「犯人は追放!」無実の彼女は国に絶対に必要な能力者で“価値の高い女性”だった

佐藤 美奈

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第48話

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かつての婚約者である失神していたフレッドが目を覚ましたらしく、セリーヌのところにやって来た。これでやっと安心して移動できる。この場を離れることにセリーヌは寂しさはありませんでした。国は崩壊してしまって生まれ育った土地をなつかしむ気持ちはなかったのだ。

移動魔法を発動しようとしていた時だった。フレッドが意外な言葉を投げかけてきてセリーヌは絶句するような気分になる。

「フレッドが行くなら、俺も一緒にいいかな?」

幼馴染のアランでした。フレッドが行くなら自分も同行したいと言ってきた。彼らは何を考えているのか? セリーヌは顔に困惑に似た表情が浮かべた。

「あの、どのようなで私についてくるのですか?」

セリーヌは疑問が頭をかけめぐる。彼らがどうして自分に同行したいのか見当がつかなかった。この後のセリーヌの予定は、所在がつかめない家族の行方を捜しに避難しているであろう領地に行く。

家族の無事が確認できれば、現在幸せに暮らしている遠く離れた異国の地に戻り、セリーヌが経営する『精霊のレストラン』の手伝いをしたいと思っていました。

とりわけセリーヌがいなくても、頼りになり信頼できる従業員たちが店を切り盛りしているので、経営者の彼女が仕事を行う必要はないのだが趣味みたいなものでウエイトレスをしていた。

「セリーヌの事が、心配だからに決まってるだろう?」
「フレッドと同じ気持ちだ。セリーヌもっと俺たちを頼ってくれ!」

フレッドは思いやる気持ちを見せた。続いてアランも熱のこもった言い方でセリーヌを心配する。彼らは本気で心配そうな顔をして胸を痛めている。自分たちがセリーヌのことを守らなければならないという気持ちだった。

「私は大丈夫ですよ。それより国の立て直しに集中してください」

セリーヌは竜に様々な能力を与えられているので、どんな魔法でも自在に使いこなすことができる。二人が考えているよりも彼女は遥かに強い。

フレッドとアランの助けは必要ないし、かえってになると思っていた。でも彼らを傷つけないようにはっきり言いませんでした。

「水臭いじゃないか。私たちは元婚約者じゃないか?」
「セリーヌ、そんな寂しいことは言うなよ」

崩壊した国を元に戻すのに力を入れてほしいと返したセリーヌに、二人は遠慮することなんかないと顔に深い悲しみが満ち溢れる。セリーヌが他人行儀な受け答えをしていると言い切ない感情を覚え、両目に涙を浮かべ積極的に協力を申し出てくれた。

正直にいってセリーヌは、ありがた迷惑な気分で困ったように愛想笑いをしていた。
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