浮気した婚約者を振ったが彼が毎日私に復縁を迫り愛の告白をしてくる〜人妻と不倫して妊娠がわかり彼を捨てた〜彼は結婚して借金地獄で人妻を虐待する

第11話

妻の両親は興奮度が爆発するように高まる。

「チャーリーさん！　あなたは黙っててください！」
「娘は私達にあんな酷いことを言ったんだぞ！　チャーリー君には男としてプライドはないのか！」
「でも今はお互いに冷静になって……」
「フローレンス！　早く出て行きなさい！」
「そうだ出て行け！　お前とは絶縁したと言っただろう！」
「ここは夫の家だから関係ない！　私に出て行けと言うならあなた達が帰ればいいでしょ！」

しかし妻も言い返す。ここでまた出て行けば結局男の元に戻ってしまい虐待の繰り返しなのだから必死なのだろう。

「何ですかその言葉は！　親に向かって言う言葉ですか！」
「そうだぞ！　母さんに謝れ！」
「もう私のことなんて縁を切って娘じゃないのに何言ってるの？　もう頭がボケてるの？」
「馬鹿娘が！　わしも母さんもまだボケとらんわ！」
「あなた少し見ない間に親に生意気なことを言うようになりましたね」
「都合のいい時だけ親とか言わないで！」

妻は叫んで両親に背水の陣の覚悟で立ち向かう。

「フローレンス！」
「あなた何？」
「どうして男に暴力を振るわれた時に直ぐに逃げなかったんだ？」
「それは…私の罪の意識から……」
「罰？　どういうことだ？」
「あなたや家族を捨ててあんな男を選択した私の罪悪感で彼の暴力を受け入れていました……」

でもやはりそんな生活に耐えられなくて男が寝ている隙に妻は逃げ出してしまう。

私の家の前に戻って来てからは、家の中に入る勇気もなく何時間も外で待っていたみたいです。そして私の顔を見た瞬間には自分はこれで助かったと肩の力が抜けたと話した。

その後は妻も妻の両親も口喧嘩に疲れたのか落ち着いた態度になって横になって休んでいた。

私は妻を苦しめ虐待して妻の体を思うがままにしていた男に復讐したい気持ちがあったが、騒動にでもなれば世間に広まるのを恐れて二の足を踏む。

妻の話しだと現在男は借金まみれで、暇さえあれば妻に向かって「体を売って稼いでこい！」と吐き捨てるように言っていたそうだ。

それも男から逃げ出した大きな要因だと話した。現在男は無職で教師もやめて仕事もしていないらしい。

とりあえずは、妻が生きて家に戻ってきてくれたのが私は何よりも嬉しかった。

あれから3年経った。

私は妻のフローレンスを許し、私達夫婦は1年前に再婚して現在は幸せに暮らしている。

先日、妻と買い物に出かけたら妻がひどく怯えて血の気の引いた顔をして私の後ろに隠れた。

「そんなに慌てて突然どうしたんだ？」と聞いたらあの男マックスを見かけたそう。

妻が言うには、男はシャーロットという女性と仲良さそうに歩いていたみたいでシャーロットのお腹はどう見ても妊娠していたと私に告げた。

最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
この物語を、皆さまと共有できたことが何よりの幸せです。
またどこかの物語でお会いできますように。