永遠に愛を誓った恋人で婚約者に差別され冷たい目で見られる令嬢の悲しみと絶望〜聖女と浮気の王太子殿下は女王に断絶され国外追放の罰！

第4話

デートの時はお互いに甘えるように呼び合いアダム殿下は信じられないことを言っていた。

「エレナは間抜けで騙すのは簡単だ。公爵家の財産も自分のものにできる」
「その時は私と結婚してくれるんでしょ？」
「うん、レベッカと一緒になろう」

今度はいつデートをしようかと話をしていたそうです。

エレナ令嬢は頭は真っ白になり目の前が真っ暗になりました。婚約破棄と復讐を決意していても心が乱れ一度涙がこぼれてしまうと後は止まらなかった。

泣いたら憎悪が湧き上げってくるのを抑えることができない。深い憎しみが美少女の身体を覆っている。

二人を調査して情報収集するとレベッカ令嬢もアダム殿下の中では都合のいい遊び相手のようで本命の相手がいました。

その相手はエレナ令嬢が姉のように慕っている母親ローズ夫人の妹のエミリア夫人でした。

エミリア夫人は伯爵夫人で当主はウィリアム伯爵です。

まさか信じられませんでした。誰よりも信頼していた身内のエミリア夫人がアダム殿下と関係を持っていたなんて。

エミリア夫人はいかにも優しそうな人柄で、いつも笑顔で胸の中にあたたかい灯りがともったような思いやりがある心持ちの人です。

いつも変わらず遠くから親のような豊かな気持ちで見守って甘えさせてくれる少し年上のお姉さん。少なくともエレナ令嬢はそんな印象です。

エミリア夫人は子供が二人いて7歳の男の子マックスに5歳の女の子ルナです。

今分かっているのはアダム殿下はレベッカと浮気していて、エミリア夫人と不倫をしているということ。

レベッカは教会で聖女の仕事もしています。それで偶然ですがエミリア夫人も元聖女なのです。以前に直接叔母に聞いたことがあります。

そんな訳で二人は繋がりがあるのかもしれません。ふしだらな者同士で結びつきがあることは間違いないでしょう。

片方は恋人を裏切りもう片方は旦那を裏切るという禁断の恋をしてる呆れた聖女です。

それでよく神の言葉を伝える代弁者とか言われているのですからね。エレナ令嬢はたまらない憂鬱が心に迫ってくる。