突然両親からお見合いして結婚しろと言われた令嬢は全力で拒否して、学園でイケメンに囲まれる青春生活を送る成功者に

第1話

「お母様お見合いってどういうことですか！」

子爵家四女のエラ令嬢13歳はいきなり母のフレイヤ夫人からお見合いをしろと命令されました。

しかもお見合いの相手は55歳の伯爵家の当主です。写真を拝見しましたが頭も薄く太っていて顔の作りも正直かなり悪くおまけに離婚歴が5回もあるひどい相手に頭がくらくらする。

「お母様！私はこれから学園に入学するのではないのですか？」
「お黙りなさい！あなたは四女なんですよ。学園に入るにはお金もかかるのです。家が貧乏なのは知っているでしょう？なので学園に入学できるのはうちの場合は次女までと決めました」
「そんなのあんまりです！お父様は了承しているのですか？」
「なんだ？騒々しいぞ！」

エラ令嬢とフレイヤ夫人が言い争いをしていると父のヘンリー子爵家当主が姿を見せました。目覚めも良くて爽やかな気分の朝だったのに妻と娘の騒ぐ声が嵐のように聞こえて衝動的に叱責する。

「お父様！たった今お母様からお見合いしろと言われたのですがどういうことですか？」

ヘンリーはばつの悪そうな顔で口を開く。

「エラにはすまないと思っているが仕方ないんだ…お見合いをして出来ればその相手と結婚してほしい。それにルイス伯爵は見た目は悪いかもしれないけどお金持ちで優しくて落ち着いた人柄で性格がとても良いと貴族の間では有名なんだよ」
「それならどうして離婚歴が5回もあるんですか！信用できません！」
「そ、それは…」

離婚歴が5回というのを知れば間違いなくルイス伯爵に問題があるのが誰もが納得できる。エラ令嬢はこんな人とは絶対に結婚したくなかった。

父ヘンリーも切り返す言葉が見つからずにあわただしく困惑した気持ちになるが少しの沈黙の後に語り始める。

「家にお金が無いのは本当なんだよエラ。それなら入学して学園に通いながら働くかい？」
「あなたは何を言ってるの！昨日話し合って三女のシエナと四女のエラはお見合いさせて結婚させると決めたじゃないですか！」

不意打ちのように怒鳴り声を上げて目の色を変えるフレイヤ夫人に父ヘンリーは恐怖で顔が青ざめて足がすくんでしまう。