成り上がるというを遂げた。

「こんなに臭いワキはそうそういないよね?」
「あ~~この臭さ。ハリーたまらないわ~~!」

彼女たちは人生の勝利条件を達成した。愛人という立場ではあるがお金に苦労せずに子供も産めて自由だし、普通に結婚する人より何倍も幸せだ。

平均並みの給料しかなければ自分がやりたいことも満足に出来ない。いつもお金で苦労して夫婦喧嘩をして頭を悩ませることもなく、とても幸福に満たされた笑顔で心の弾む日々を過ごせるだろう。
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