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第58話
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「それならアランはギャルソンしてみる?」
セリーヌはアランに別の仕事を提案した。レストランで接客業務を担当するウェイターだ。食材の下ごしらえの調理係はアランには向いてないと感じる。国を防衛するために肉体を鍛えあげて、剣を振るう戦いに明け暮れた生活を送っていた騎士のアランには料理番は務まらないのかもしれない。
騎士の中には料理を作ることが好きな人もいると思うけど、アランは間違いなく食べること専門だ。少し考えていたセリーヌは何か案を思いついてウェイターをすすめた。
「ギャルソン……?なんだそれは?」
「お客様からオーダーを受けて料理を運ぶ仕事で、お客様が入店する時の対応したりもね」
「ああ給仕のことか、俺はそっちがいいな。芋の皮むきなんかやってられるか!」
聞き覚えがなかった言葉だったらしく、アランは眉を寄せて不思議そうな顔で尋ねた。セリーヌが仕事内容を説明するとアランは何もかもをはっきりと理解する。すぐに納得した感じで接客に加わりたいと言う。
料理の出来を左右する仕込みは大切な作業だが、アランは芋の皮むきには強い不満を持っていたようで乱暴な口調で言った。
「アランできるの?」
「まったく問題ない!俺は接客が大得意だからな!」
アランは気軽な調子で言ってそんなことは余裕だという態度だが、セリーヌは質問の答えを聞いた瞬間に不安そうな顔をした。アランは意にも介さない様子で頼もしく言うが、セリーヌには根拠のない自信に思えてなりません。
「なんでそんなに自信があるの?」
アランは接客が得意だと言って目をキラキラさせて自慢げに笑っている。セリーヌは爪の垢ほども信じていないので、疑り深い目でアランを見続けて疑問を投げかけた。
客への対応やそもそも接客マナーの基本は大丈夫なのかという思いがある。仕事がちゃんとできなくて客とトラブルを起こす店員は意外と多い。
(アランのせいで店が潰れてしまう)
行列が出来るほどの大繁盛となった精霊のレストランだが、店員の態度に不愉快な思いをした客があそこの店には問題を起こす頭のおかしい店員がいると言って噂が広まれば、徐々に客足が遠のいて閉店に追い込まれることになる。
セリーヌは経営者なので色々なことを敏感に感じ取って、素早く対応することが非常に重要なことだと考えている。だからアランの軽はずみな言動はセリーヌには聞き捨てならない言葉だった。
※※※
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セリーヌはアランに別の仕事を提案した。レストランで接客業務を担当するウェイターだ。食材の下ごしらえの調理係はアランには向いてないと感じる。国を防衛するために肉体を鍛えあげて、剣を振るう戦いに明け暮れた生活を送っていた騎士のアランには料理番は務まらないのかもしれない。
騎士の中には料理を作ることが好きな人もいると思うけど、アランは間違いなく食べること専門だ。少し考えていたセリーヌは何か案を思いついてウェイターをすすめた。
「ギャルソン……?なんだそれは?」
「お客様からオーダーを受けて料理を運ぶ仕事で、お客様が入店する時の対応したりもね」
「ああ給仕のことか、俺はそっちがいいな。芋の皮むきなんかやってられるか!」
聞き覚えがなかった言葉だったらしく、アランは眉を寄せて不思議そうな顔で尋ねた。セリーヌが仕事内容を説明するとアランは何もかもをはっきりと理解する。すぐに納得した感じで接客に加わりたいと言う。
料理の出来を左右する仕込みは大切な作業だが、アランは芋の皮むきには強い不満を持っていたようで乱暴な口調で言った。
「アランできるの?」
「まったく問題ない!俺は接客が大得意だからな!」
アランは気軽な調子で言ってそんなことは余裕だという態度だが、セリーヌは質問の答えを聞いた瞬間に不安そうな顔をした。アランは意にも介さない様子で頼もしく言うが、セリーヌには根拠のない自信に思えてなりません。
「なんでそんなに自信があるの?」
アランは接客が得意だと言って目をキラキラさせて自慢げに笑っている。セリーヌは爪の垢ほども信じていないので、疑り深い目でアランを見続けて疑問を投げかけた。
客への対応やそもそも接客マナーの基本は大丈夫なのかという思いがある。仕事がちゃんとできなくて客とトラブルを起こす店員は意外と多い。
(アランのせいで店が潰れてしまう)
行列が出来るほどの大繁盛となった精霊のレストランだが、店員の態度に不愉快な思いをした客があそこの店には問題を起こす頭のおかしい店員がいると言って噂が広まれば、徐々に客足が遠のいて閉店に追い込まれることになる。
セリーヌは経営者なので色々なことを敏感に感じ取って、素早く対応することが非常に重要なことだと考えている。だからアランの軽はずみな言動はセリーヌには聞き捨てならない言葉だった。
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